Progressive Capital Partners Ltd(プログレッシブ・キャピタル・パートナーズ・エルティーディー/以下PCP)は、オルタナティブ投資に焦点を当てたスイスの独立系ヘッジファンドです。
設立当初よりヘッジファンドに特化し、高い潜在リターンを期待したソリューションを提供しています。中でも、トレンドファンドやリキッドオルタナティブファンドを検討する投資家が多いようです。
この記事ではPCPの企業概要や商品情報、口コミなどをお伝えしていきます。
PCP 会社概要
PCPは2001年、スイスのツーク州バールにて設立されました。
設立当初よりオルタナティブ投資を促進し、より幅広い投資家層が利用できるようにすることを目標にしており、20年以上にわたって、顧客のニーズに応じた製品範囲を強化することに取り組んでいます。
商品としては、リキッドオルタナティブ、ニッチオルタナティブファンドといったオルタナティブファンドの他、トレンドファンドも取り扱っています。
PCPは信頼できる会社なのか
PCPは格付機関の評価を公表していませんが、以下の情報から信用力を測ることができます。
スイスの商業登記簿に登録
PCPはスイスの商業登記簿に登録されており、ビジネスの透明性と信頼性が確保されています。
運用資産総額
PCPの運用資産総額は、2024年4月末現在で約8億1,000 万USドルです。
1USドルを157円と換算した場合、日本円で約1兆2717億円となります。
マーケット情報媒体への掲載
PCPはBloombergやPitchBookといった、市場動向を把握し投資判断を行うための情報媒体にPCPの会社プロフィールが記載されています。両社がPCPを健全な投資先と判断し、ユーザーに情報を提供していると判断していいでしょう。
Bloomberg
https://www.bloomberg.com/profile/company/1487127D:SW
PitchBook
https://pitchbook.com/profiles/investor/111355-03#data
PCPの取扱商品
PCPはトレンドファンドの他、複数のリキッドオルタナティブファンドやニッチオルタナティブファンドを取り扱っています。INVEEKのプロバイダーページでもご確認頂けますので併せてご覧ください。
この記事では、検討されることの多いTULIP TREND FUNDS(チューリップトレンドファンド)とリキッドオルタナティブのPCP LONG VOLATILITY FUND(PCPロングボラティリティファンド)を紹介いたします。
TULIP TREND FUNDS(チューリップ トレンド ファンド)
チューリップ トレンドファンドは、UCITSファンドのサブ投資マネージャー、および KYファンドのトレーディングアドバイザーである Transtrend BVの多様化トレンドプログラム (DTP) に従って投資を行っています。
Transtrend BV は、2024年4月末時点で運用資産約 59 億米ドル (想定元本を含む) を誇る老舗の資産運用会社であり、 1992年に遡るDTPの実績があります。
Transtrend BVの経験豊富なチームは、60 名を超える資格のある専門家で構成されています。最先端のインフラストラクチャを備えています。
このプログラムは30 年以上の成功実績があり、特に株式弱気市場の環境において、歴史的に強力な分散効果をもたらしてきました。
チューリップ トレンド ファンド (KY) は、トレーディング アドバイザーのDTPの拡張リスクプロファイルの 2 倍で取引されます。一方、チューリップ トレンドファンド UCITS は、サブ投資マネージャーのDTPの拡張リスクプロファイルです。
この戦略は、市場の方向性に関係なく、体系的かつ規律ある方法で、さまざまな市場の価格傾向を活用することを目的としています。ファンドは、体制に依存しない方法で、取引市場のいずれかでロング、ショート、またはニュートラルにポジションを置くことができます。
Tulip Trend Fund (KY – Cayman Islands)
戦略 | 統計的トレンドフォロー |
製品種類 | シングル・マネージャー |
目標リターン | N/A |
歴史的変動率 | 25%-30% |
本籍 | ケイマン諸島 |
支払い | 毎月 |
償還 | 毎月 |
通知期間 | 3営業日 |
通貨 | USドル、ユーロ、フラン、円、ポンド、AUドル |
最低投資額 | I クラス:100万USドルまたは相当額 Pクラス:10万USドルまたは相当額 |
報告 | 毎月/毎週 |
管理手数料 | I クラス:0.75%プラス顧問料 Pクラス:2.00%プラス顧問料 |
成功報酬 | I クラス:0%プラス顧問料 Pクラス:10%プラス顧問料 |
2024年4月末時点のファンド資産 | 1億5,490万USドル |
2024年4月末時点の戦略資産 | 58億9,600万USドル |
※2024年6月時点での公表値
