「投資は失敗すると大損をする」このような印象を持っている人は今でも少なくはありません。
一言で投資といってもその種類は数多くあり、リスクの低いもの、リスクの高いもの、場合によっては借金をしてしまうものまであります。
しかし、投資で失敗する人の特徴にはどの投資を選んだとしても共通するものがあるのです。
この記事では、投資で失敗する人の特徴やそれぞれの投資で失敗した場合のリスク、投資で失敗しないためにはどうすればよいのかを詳しく解説していきます。
投資で失敗してしまう人の5つの特徴
投資で失敗してしまう人には共通する5つの特徴があります。
- 投資初心者でハイリスクな投資に手を出してしまう人
- 1つの投資先に集中して投資をしてしまう人
- 短期で投資の結果を出そうとする人
- 自分の身の丈に合った投資を選んでいない人
- 投資における目的を決めていない人
投資初心者でハイリスクな投資に手を出してしまう人
投資で失敗してしまう人の1つめの特徴は、初心者でリスクの高い投資に手を出してしまうことです。
ハイリスクな投資の代表としては、FX(外国為替証拠金取引)や先物取引や株式の信用取引など証券会社からお金を借りて投資をするものから、一時期話題になった仮想通貨もそのひとつとしてあげられます。
リスクの高い投資はリターンも大きいので、投資初心者からすれば魅力的に見えるかもしれませんが、知識のない状態でおこなうハイリスクな投資はギャンブルと性質は変わりません。
投資初心者はまずは投資に慣れるという意味も含めて、比較的ローリスクである、債券または投資信託を選ぶとよいでしょう。
1つの投資先に集中して投資をしてしまう人
投資で失敗してしまう人の2つめの特徴は、投資先を1つに絞って投資をしてしまうことです。
投資の世界では「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があります。
1つのカゴ(投資先)に卵(資産)をすべて盛ってしまうと、カゴ(投資先)がダメになったときにすべて割れてしまいます。
1つの投資先に集中して投資する方法は、投資先がダメになったときにすべての資産に損害を与えてしまう可能性がある投資方法であるということです。
一方、複数のカゴに卵を盛れば、1つのカゴがダメになった場合でも、残りのカゴの卵は無事になりますので、投資は投資先の分散をこころがけることが基本になります。
複数の投資先に資産を投資する方法としては、投資信託など分散投資ができる投資を選ぶのもひとつの方法です。
短期で投資の結果を出そうとする人
投資で失敗してしまう人の3つめの特徴は、勉強時間も含めて短期で投資の結果を出そうとすることです。
投資は長期投資よりも短期投資の方が儲かるといわれることもありますし、大きな利益を出すのであれば短期投資の方が向いている場合もあります。
しかし、投資の知識のない初心者が短期投資で結果を出すことは難しいです。
短期投資で利益を出している人は、投資を何年も続けている人が長い時間をかけて勉強し、利益を出せるようになった人が多いです。
つまり、短期的に利益を出しているように見えて、積み上げてきた時間は非常に長いということです。
投資初心者が短期投資で儲かる側面だけを見て投資をしても結果を出すことが難しいのはこれが理由になります。
絵の上手い人が数分で上手な絵が描けるようになるためにその何百倍もの時間をかけて努力するように、短期投資で結果を出すためには時間をかけて勉強をする必要があるということです。
投資初心者が投資の失敗を避けるためには短期投資で結果を出そうとせず、長期投資を始めて投資についてじっくり勉強をしていきましょう。
自分の身の丈に合った投資を選んでいない人
投資で失敗してしまう人の4つめの特徴は、自分の余裕資産では投資をすることが難しい投資を選ぶことです。
投資において、それぞれの種類によって必要な最低投資金額も異なってきます。
例えば、余裕資産が15万円である人が最低購入金額が10万円の株式を購入して投資をすることは身の丈のあった投資とはいいません。
何故なら、残りの余裕資産で同じ額の別の株式を購入することが難しいからです。
余裕資産が100万円や200万円ある人であれば、最低購入金額が10万円である投資でも分散投資ができるので身の丈にあった投資であるといえます。
では、余裕資産が15万円の人が投資する商品としては、1万円から購入できる国債などがあげられます。
また、余裕資産がなくそれでも少額の投資がしたい人には、100円から購入できる投資信託もおすすめです。
少額投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
少額から出来る3つの投資とは?投資初心者におすすめの投資をご紹介
投資における目的を決めていない人
投資で失敗してしまう人の5つめの特徴は、投資における目的を決めないことです。
価格変動のある投資は、価格が上がるとしても際限なく上がることはありません。
必ずどこかで下落の相場が訪れますが、投資の経験のある人であればともかく投資初心者ではその正確なタイミングをつかむことは非常に難しいです。
投資初心者の代表的な失敗としては、投資した商品の価格が上がり続けているのでまだ上がると思い保有したところ下落が始まり損失になってしまったことがあげられます。
これを避けるためには、最初からどこまで価格が上がったら売るのか、一方、どこまで下がることがあれば損切をするのか考えておく必要があります。
投資における目的を決めておくだけで相場に騙されず、この投資商品で得たい利益はこのくらいなのでこの利益で売却をするということが決められます。
