20代の貯金と投資の割合は?失敗しない目安と決め方をプロが解説

SNSや職場で「NISAを始めた」「毎月積み立てている」という話を聞き、自分も投資を始めるべきか迷っている20代は多いでしょう。

しかし、いざ始める際に悩みがちなポイントが、貯金と投資の割合です。特に20代は、収入がまだ大きくない一方で、近い将来にまとまったお金が必要になる場面もあります。だからこそ、投資を急ぐ前に「すぐ使うお金」と「しばらく使わないお金」を分けて考えることが大切です。

本記事では、20代の貯金と投資の割合の決め方と続けやすい投資を解説します。

目次

【ケース別】20代の貯金と投資の割合の目安

20代の貯金と投資の割合は、収入の多さだけで決まるものではありません。

目安としては、生活が不安定な時期は貯金を厚めにし、収支に余裕が出てきたら投資の割合を少しずつ高めるとよいでしょう。

20代は運用期間を長く取りやすい一方、転職や引越しなどで支出が増えやすい年代でもあります。いきなり大きな金額を投資に回すより、まずは生活防衛資金を確保し、余裕資金で積立投資を始めると安心です。

一人暮らしの20代

一人暮らしの20代は、貯金70%・投資30%を一つの目安にするとよいでしょう。

家賃や光熱費、通信費などの固定費を自分で負担するため、収入が同じでも実家暮らしより自由に使えるお金は少なくなりがちに。急な病気や家電の買い替え、退職後の生活費に備えるためにも、まずは貯金を優先することが大切です。

ただし、貯金だけに偏ると資産形成の経験を積みにくくなります。毎月5,000円や1万円など、負担を感じにくい金額から投資を始めれば、家計を守りながら投資に慣れていけます。

家賃が手取りの大きな割合を占めている場合は、投資額をさらに抑えても問題ありません。

実家暮らしの20代

実家暮らしの20代は、貯金50%・投資50%を検討しやすい目安といえます。

実家暮らしの強みは、家賃や食費の負担が軽く、毎月の支出を抑えやすいため、資産形成に回せる余力が生まれやすい点です。ただし、自由に使えるお金が多い分、外食や趣味の支出が増えてしまうケースも。まずは給料日に貯金と投資の金額を先取りし、残ったお金で生活する仕組みを作るとよいでしょう。

近いうちに一人暮らしを始める予定があるなら、敷金や家具の購入費などに備えて貯金を厚めにしておくと安心です。

奨学金やローン返済がある20代

奨学金やローン返済がある20代は、貯金80%・投資20%のように守りを重視する割合が向いています。毎月の返済は固定費に近く、収入が減っても簡単には止められません。

したがって、金利が高いカードローンやリボ払いがある場合は、投資より返済を優先した方が家計改善につながりやすいでしょう。一方、奨学金のように金利が低い返済は、生活防衛資金とのバランスを見ながら判断することを推奨します。

少額の積立投資を続けながら、ボーナスや臨時収入は返済と貯金に振り分けると、無理のないバランスを取りやすいでしょう。

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ライフイベントの予定がある20代

結婚や転職、留学などのライフイベントを予定している20代は、貯金を優先しましょう。数年以内に使うお金を投資に回すと、必要なタイミングで相場が下がっている可能性も。

そのため、使う時期が近い資金は預貯金で準備し、投資は当面使わないお金に限定しましょう。例えば、2年後に引越しを予定しているなら、初期費用や生活費の変動に備えた現金を先に確保する必要があります。

ライフイベントがある時期は、増やすことより「必要なときに使える状態」にしましょう。

貯金と投資の割合を決める5ステップ

貯金と投資の割合は、感覚で決めると失敗しやすくなります。

投資は始めることよりも続けることが重要なので、最初から理想の割合を目指す必要はありません。収入や固定費の変化など、お金の変動が起こった際に見直して調整をおこないましょう。

20代が貯金と投資の割合を決める手順を5つに分けて見ていきます。

ステップ1|毎月の手取りと支出を把握する

最初におこなうことは、毎月の手取り収入と支出を把握することです。

ここでは、額面給与ではなく、税金や社会保険料を差し引いた後の手取りを基準に考えましょう。支出は、家賃や通信費などの固定費と食費や交際費などの変動費に分けると見直しやすくなります。なんとなく残ったお金を貯めるのではなく、先に貯金と投資に回せる金額を見える化することが大切です。