Tulip Trend Fund UCITS
戦略 | 統計的トレンドフォロー |
製品種類 | シングル・マネージャー |
目標リターン | N/A |
歴史的変動率 | 12%-15% |
本籍 | アイルランド |
支払い | 毎週 |
償還 | 毎週 |
通知期間 | 2営業日 |
通貨 | USドル、ユーロ、フラン、円、ポンド、AUドル |
最低投資額 | SI クラス:2,000万USドルまたは相当額 I クラス :10万USドルまたは相当額 Pクラス :1万USドルまたは相当額 |
報告 | 毎月/毎週 |
管理手数料 | SI クラス:1.00% I クラス :1.50% Pクラス :2.25% |
成功報酬 | SI&Iクラス:16% Pクラス :20% |
2024年4月末時点のファンド資産 | 7,630万USドル |
2024年4月末時点の戦略資産 | 58億9,600万USドル |
※2024年6月時点での公表値
The Lipper Ratingで最高評価5を獲得
Tulip Trend Fund UCITSは、パフォーマンスの持続可能性、リスク管理、コスト効率性を総合的に評価するThe Lipper Ratingにおいて最高評価の5を獲得しています。
LIQUID ALTERNATIVES(リキッド オルタナティブ)
リキッドオルタナティブは、魅力的なリスク調整後のリターンと分散効果を提供することに重点を置いています。
この戦略では、株式、債券、通貨、商品、クレジット、ボラティリティなど、流動性の高い世界市場全体でロングポジションだけでなくショートポジションも積極的に取引しています。また、ポジティブコンベクシティにより、特に市場の下落期やインフレ期に強力な分散を可能にします。
PCPの投資チームは無相関戦略における長年の専門知識を活用します。
- グローバルマクロ
- ロングボラティリティとテールヘッジ
- CTAトレンドと短期CTA
- コモディティ取引
PCPは機関投資家の顧客向けに特別に設計された、混合ファンドやカスタマイズされたソリューションを含むオルタナティブなマルチマネージャー ポートフォリオを提供します。
PCP ロングボラティリティファンド
PCPロングボラティリティファンドは、PCPがキャリーニュートラルな方法で有意義な保護を提供することを目的とした、裁量的かつアクティブに運用されるファンドです。市場全体で現在ボラティリティが低い状況は、プラスの非対称的な機会を生み出しています。
PCPはさまざまな成果をカバーするために、補完的なアプローチと哲学を持つロング ボラティリティ分野の少数のマネージャーを慎重に選択して投資しています。
PCPロングボラティリティファンドは、アウトライトロングボラティリティ、クレジット市場でのショートエクスポージャー、短期モメンタムの専門知識を持つ4~8 名のマネージャーを割り当てます。
これらのマネージャーは、潜在的な利益を固定するためにポートフォリオのリスクを積極的に管理しますが、PCPはその制度的枠組みとプロセスに基づいてマネージャーを監視し、リバランスします。
戦略 | 長期ボラティリティ |
製品種類 | リキッドオルタナティブ |
本籍/構造 | リヒテンシュタインのオープンエンド型AIF |
支払い/通知 | 毎月/毎月25日まで |
償還/通知 | 毎月/45日 |
通貨 | USドル、フラン |
最低投資額 | I クラス :10万USドル Pクラス :1万USドル |
報告 | 毎月 |
管理手数料(年間) | I クラス :0.75% Pクラス :1.50% |
成功報酬(ハイウォーターマーク) | I クラス :10% Pクラス :10% |
2024年3月末時点のファンド資産 | 8,960万USドル |
2024年3月末時点のロングボラティリティへのPCP投資 | 2億4,970万USドル |
※2024年6月時点での公表値
PCPの評判・口コミは?
2023年3月、HSBCグループの調査により、PCPが提供するチューリップ・トレンド・ファンドが19.8%の損失を出したことが分かっています。
これに対しPCPは「ファンドが被った損失は金利市場の急激な変動によるもの」と述べています。また、同ファンドが2022年には29%の利益を上げていることも付け加えました。
その他、金融機関としてのレビューや商品に関する口コミは見られませんでした。
まとめ
PCPは、設立当初よりヘッジファンドに特化し、高い潜在リターンを期待したソリューションを提供しています。同社はスイスの商業登記簿に登録されており、運用資産総額は日本円にして1兆2,000億円を超えていることから、企業としての信用性もあると考えていいでしょう。
PCPの扱うヘッジファンドは従来の資産クラス(株や債券)と相関性が低く、高いリスク分散効果が期待できます。PCPへの投資を検討する際は、信頼できるアドバイザーに相談することをおススメします。
PCPについてのご相談はINVEEKまでお気軽にお寄せください。