どのくらいの利益を見込むのか、どのくらいの損失までなら許容できるのか、何年投資をするのか、投資をする前に投資の目的を決めておきましょう。
投資ごとの失敗した場合のリスクの大きさについて
投資にはたくさんの種類がありますが、ここからは代表的な投資において失敗した場合のリスクの大きさについて解説していきます。
ここで紹介する代表的な投資は下記の8つになります。
- 預金(外貨預金)
- 株式投資
- 債券投資
- 投資信託
- 不動産投資
- 先物取引
- FX(外国為替証拠金取引)
- 仮想通貨
また、資産運用の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
資産運用の種類とは?初心者でも分かる17種類の運用方法を徹底解説
預金(外貨預金)
預金は銀行にお金を預けることで金利を得ることです。
日本円を預ける預金には、「普通口座」と「定期預金」があり、定期預金は普通口座よりも金利が高いですが引き出しにくいデメリットがあります。
預金は元本が完全に保証されているので、失敗のリスクはありません。
ただし、金利は非常に安いのでリターンもほとんどありません。
リターンを求める人は、通常の預金よりも金利が高い外貨預金を選択することもできます。
しかし、外貨預金は為替差損による元本割れのリスクもあります。
預金は通常の預金であれば失敗のリスクはなく、外貨預金は失敗した場合、為替差損による元本割れが発生することもあります。
株式投資
株式投資は企業が資金を得るために発行した株を売買する投資です。
株式の売買で、「売却益」「配当金」「株主優待」「議決権」など様々な資産と権利を得る事が出来ます。
株式投資には現物の資産で株式を購入する現物取引がありますが、こちらにおいては借金が発生するほどのリスクを負うことはありません。
最悪の場合、元本のすべてまたはほとんどを失う可能性がありますが、現物取引である以上元本以上の損失はないからです。
しかし、証券会社のお金を借りて取引をする信用取引では、失敗してしまうと借金をしてしまうほどのリスクを負うことになります。
投資において借金が発生するほど大損をする場合があるという印象は、他人のお金を借りて取引をするレバレッジの失敗による大損からきています。
株式投資であれば、現物取引に限っていえば失敗をした場合借金をするほどのリスクはありませんが、信用取引では借金をするほどの損失が発生することもあります。
また、株の大損による失敗について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
株の失敗で大損してしまう人とは?最も多い5つの特徴について!
債券投資
債券投資は国や企業が資金を集めるために発行する借用書のことです。
債券を保有することで、定期的な利子収入を得ることができます。
債券投資は基本的に元本が保証されている金融商品なので、保有し続けていれば価格変動の影響を受けません。
ただし、二次市場で売却した場合は価格変動の影響を受けるので、債券を途中売却した場合は差損が生じるリスクもあります。
債券における失敗は投資した企業が倒産、債務不履行に陥った場合に、元本の一部やすべてを失ってしまうケースです。
そのため、信用性の高い債券はリターンが少なく、信用性が低く債務不履行になる可能性もある債券のリターンが高い傾向にあります。
しかし、基本的には定期預金と同様に元本が保証されているので、失敗のリスクは他の投資と比べても少ないです。
債券のリスクについて知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託
投資信託は、投資家から集めたお金を運用の専門家(ファンドマネージャー)が金融商品に投資運用し、その成果を投資家に分配する金融商品です。
投資信託で得られる利益は、「売買差益」と定期的に発生する「分配金」があげられます。
投資信託は元本が保証されていないので、失敗すると価格変動による損失が発生します。
また、運用するためには手数料がかかるので、手数料のよって損失がさらに膨らむ可能性もあります。
最低購入金額が安い場合も多く、投資知識がなくても気軽に始めることができる投資信託ですが、失敗によるリスクがあることを理解しておきましょう。
また、投資信託の失敗で大損するケースについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
不動産投資
不動産投資は、物件を購入しその賃料収入や、転売によって利益を得る投資の方法です。
初期投資金額は他の投資と比べても高いですが、安定した賃料収入が毎月得られるのは魅力の一つです。
不動産投資の失敗は、物件自体の価値が下がってしまうことや、住む人がいなくなることによって賃料収入がなくなってしまうことがあげられます。
また、物件が火災や災害によってなくなってしまうリスクや、物件を維持するための維持費用もかかります。
不動産投資は必ずしも物件を売買して利益を得るのではなく、賃料による収入を得られるため安定した商品であると考える人も多いです。
しかし、投資信託や株式と異なり、実物資産であるために、発生するリスクやコストがあるということです。
不動産投資はこれらのリスクを知らなかった場合や、対策を怠っていた場合に失敗をしてしまうケースが多いのです。
不動産投資についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
初心者が不動産投資を始める前に知っておくべきメリット3選・勘違い3選!