収支が曖昧なまま投資を始めると、相場が下がったときだけではなく、日常の支払いでも不安を感じやすくなります。

ステップ2|生活費3カ月〜1年分を貯金する

次に、生活費3カ月〜1年分を目安に貯金を作りましょう。

これは、突然の退職や病気、家族の事情などで収入が減ったときに生活を守るためのお金です。会社員や実家暮らしなら3〜6カ月、フリーランスや転職予定、一人暮らしなら6カ月〜1年と余裕を持たせると安心です。

投資商品は値動きがあるため、必要なときに元本割れしている可能性も。生活防衛資金を確保してから投資を始めることで、相場の下落にも落ち着いて向き合いやすくなるでしょう。

ステップ3|お金を使う時期で分ける

貯金と投資の割合を決めるときは、お金を使う時期で分けると判断しやすくなります。

1〜3年以内に使う予定があるお金は、原則として貯金で管理しましょう。引越し費用や資格取得費用、結婚資金などは、必要な時期が比較的はっきりしています。一方、10年以上使わない可能性が高いお金は、投資に回す候補になります。

20代は将来の選択肢が多い年代だからこそ、すべてのお金を老後資金として固定するのではなく、近い将来に使うお金も残しておくことが大切です。

ステップ4|余裕資金から毎月の投資額を決める

生活防衛資金と近い将来に使うお金を確保したら、余裕資金から毎月の投資額を決めます。

目安は、手取りの5〜15%程度から始めると無理が少ないでしょう。

例えば、手取り20万円の場合、まずは1万円前後からでも十分です。また、投資額を決めるときは「続けられる金額か」を優先しましょう。相場が下がったときに怖くなって解約してしまう金額は、今の家計には大きすぎる可能性があります。

最初は少額で始め、慣れてきたら昇給や固定費の削減分を投資に上乗せすると、自然に投資額を増やせます。

ステップ5|半年〜1年ごとに割合を見直す

貯金と投資の割合は、一度決めたら終わりではありません。

半年〜1年ごとに見直すことで、家計やライフプランの変化に対応しやすくなります。20代は転職や引越しなどで収入と支出が大きく変わることがあります。収入が増えたら投資割合を上げる、固定費が増えたら貯金を厚めにするなど、柔軟に調整しましょう。

また、投資商品の値上がりで投資比率が高くなりすぎることも。その場合は新規の積立額を調整し、貯金とのバランスを戻すとよいでしょう。

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20代におすすめのポートフォリオ

20代のポートフォリオは、リスク許容度に合わせて考えることが大切です。

投資に慣れていない人や収入が安定していない人は貯金を多めにし、家計に余裕がある人は投資の割合を高める選択肢もあります。ただし、ここで紹介する割合はあくまで目安です。実際には、生活防衛資金の有無や今後の支出予定によって調整しましょう。

20代は時間を味方につけやすい年代ですが、無理なリスクを取らないことも大切です。

【慎重型】貯金70%・投資30%

慎重型は、まだ貯金に不安がある人や、毎月の支出が読みにくい人に向いている配分です。

一人暮らしを始めたばかりの人や奨学金やローンの返済がある人、転職を考えている人は、この割合から始めると安心です。例えば、毎月3万円を貯金と投資に回せるなら、2万円程度を貯金、1万円程度を投資に回すイメージです。

まずは値動きに慣れ、長く続ける土台を作ることを優先しましょう。

【標準型】貯金50%・投資50%

標準型は、生活防衛資金がある程度貯まり、毎月の収支も安定している20代に向いています。

貯金と投資を半分ずつにすることで、近い将来の支出に備えながら、長期的な資産形成も進められます。特に、実家暮らしで固定費が低い人や、ボーナスを計画的に使える人は検討しやすい割合でしょう。ただし、貯金がまだ少ない段階で無理に50%を投資に回す必要はありません。

先に、生活費の数カ月分を確保し、そのあとに投資割合を高める流れが安全です。

【積極型】貯金30%・投資70%

積極型は、生活防衛資金が十分にあり、当面大きな支出予定がない20代向けの割合です。

実家暮らしで支出が少ない人や、安定収入があり固定費を抑えられている人は選択肢に入るでしょう。ただし、投資割合が高いほど、相場下落時の資産額の変動も大きくなります。短期的に評価額が減っても慌てず、積立を続けられるかを事前に考えることが大切です。

積極型を選ぶなら「増やしたいから」ではなく「相場が下がっても生活費には影響しない」といえる状態が前提です。

20代で投資を始めるメリット

20代で投資を始めるメリットは、ただお金を増やせる可能性があるだけではありません。

余裕資金の範囲で少しずつ始めることで、金融商品の値動きや自分のリスク許容度を学べます。20代のうちに経験を積んでおけば、30代以降の住宅購入や教育費、老後資金などの大きなテーマにも向き合いやすくなるでしょう。

