住宅ローンの審査における必要書類は何でしょうか?
金融機関によって必要な書類は異なりますが、共通していくつかの書類が必要になります。
また、個人事業主と会社員で必要な書類が異なる点に注意が必要です。
この記事では住宅ローンの審査に必要な書類について詳しく解説し、審査の注意点についても解説していきます。
住宅ローンの審査の必要書類
住宅ローンの審査には事前審査と本審査の2種類があります。
それぞれ必要書類が多少異なりますので、事前審査と本審査に分けて金融機関で共通して求められやすい書類について解説していきます。
住宅ローンの事前審査の必要書類
住宅ローンの事前審査には大きく分けて本人確認書類、収入証明書類、物件情報書類の3つが必要です。
本人確認書類は運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど顔写真付きの身分証明書が確実ですが、健康保険証も認められる可能性があります。
収入証明書類は文字通り収入の分かる書類を提出すれば良いのですが、個人事業主と会社員で異なるので後ほど詳しく解説します。
物件情報書類は購入予定物件の情報が分かる書類で、購入予定の物件の概要書、物件の間取図などが必要になります。
物件の概要書に関しては販売物件のチラシなどでも問題ない場合もあるようです。
大きく分けてこの3つが住宅ローンの事前審査で必要な書類になります。
金融機関によっては運転免許証、パスポートのみを本人確認書類として認めるケースや、物件情報書類で持ち込む書類を細かく規定しているケースもあります。
また、この3つの書類のどれにも当てはまらない書類の提出が求められる場合があるので、その場合は金融機関の指示に従って書類を用意しましょう。
個人事業主と会社員の収入証明書の違い
個人事業主と会社員では提出する収入証明書類が異なります。
労働形態 | 収入証明書類 |
会社員 | 源泉徴収票、住民税決定通知書、課税証明書 |
個人事業主 | 確定申告書、納税証明書 |
会社員の場合はどちらも勤務先から送られる2つの書類を保管して、住宅ローンの事前審査時に持ち込めば問題はありません。
個人事業主の場合は税務署に提出する確定申告書を自分でも保管しておくか、税務署から発行される納税証明書を住宅ローンの事前審査時に提出しましょう。
基本的にどちらの場合でも収入が分かる書類であれば問題ありませんが、会社員と個人事業主で必要な書類が異なるので間違いのないように覚えておくことをおすすめします。
住宅ローンの本審査の必要書類
住宅ローンの本審査では事前審査で提出した本人確認書類と収入証明書類に関しては変更がありません。
一度提出した書類なので、再提出は不要であると金融機関から指示をされる可能性もあります。
本審査で必要な書類はより詳しい物件情報書類です。下記が具体的な必要書類の例になります。
- 売買契約書
- 重要事項説明書
- 建築確認申請書・建築確認済証
- 登記事項証明書
- 検査済証
本審査ではさらなる物件情報書類の提出が求められますが、購入する物件や契約する金融機関によって必要書類は異なります。
事前審査を通過し、本審査に必要な書類に関して指示があれば金融機関の指示に従いましょう。
住宅ローンにおける借り換えの審査の必要書類
現在の住宅ローンから他の住宅ローンに借り換えるケースで審査を受けることもあるかと思います。
必要書類は基本的に通常の住宅ローンの審査と同じですが、以下の書類が通常の審査に加えて必要です。
- 住宅ローン返済予定表
- 借り換え前の返済用口座通帳
借り換えの審査で必要になるのは借り換え前の住宅ローンの返済状況が分かる書類になります。
住宅ローンの借り換えについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
住宅ローンの借り換えとは?3つのメリット・デメリットを徹底解説!
ここまで一般的な必要書類について解説してきましたが、次は審査の注意点について解説していきます。
住宅ローンの審査の注意点
住宅ローンの審査を受ける際の注意点は3つあります。
- 複数の金融機関の本審査に同時に申し込まない
- 追加で提出書類が発生する場合もある
- 信用情報に傷があると審査に通過しにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
複数の金融機関の本審査に同時に申し込まない
お金を借りるためにローンを組む場合すべてにいえることですが、複数の金融機関に本審査を同時に申し込むことがないようにしましょう。
同時に申し込みたくなる心理としては、「もしもこの住宅ローンの審査に落ちたときのために他の住宅ローンにも申し込んでおきたい」といった保険をかけたいケースかと思います。
しかし、それは保険にはなりません。それどころか逆効果になってしまいます。
住宅ローンの申し込み履歴は個人の信用情報に記録されており、金融機関は信用情報を見ることが可能です。
信用情報は信用情報機関に記録されており、信用情報機関は日本では3つあります。
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
よって、信用情報機関を通して別の金融機関の住宅ローンに申し込んだことが他の金融機関に分かってしまいます。
住宅ローンの場合は事前審査に関しては複数の金融機関で審査を受けることが認められています。
しかし、事前審査に複数の金融機関で通過し、本審査でも保険の意味を兼ねて複数の金融機関に申し込むと審査に通過できないリスクが高まるので注意が必要です。
追加で提出書類が発生する場合もある
金融機関によっては審査時に他に必要な書類があるケースや、提出してから追加で提出書類が増えるケースもあります。
この場合は速やかに必要な書類を用意し提出するか、提出できない事情がある場合は金融機関に相談して代替の書類の提出などの相談をおこないましょう。
追加で必要になった書類の提出を忘れた場合や、用意できない事情があるにも関わらず相談せずに放置した場合は、審査における信用性の面で大きく不利になる可能性があります。
信用情報に傷があると審査に通過しにくい
過去にクレジットカードやカードローンを利用していて返済の遅延があった場合、住宅ローンの審査に通過しにくくなります。
先ほど信用情報について説明しましたが、信用情報にはクレジットカードやカードローンの延滞の情報も含まれています。
過去に自己破産などの債務整理があった場合も記録されているので、このように信用情報にマイナスの情報があると審査に通過しにくいです。
ただし、信用情報には記録されている期間があるので、期間が過ぎれば延滞の情報は抹消されます。
信用情報はクレジットカードなどの支払いの遅延で最大5年、自己破産の場合は最大10年で抹消されます。
信用情報に傷がついている場合は審査に通過しにくいので、情報の抹消が近いのであれば待ってから審査を受けるという方法も可能です。
延滞したのが最近であれば事前審査のみ複数の金融機関に申し込んで審査の通過率を上げて、本審査は一つの金融機関に絞って、これ以上マイナスの材料が出ないように心がけましょう。
住宅ローンの種類によって審査は異なるのか?
