サラリーマンの方で株に興味はあっても、実際にはじめたいと考えたとき「忙しい自分でもできるのか」と不安になる人も多いのではないでしょうか?
確かに株式投資は、常に値動きを監視しながら売買して利益をあげる側面もあります。
多忙なサラリーマンにはこの方法で利益をあげることは不可能ですが、その投資方法は複数ある投資方法の中のひとつに過ぎません。
サラリーマンにはサラリーマンに適した株式投資の方法があるのです。
この記事ではサラリーマンが株をはじめるのに必要な知識と、サラリーマンに適した株式投資の方法について詳しく解説していきます。
サラリーマンでも株をはじめられるのか?
サラリーマンが株をはじめるにあたって気にすることは何よりも「時間」であり、業種によっては「副業」にあたる可能性を考慮する必要がある人もいるかと思います。
結論からいってしまえば、サラリーマンが株をはじめることは可能です。
この項目では、サラリーマンが株を取引する時間と株式投資が副業にあたるのかについて詳しく解説していきます。
また、株の基本について知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
サラリーマンが株取引をする時間は?
サラリーマンが株取引をする時間は、株式市場が開いている9時から15時の間であれば、お昼休憩が取引できる時間となります。
お昼休憩では短期で値動きを見ながら売買する投資方法は難しいため、長期的な投資を前提とする必要があります。
しかし、サラリーマンが株取引をすることができる時間は仕事が終わった夜にもあります。
SBI証券のPTS取引(夜間取引)を利用すれば、株式を夜に取引することが可能です。
PTS取引には8時20分から16時までのデイタイムセッションと、17時から23時59分のナイトタイムセッションがあります。
つまり、ナイトタイムセッションの17時から23時59分の間であればサラリーマンであっても株式を取引できるのです。
これらを基にサラリーマンが株式を取引できる時間を分かりやすく図にまとめました。
サラリーマンが株取引をする時間はお昼休憩と、PTS取引ができる17時から23時59分ということになります。
また、株価が一定の価格になった際に売買を予約することができる指値注文もサラリーマンには有効な株式の注文方法です。
株式市場が開いている9時から15時の間に株価を見ることができないサラリーマンであっても株取引はできます。
株式投資は副業なのか?
副業禁止の職場では株式が副業にあたるのか心配な人もいるでしょう。
結論からお答えいたしますと、株式投資は副業ではありません。
根拠としては、株式投資は資産運用の一部であり、財産の一つの形であるといえます。
財産の保持に関して企業が干渉することはできないため、副業禁止の職場であっても株式投資をおこなうことは問題がないのです。
ただし、証券会社や生命保険会社などの金融機関は、社内規則として株取引を禁じている場合があります。
禁止していることにも理由があり、インサイダー取引に触れる可能性があるので禁止しているのです。
株式投資は副業ではありませんが、業種によっては株取引が禁止されている場合もあるので、社内のルールを必ず確認しておきましょう。
また、株式投資が副業でない根拠についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
サラリーマンが株を取引する3つの方法
サラリーマンが株を取引をする方法は3つあります。
- デイトレード
- スイングトレード
- 長期投資
デイトレード
デイトレードは、株式を1日の値動きで売買する取引方法です。
特定の株価を長い時間監視する必要がありますので、サラリーマンには難しい株の取引方法になります。
しかし、「有給が取れたので9時から15時までを株の取引に使えることになった」など、様々な事情で株価が監視ができる状態になればデイトレードができる日があるかもしれません。
それぞれの状況にもよりますが、サラリーマンでもデイトレードができないというわけではないのです。
ただし、デイトレードは投資の経験も必要であり、投資経験のないサラリーマンの投資方法としてはおすすめではありません。
スイングトレード
スイングトレードは、2~3日から数か月の短期間の値動きで売買する取引方法です。
サラリーマンであれば、お昼休憩での取引や、PTS取引や指値注文を駆使することができればスイングトレードは十分に可能です。
特に指値注文であれば、損切のタイミングや利益確定のタイミングも決めておけるので、仕事をしている間に取引が成立している場合もあります。
スイングトレードはサラリーマンが株を始める上で候補となる取引方法であるといえます。
長期投資
最後に、長期投資は1年以上株式に投資をして利益を得る投資の方法です。
スイングトレードをしていても、業務中に株価の値動きが気になってしまう人が多いと思います。
しかし、長期投資であれば目先の株価の値動きは気にする必要がありません。
多忙なサラリーマンであっても余裕を持ってできる株取引の方法であるといえるでしょう。
また、長期投資のメリットとしては、株主優待や配当金などを得られる点もあげられます。
よって、サラリーマンに一番おすすめな株取引の方法は長期投資であるといえます。
また、株式の取引において重要な売るタイミングについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
株式を売るタイミングとは? 株初心者でも実践できる3つのタイミング
サラリーマンには長期投資がおすすめ
サラリーマンが実践できる株の取引方法は3つありましたが、一番おすすめの取引方法は長期投資になります。
長期投資は銘柄の選び方がしっかりしていれば、大きな損失が出る可能性は低いので、投資初心者にもおすすめな投資方法であるといえます。
その上で、長期投資で毎年得られる配当金や株主優待でさらに利益を得ることができます。
また、株式で長期投資をするのであれば、株式を対象とした投資信託もおすすめです。
ここからは、投資信託について解説していきます。
長期投資には株式型投資信託もおすすめ
株式型投資信託は、投資家から集めたお金を資産運用のプロ(ファンドマネージャー)が株式に運用し、その利益を投資家に分配する金融商品のことです。