20代で投資を始めるメリットを解説します。

家計管理のきっかけになる

投資を始めることで、自然と家計管理への意識が高まります。

なぜなら、毎月いくら積み立てるかを決めるには、手取り収入や固定費、自由に使えるお金を把握する必要があるからです。なんとなくお金を使っていた人でも、投資額を先取りすることで、残りのお金で生活する感覚が身につきやすくなるでしょう。

また、投資のために無理な節約をする必要はありません。通信費やサブスクリプション費用など、満足度に対して支出が大きいものから見直すだけでも効果が期待できます。

運用期間を長く取りやすい

20代の大きな強みは、運用期間を長く取りやすいことです。

投資は短期間で大きな利益を狙うほどリスクが高くなりますが、長期で積み立てることで、価格変動と付き合いやすくなります。20代から始めれば、30代や40代で始めるよりも長く運用できるため、少額でも積み上げる時間を確保しやすいでしょう。

ただし、長く運用できるからといって、すべてのお金を投資に回してよいわけではありません。近いうちに使うお金は貯金で持ち、将来まで使わないお金を投資に回すことがポイントです。

少額から投資経験を積める

20代で投資を始める際は、少額から経験を積むことに価値があります。

最初から大きな金額を投資すると、評価額が少し下がっただけで不安になり、冷静な判断が難しくなることも。毎月数千円から始めることで、家計への影響を抑えながら、値動きや積立の仕組みに慣れていけるでしょう。

短期間の利益で一喜一憂するのではなく、自分に合う投資額や商品を見極めることが大切です。

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20代が投資を始める前に知っておきたい注意点

投資を始める前に覚えておきたいのは、便利な制度や商品を使っても、投資には元本保証がないということです。「とにかく利益を出したい」と力が入りすぎて、貯金をおろそかにしてしまうようでは本末転倒です。投資は、生活を圧迫してまでおこなうものではありません。

投資を始める前に、特に注意したいポイントを確認しておきましょう。

NISAは貯金代わりにはならない

NISAは投資で得た利益が非課税になる制度であり、貯金そのものではありません。

NISA口座で投資信託や株式を購入した場合、価格が下がれば元本割れする可能性があります。したがって、生活費や近いうちに使う予定のお金をNISAに入れるのは避けた方がよいでしょう。特に20代は、転職や引越しなどで急に現金が必要になることも珍しくありません。

NISAは長期の資産形成に活用し、生活防衛資金は預貯金で確保しましょう。

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投資信託は価格変動がある

投資信託は、少額から分散投資しやすい金融商品ですが、価格変動があります。購入時より基準価額が下がれば、評価額がマイナスになることもあるため注意しましょう。

ただし、短期的な下落だけを見て慌てて売却すると、長期投資のメリットを得にくくなる場合も。投資信託を選ぶときは、手数料や投資対象、運用方針を確認し、値動きがある前提で投資額を決めることが大切です。

老後資金だけに偏らない

20代の資産形成では、老後資金だけに偏らないことも大切です。

老後に備える意識は重要ですが、20代から30代にかけては、引越しや結婚、転職など、比較的近い将来にお金を使う場面も多くあります。すべてを長期投資やiDeCoに回してしまうと、必要なときに資金を引き出しにくくなる可能性があります。

老後だけではなく、今後10年の暮らしも考えながら投資の割合を考えることが大切です。

無理な投資額にしない

投資は、無理な金額で始めるほど続けにくくなります。SNSや周囲の話を見て、毎月の投資額を高く設定したくなるかもしれません。しかし、家計に余裕がない状態で投資を増やすと、相場下落時だけではなく、日常生活でもストレスを感じやすくなります。

投資額は、自分の生活や将来設計に必要なお金を差し引いた余裕資金から決めましょう。不安を感じる金額なら、投資額を下げる判断も立派なリスク管理といえます

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20代におすすめの投資方法

20代におすすめの投資は、少額から始めやすく、長期で続けやすいものです。

本記事では、以下の投資方法を紹介します。

  • NISA
  • 投資信託
  • iDeCo

どれを選ぶ場合でも、まずは貯金で生活防衛資金を確保し、余裕資金から始めることが前提になります。また、制度のメリットだけではなく、引き出しやすさやリスクも確認しましょう。

【NISA】長期投資の第一候補

NISAは、20代が長期投資を始めるうえで第一候補になりやすい制度です。

投資で得た売却益や配当などが非課税になるため、長く資産形成を続けるほどメリットを感じやすくなります。2024年からのNISAでは、年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円の合計360万円となり、非課税保有限度額は1,800万円です。