先物取引
先物取引は将来の売買を現時点で約束する取引のことをいいます。
対象となる商品には、債券、株式などの金融商品や、石油、農作物などのコモディティがあります。
例えば、1000万円分の石油を半年後に1000万円で売却する契約をしたとします。
半年後に石油の価値が980万円になった場合は20万円の利益が発生し、1020万円になった場合は20万円の損失が発生します。
決められた未来の価格を予想して売買するのが先物取引ですが、先物取引では基本的にレバレッジを働かせて取引をします。
証拠金を支払い、自分の持っている資産よりも多額の取引をすることができますが、失敗した場合は借金を伴うリスクとなる場合があります。
先物取引は成功によるリターンも大きいですが失敗によるリスクも大きい投資方法なので注意が必要です。
FX(外国為替証拠金取引)
FX(Foreign Exchange)はドル、ユーロなどの外貨を取引することによって為替差益を得る投資の方法です。
為替手数料も安く、24時間取引することができるので、お手軽な投資方法に見えるかもしれませんが、これまで紹介した投資の中で失敗のリスクが最も大きい投資となっています。
FXはレバレッジ取引が可能で、証拠金を入れることによって最大で証拠金の25倍の資産を動かすことができます。
動かせる資産が大きければリターンも大きいですが、リスクも非常に高く、失敗をした場合は大きな借金を背負うほどの損失に膨れ上がる恐れがあります。
FXは失敗した際のリスクが最も大きい投資方法であるため、失敗のリスクを必ず理解しておきましょう。
仮想通貨
最後に一時期話題になり、興味を持った人もいるかもしれませんが仮想通貨の失敗によるリスクについて解説していきます。
仮想通貨とはインターネット上で使用できる通貨のことで代表的な仮想通貨には「ビットコイン」があります。
仮想通貨で得られる利益は、売買差益で、大きく値段が上がる可能性もあるのでリターンの大きい投資です。
しかし、リターンが大きければリスクも高く、価格の暴落による失敗の危険性があります。
また、法定通貨ではないため国が価値を保証しているわけではありません。
実際に取引所が停止してしまった事例もあるので、取引所に関するリスクもあります。
今後、仮想通貨に続く話題性の高い投資が出てきたとしても、失敗によるリスクを見極めて投資するかどうか判断をする必要があります。
仮想通貨のリスクについてさらに詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
仮想通貨やビットコインとは?その仕組みやメリット・リスク・現金化方法(換金)について
投資で失敗しないためには?
ここまで投資で失敗する人の特徴や、投資ごとの失敗によりリスクを紹介してきました。
ここからは投資で失敗をしないためにはどうすればよいのかを解説していきます。
投資の失敗を避けるためには3つのことを心がける必要があります。
- 投資初心者はローリスクな投資を選ぶ
- 分散投資を心がける
- 自分の資産に合った投資を選ぶ
投資初心者はローリスクな投資を選ぶ
投資初心者は、ハイリスクな投資は避け、ローリスクな投資から始めるのが理想です。
なぜなら、投資の失敗は誰にでも起こる可能性があり、初心者であればその可能性はさらに高くなります。
大切なのは失敗をしないことではなく失敗をしたとしてもいかに軽症で済ませるか考え、立ち直れないほどの失敗だけは絶対にしないことなのです。
ローリスクな投資であれば万が一失敗をしたとしても、その失敗が経験になりますし、損失も軽く再挑戦できます。
ハイリスクな投資に興味がある場合でも、まずはローリスクな投資で経験を積んで投資の勉強してから実際に投資をするかどうか考えていきましょう。
分散投資を心がける
1つの投資先に集中することなく、複数の投資先に分散して投資をするようにしましょう。
また、株式の中で国内の複数の違う業種の銘柄を買うことはよい分散投資とは言えません。
国内の株式市場は市場の状況により、業種が異なる場合でもすべて値下がりする危険性もあります。
では、どうすればよいのかといえば、海外の株式や国内の債券など異なる市場や異なる金融商品を購入することで市場の連動をある程度避けることができます。
また、購入価格が安く、分散投資向けの金融商品である投資信託には、国内・海外の株式・債券・不動産・コモディティなどを様々な投資対象があります。
余裕資産がない場合や、銘柄の選定方法がわからない場合は、海外株式と国内債券を対象にした投資信託の2つの銘柄を購入するようにすればよりリスクの低い分散投資をすることができます。
投資で失敗しないためにはただ異なる投資先に投資をするのではなく、金融商品や市場の異なる複数の投資先に投資をする必要があります。
自分の資産に合った投資を選ぶ
投資を始める際は自分の余裕資産に合った投資をおすすめします。
たとえば、余裕資産が100万円ある人には100万円から始めることが適している投資があります。
1000万円から始めることが適している資産運用を余裕資産が100万円の人が始めるのは難しいです。
余裕資産がない人は余裕資産が集まるまで少額投資、余裕資産のある人は自分の身の丈にあった投資を選ぶことが投資で失敗しないためのひとつの要素になります。
最後に、100万円または1000万円の余裕資産がある人に適した資産運用の紹介記事について下記にまとめましたので、詳しく知りたい方はこれらの記事をチェックしてください。
まとめ
投資の失敗について理解していただけたでしょうか?
失敗してしまう人の特徴と、各金融商品のリスクを理解すれば失敗をしないためにはどうすればいいのかが分かります。
この記事を参考にできる限り失敗のリスクの低い投資を目指していきましょう!