住宅ローンには、通常の住宅ローンに加えて労金住宅ローンやフラット35などの種類があります。
住宅ローンの種類によって審査が異なるのかについてそれぞれ紹介していきます。
労金住宅ローンの審査
労金は労働組合や生活協同組合が、労働者を支援する組織で組合員になることで恩恵を得られます。
住宅ローンも労金の支援の一部になります。組合員になると手数料や金利が優遇された状態でローンを組めます。
また労金住宅ローンは申し込み条件が詳しく定められているのが特徴です。
年齢はもちろん、具体的な年収、勤続年数などの条件が具体的に定められています。
通常の住宅ローンでは年収に関しては安定した収入を持つといった具体的な条件を定めないことも多いです。
例えば、年収200万円以上、勤続年数3年以上といったような具体的な条件を提示しています。
条件が指定されている以上、条件に満たない方は審査に落ちてしまいます。
しかし、すべての条件を満たしているからといって必ずしも労金住宅ローンの審査に通過するとは限りません。
あくまで申し込むための最低条件として考えておきましょう。
労金住宅ローンは勤続年数に指定がありますが、個人事業主に比べて会社員の勤続年数の期間指定が短い傾向にあります。
労金住宅ローンは会社員の人におすすめの住宅ローンです。
フラット35の審査
フラット35は住宅金融支援機構が民間の金融機関と共同で提供する最長35年の長期返済が前提の住宅ローンのことです。
労金住宅ローンと異なり条件は細かく指定されていませんが、返済負担率が審査の合否の大きな基準になります。
年収400万円未満が30%以下、年収400万円以上が35%以下の返済負担率で返済できることが融資のための条件です。
例えば、年収700万円の年間の返済額が245万円になった場合、返済負担率は35%になります。毎月の返済額に換算すると約20万4千円です。
つまり、年収700万円の方は35年ローンで毎月の返済額を20万4千円以下にできるのであれば、借り入れが可能ということになります。
また、フラット35は審査の条件に勤続年数がありません。
よって、個人事業主も年収に見合った返済負担率であれば審査に通過できる可能性が高くなります。
住宅ローンの審査前に繰り上げ返済などの計画を立てる
住宅ローンの審査を受ける前に返済計画はしっかり立てましょう。
必要書類の準備は大変ですが、返済計画を疎かにしてしまうと返済で苦労してしまう可能性があります。
特にフラット35のような長期返済のローンを組む場合は、繰り上げ返済の計画が重要です。
しかし、多忙な人であれば必要書類を用意するので精一杯かと思います。
できれば、住宅ローンに関して詳しい人に相談して最適な計画を立ててもらいたいと考える方も多いでしょう。
具体的な計画を立てるならFP(ファイナンシャルプランナー)への相談がおすすめです。
FPは住宅ローンを含む金融に関するプロなので、住宅ローンの節税も含めて最適な計画を立ててくれます。
最適な計画が立てられれば、忙しい中自分で計画を立てるよりも返済額や税金が節約できます。
結果的に誰かに相談をした方が手元にお金が残りやすくなりますよ。
しかし、いきなり相談にくるのはハードルが高いと感じる方もいるかと思います。弊社では住宅ローンの無料セミナーを実施しています。
住宅ローンの返済計画はもちろん、審査に関して不安のある方も質問できる場となっているので、この機会に住宅ローンの不安をすべて解消しましょう。
まとめ
住宅ローンの審査の必要書類について解説しました。
金融機関ごとに具体的な書類は異なりますが、共通して必要になるものは本人確認書類、収入証明書類、物件情報書類の3つです。
審査を受ける前に用意できる書類なので、この3つに関しては事前に用意しておくことをおすすめします。
また、住宅ローンの審査を受けるうえでの不安や、返済を開始してからの不安がある方は放置して審査を受けるのではなく一度相談することをおすすめします。
住宅ローンの相談ができる場所についてはこちらの記事をチェックしてください。