ただし、NISA口座で買う商品はあくまで投資商品であり、元本保証はないため注意しましょう。20代は無理に枠を使い切る必要はなく、家計に合った金額から始めることが大切です。

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【投資信託】少額から分散投資しやすい

投資信託は、20代が少額から分散投資を始めやすい商品です。

運用の専門家が投資家から集めた資金をもとに、国内外の株式や債券などに幅広く投資するため、自分で個別銘柄を選ぶ負担を抑えられます。

ただし、投資信託にも手数料や価格変動があります。20代は投資経験が少ない場合も多いため、まずはシンプルで仕組みを理解しやすい商品から始めると安心です。

【iDeCo】掛金が所得控除になる

iDeCoは、老後資金を準備しながら税制優遇を受けられる制度です。

自分で拠出した掛金は、原則として全額が所得控除の対象になります。所得税や住民税の負担を抑えながら老後資金を作れる点は大きなメリットでしょう。一方で、iDeCoは老後資金を目的とした制度であり、原則として60歳になるまで自由に引き出すことはできません

20代は将来の予定が変わりやすいため、生活防衛資金や近い将来の資金を確保したうえで検討することが大切です。余裕がある場合に、老後資金用として活用する選択肢と考えましょう。

20代が貯金と投資を無理なく続けるコツ

貯金と投資を始めるにあたって、大切なポイントは続けることです。

毎月余ったお金を貯めようとすると、支出が増えた月に貯金も投資も止まりやすくなります。投資は短期的な結果を追いすぎず、続けることを優先しましょう。不安が強い場合は、金融機関や専門家に相談し、自分に合ったリスクの取り方を確認することも一つの方法です。

20代が貯金と投資を無理なく続けるコツを解説します。

給料日に自動で貯金・投資する

貯金と投資を続けるコツは、給料日に自動で先取りすることです。毎月の支出を終えた後に残ったお金を回そうとすると、予定外の出費や気分の変化で金額が安定しにくくなります。給料が入ったら、先に貯金用口座へ移し、投資信託の積立も自動設定しておくとよいでしょう。

ポイントは、生活費を圧迫しない金額に設定することです。無理な金額にすると、途中で取り崩したり積立を止めたりしやすくなるため、半年に一度は金額が今の家計に合っているか確認しましょう。

ボーナスは用途を分散させる

ボーナスがある人は、使い道を分散させると資産形成を続けやすくなります。すべてを投資に回すと、生活の楽しみが減ってストレスになることがあります。反対に、すべてを消費に使うと、まとまった貯金を作る機会を逃してしまいます。

おすすめは「貯金・投資・自己投資や楽しみのためのお金」の3つに分けることです。生活防衛資金が不足しているなら貯金を厚めにし、十分に貯まっているなら投資割合を高めるとよいでしょう。資格学習や娯楽への支出も、将来の収入や生活満足度につながる場合があります。

ボーナスは一時的な収入だからこそ、満足度と安定の両方を考えることが大切です。

投資は続けることを優先する

20代の投資では、短期的な利益より続けることを優先しましょう。相場は上がる時期もあれば下がる時期もあります。評価額がマイナスになると不安になりますが、そこで毎回積立を止めてしまうと、長期投資の効果を得にくくなります。

もちろん、生活が苦しいときまで無理に続ける必要はありません。収入が減ったら積立額を下げる、支出が増えたら一時的に貯金を優先するなど、柔軟に調整しましょう。少額でも続けていれば、値動きに慣れ、自分のリスク許容度が見えてきます。

不安な場合は専門家に相談する

貯金と投資の割合に不安がある場合は、専門家に相談する方法も有効です。

相談先を選ぶときは、特定の商品を強くすすめる相手ではなく、家計全体やライフプランを踏まえて説明してくれる相手を選びましょう。相談前には、手取り収入と毎月の支出、貯金額を簡単にまとめておくと話が進みやすくなります。

不安を放置したまま始めず、早めに確認することでリスクを減らすことができます。

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まとめ

20代の貯金と投資の割合は、生活が不安定な時期は貯金を厚めにし、余裕が出てきたら投資の割合を少しずつ高める方法が現実的です。

まずは毎月の手取りと支出を把握し、生活費3カ月〜1年分を目安に貯金で確保しましょう。そのうえで、近いうちに使うお金は貯金、当面使わないお金は投資に回すと判断しやすくなります。

また、投資をする際はいずれも目的やリスクを理解することが大切です。当社では、20代向けの資産運用に関する相談をおこなっております。ぜひお気軽にご相談ください。

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