資産運用のプロに運用を任せておけるので、自分で運用をする必要がないため投資初心者にもおすすめの金融商品になります。
投資信託に投資する場合は株式のようにひとつの銘柄に投資するのではなく、国内株式、海外株式といったひとつの市場に投資することになります。
つまり、株式よりも銘柄の選定が簡単であり、分散投資もできる金融商品ということになります。
ただし、プロが運用する商品ですが、元本割れをする危険性があり、通常の株式と同様にリスクがある商品になります。
投資信託は株式よりも長期投資向けの金融商品であり、長期保有が前提となっています。
何故なら投資信託の値動きは1日1回であり、購入、売却も一定の期間を要するからです。
サラリーマンで特定の株式を選定する時間、知識がなく、長期投資を考えている人は、株式型の投資信託に投資をするのもおすすめです。
また、投資信託についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
サラリーマンが株で得た利益に確定申告が必要な3つのケース
まず、株式で得られた利益には必ず税金がかかります。
しかし、サラリーマンであれば、基本的に20万円以下の雑所得は確定申告が不要です。
ただし、給与の年間収益金額が2,000万円を超えている場合や、医療費控除を受けるために確定申告をする必要がある場合はこの限りではありません。
つまり、サラリーマンであるからといって必ずしも20万円以下の雑所得に必ずしも確定申告が不要であるとは限らないので、確定申告が必要かどうかは確認しておきましょう。
しかし、ここからは雑所得20万円以下であれば確定申告が不要となることを前提にして、確定申告をしなければいけないケースについて解説していきます。
サラリーマンが株で得た利益に確定申告が必要なケースは3つあります。
- 株を含む副収入が20万円以上
- 口座に源泉徴収がない
- 株で損失が発生した場合
株を含む副収入が20万円以上である場合
株を含む副収入が20万円以上である場合は、サラリーマンであっても確定申告が必要になります。
ここで重要なのは株の利益だけではなく本業以外に他の利益があった場合、それを含めた上で20万円以上であれば確定申告が必要になります。
ただし、株を取引している口座によっては税金を収めていたり、税金が免除される口座もあるので、必ずしも株の利益が20万円を超えたら申告しなければならないというわけではありません。
次は口座によって必要なケースを考えていきます。
口座に源泉徴収がない場合
次に、口座に源泉徴収がない場合です。
株式を取引する口座の種類は、証券会社に別途申請が必要な口座を除くと3種類あります。
- 普通口座
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 特定口座(源泉徴収あり)
普通口座には源泉徴収がありません。
また、確定申告に必要な年間取引報告書を自分で作成する必要があります。
特定口座は源泉徴収なしとありの口座があります。
どちらも確定申告に必要な年間取引報告書は証券会社が用意してくれます。
結論としては、普通口座、特定口座(源泉徴収なし)で取引をしている場合は、雑所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
特定口座(源泉徴収あり)で取引をしている場合は、株式の利益が20万円を超えている場合でも確定申告は不要です。
なぜなら、特定口座(源泉徴収あり)では株式で得た利益にかかる税金を証券会社が自動的に納めてくれるので申告の義務はありません。
また、確定申告が口座によって不要になるケースとしては利益が非課税になるNISA口座を利用した場合は、確定申告が不要です。
NISAは個人投資家のための税制優遇制度であり、NISA口座で得た利益は全て非課税になります。
確定申告をしたくない場合は、特定口座(源泉徴収あり)を利用するか証券会社に申請してNISA口座を開設しましょう。
また、NISAについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
従来NISAと比較した、つみたてNISA(積立NISA)とは?いつから始まるのか?
株で損失が発生した場合
最後のケースは、確定申告の義務があるわけではありませんが、確定申告をすると税金の過払いを防ぐことができるケースです。
万が一、株で損失が発生した場合、損失を申告することによって損益通算を利用することができます。
損益通算について下記の図にまとめました。
例えば、2019年に株式で10万円の損失を出してしまったと仮定します。
しかし、翌年の2020年には60万円の利益が発生したとします。
このまま確定申告をすると60万円全てに課税されることになりますが、2019年に発生した10万円の損失も申告します。
この場合、課税の対象となる額は2020年の利益60万円から2019年の損失10万円を引いた50万円になります。
損益通算は損失が発生してから3年間有効であり、4年後の利益に対して損益通算をおこなうことはできません。
また、NISA口座など利益が非課税になる口座で損失を発生させた場合は、損益通算の対象にならない点にも気をつけましょう。
サラリーマンであれば基本的に確定申告をおこなう必要がないので、確定申告をできればしたくないと考えている人も多いと思います。
しかし、確定申告をすることで払い過ぎた税金が戻ってくる場合があるので、確定申告にもメリットがあるのです。
確定申告が必要なケースを理解して、必要な場合は必ず確定申告をおこなうようにしましょう。
また、損益通算を含めた節税について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
まとめ
サラリーマンが株をはじめるために必要な知識と取引の方法について理解していただけたでしょうか?
時間のないサラリーマンであっても、株をはじめることは可能です。
ただし、株をはじめるには知識が必要なので、この記事に載せた株式投資の関連記事の内容を理解してから実際に取引をはじめるようにしましょう。
また、株式の他にサラリーマンにおすすめの投資方法についても紹介しています。
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