資産運用と貯蓄の割合を考えるのはとても重要です。
しかし「どのようにして決めればよいのかが分からない」という不安を持っている方も少なくないでしょう。
資産運用と貯蓄は「最適なバランス」で行うことが大切です。
今回は資産運用の割合を考えるにあたり知っておくべきポイントをご紹介します。
手持ち資産を分類
投資を始める第一歩として、自分の手持ち資産の現状把握が重要項目として挙げられます。
そこから「いくらまで投資に回せるのか」を考えるためです。
そのためにもまずはお金を次の3つに分類してみます。
生活に必要な資産
1つ目は、生活費等の「すぐに使うお金」です。食費や水道光熱費、家賃、通信費のような、生命活動を維持していくのに必要なお金を指します。
生活費については毎月ほぼ変わらない方が多いので、一か月に必要なお金は見積もりやすいでしょう。
生活費は生きていく上で必ず必要なお金です。預貯金で堅実に保管しておくことをおすすめします。
このお金を投資に回し、万が一失敗した場合、大変な事態に陥ってしまいます。
緊急時に必要な資産
人間には結婚や出産、子供の養育費、住宅購入やマイカー購入等のライフイベントがあります。
また、いつ何時大きなけがや病気をするかもしれません。これらには大きな大金が必要です。
その人の状況によって、将来の大きな支出にある程度の目途が立っている場合も、全く目途が立っていない場合もあると思います。
住宅購入費、養育費等の、将来の大きな支出に備えて貯金をしている場合は、そのお金は投資には使わないようにしましょう。
余裕資産
上記を除くと、あとは特に使う予定がないお金が残ります。これはまだ使う予定が決まっていないお金なので、投資に使ってもよいでしょう。
しかし、投資は元本保証ではないため、あなたが「最悪なくなってもよい」と思える額を資産運用に回しましょう。
日本の家計の資産運用割合
全国の20歳~49歳のビジネスパーソン1,000名(全回答者)を対象に、現在の預貯金額を尋ねる調査が行われたところ、平均額は695万円でした。
続いて、全回答者(1,000名)を対象に、現在行っている資産運用について尋ねる調査が行われました。
すると、何らかの資産運用を行っている人の割合をみると41.0%となりました。
引用:DIME
資産運用の割合を考えるポイント
資産運用の割合を考えるポイントとして以下の3つをご紹介します。
現状を把握し、目標値を決める
余裕資産を準備する
リスクの範囲を決める
現状を把握し、目標値を決める
資産運用の目標値を設定することはとても重要です。なぜなら目標値を設定しないと投資期間や投資商品が決まらないからです。ですからまずは目標値を設定しましょう。
具体的には、「金額」と「期間」がポイントです。
目標値を決めたら次は自分の現状把握を行いましょう。貯蓄のうち、いくら投資に回すのかを知るには、今自分がどのくらい貯蓄や収入があるのかを知る必要があります。
現状把握は「バランスシート」と「キャッシュフロー表」を使いましょう。
バランスシートで貯蓄額を確認
バランスシートは作成した時点での資産状況が分かり、預貯金や投資に回せる貯蓄額が把握できます。
引用:日本FP協会
キャッシュフロー表で毎年の積み立て可能額を確認
キャッシュフロー表を作成すると、毎年の積み立て可能額が把握できます。
キャッシュフロー表は日々の収入、支出を記入していくものです。これにより毎年の収支が分かるので、集計すれば、毎年いくら投資や預貯金に回せるかが分かります。
家計簿やお小遣い帳をつけている方はそれをそのまま利用しても良いです。
引用:日本FP協会
余裕資産を準備する
資産運用を行うためには余剰資金が必要です。
しかし、必ずしも多額の余剰資金を用意しなければならないわけではありません。
少額から始めることができるものもあれば、多額の金額が必要なものもあります。
つまり、資産運用を行う方法、金融商品の種類によって金額は変わってくるのです。
自分の貯蓄状況を把握し、余裕をもって投資することができる資金を準備しましょう。
リスクの範囲を決める
自分がどこまでのリスクを取れるか、どのくらいの損失なら許容できるか、ということを決めておくことが重要です。
リスクの許容範囲は人それぞれですが、「生活に支障をきたさない範囲」が基準となるでしょう。
リスクの範囲を決めることは、どの投資対象にどのくらい投資するかの判断材料になります。
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資産運用の割合は何割がベストなのか
では資産運用のベストな割合はどのくらいなのでしょうか。
結論を言うと決まった割合はありません。下記で詳しくご説明します。
決まった割合はない
資産運用に充てるお金は余剰資金なので人によってその割合は変わってきます。
生活費やライフイベントのための費用を確保できていれば、どの割合で貯蓄と投資をしても良いでしょう。
つまり資産運用のベストな割合は一概には言えないのです。
基準となるのは年齢
上記で資産運用にベストな割合は人それぞれと書きましたが、一つの基準となるのは「年齢」です。年齢を貯蓄の割合にした例を見てみましょう。
- 30歳の場合 投資70% 貯蓄30%
- 40歳の場合 投資60% 貯蓄40%
- 50歳の場合 投資50% 貯蓄50%
- 60歳の場合 投資40% 貯蓄60%
若いころは余剰資金をどんどん投資に回しても良いのですが、退職直前の時期に市場が大暴落してしまうと、財産のほとんどがなくなってしまう事態に陥るかもしれません。
また、死ぬまで投資をする必要はなく、少しずつ現金化し、現金を取り崩すのが理想的であると言われています。
このような投資を実現するためには、若い頃にたくさん投資をして、年齢を重ねるごとに貯金の比率を上げていくことが重要です。
「年齢=貯金の割合」として資産運用すれば、自動的に理想の投資を行うことが可能になります。
年齢別の資産形成について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
まとめ
資産運用の割合についての具体的なイメージはついたでしょうか。人それぞれの状況によって資産運用と貯蓄の割合は変わってきます。
自分の生活費やリスク範囲をよく考え、堅実な投資を行いましょう。