ヘッジファンドは投資信託よりも大きな利益が狙える優秀な金融商品ですが、同時にリスクも多くある商品です。
ヘッジファンドのリスクを知らずに投資をしてしまうと取り返しのつかない事態に陥ってしまう可能性があります。
しかし、ヘッジファンドはリスクを理解して投資をすれば優秀な資産運用の方法であることには変わりはないので、ヘッジファンドへの投資を検討している人は必ずリスクを理解しておきましょう。
この記事ではヘッジファンドのリスクについて解説していきます。
ヘッジファンドについて
ヘッジファンドは投資信託よりも柔軟な運用をすることで利益を徹底的に追求するファンドです。
通常の投資信託は様々な人が投資できますが、ヘッジファンドは私募型ファンドとも呼ばれ、限られた人だけが投資できる商品で最低投資金額は数百万円程度となっています。
また、通常の投資信託は行政による監視がありますが、ヘッジファンドは行政による監視がないので自由な運用が可能です。
市場が下落していても利益を得られる方法で投資することでリスクを回避し、レバレッジをかけてさらなる利益を得る方針を取ることもあります。
つまり、市場の暴落のリスクを回避しながら市場が上昇しているときには柔軟に高い利益を狙いにいくため、投資信託よりも利回りは高くなりやすい傾向にあるのです。
ヘッジファンドの適格投資家になることができれば、投資信託に投資するよりも結果が出しやすいのでおすすめの金融商品といえるでしょう。
しかし、そんな魅力的な金融商品であるヘッジファンドですが、知らなければ後悔をしてしまう可能性もあるリスクがいくつか存在します。
ヘッジファンドに投資をする人は必ずリスクを承知の上で投資をするようにしましょう。
ここからはヘッジファンドのリスクについて詳しく解説していきます。
また、ヘッジファンドについて詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
ヘッジファンドとは?初めての方に3つのメリットをわかりやすく解説
ヘッジファンドのリスク
ヘッジファンドのリスクは大きく分けて5つあります。
- 元本割れをする可能性がある
- 流動性が低く好きなときに解約できない
- リスクの高い運用をする可能性がある
- 破綻する可能性がある
- 金融詐欺の危険性もある
元本割れをする可能性がある
ヘッジファンドは通常の投資信託と同様に市場の状況や運用の方針によって元本割れのリスクが存在します。
ヘッジファンドは元本保証の金融商品ではないため、一時的に元本割れをする可能性は十分にあります。
しかし、完全な元本保証で資産運用ができるのは定期預金だけであり、定期預金の金利はゆうちょ銀行の定期貯金で0.002%の利回りしかなく、資産を防衛する手段として定期預金を利用することはあっても資産を増やす手段として定期預金を利用することは難しいです。
そのため、資産運用をする以上、確実に元本割れしないことを考えるより、元本割れの危険性が低く、また元本割れは一時的で長期的に運用をすれば利益を得られる可能性が高い金融商品を選びましょう。
ヘッジファンドであればこれまでの長期的な運用実績を確認すれば、一時的には市場の下落によってマイナスになることはあっても長期的にプラスになる可能性が高い銘柄は判断が可能です。
また、元本保証に近いリスクの低い資産運用について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
元本保証で安全な資産運用とは?5つの方法をわかりやすく解説します!
流動性が低く好きなときに解約できない
ヘッジファンドは誰でも購入できるわけではなく適格投資家として認められた人しか投資できないので流動性が低いです。
流動性が高い投資信託の場合は、解約したいと考えて解約注文を出してから約3営業日程度で換金されるのが普通です。
しかし、ヘッジファンドは解約したいと考えてもすぐには解約できず解約ができる日が決まっています。
ヘッジファンドは流動性が低いので投資家が自由にいつでも換金できるようにしてしまうと、ヘッジファンドの魅力である柔軟な運用ができなくなるので解約タイミングが制限されています。
そのため、ヘッジファンドは短期や中期で投資できる商品ではなく、数年以上の長期で投資をすることを前提に購入する金融商品です。
解約したいと考えてもすぐに現金化することはできないので、少なくとも数年間は解約しなくても問題ない余裕資産の範囲内で投資をする必要があります。
リスクの高い運用をする可能性がある
ヘッジファンドは行政による運用の監視がないので自由な運用ができます。
そのため、レバレッジをかけた取引や、先物取引、空売りをおこなう場合もあります。
レバレッジとは、自己資本を担保にして他人資本を借りて取引をすることで利益を高める投資の方法です。
3倍のレバレッジをかけて取引をする場合は、証拠金となる自己資本と他人資本を合わせて取引金額が3倍になることをいいます。
利益も3倍になりますが、損失も3倍になるので、多くのヘッジファンドはレバレッジをかけてもリスクを回避しながら運用をします。
しかし、破綻したヘッジファンドは無理なレバレッジをかけたことが原因で破綻をしたケースも多いです。
先物取引は、現在の時点で将来のある時点での取引を取り決めることです。
例えば、ある金融商品を6,000万円で売却する取引をかわした場合にある時点でその商品の価値が4,000万円になっていた場合でも6,000万円で売却できるので2,000万円得する仕組みです。
しかし、8,000万円になった場合でも6,000万円で売却しなければいけないので損をする可能性もありますし、先物取引は基本的にレバレッジをかけることが前提です。
空売りは、投資商品を所有せず売却する契約を結び、後日買戻しをおこなう取引のことです。
例えば、価格が2,000万円の金融商品を売却する契約を結び、その後価格が800万円まで下落したので買戻しをおこなうと差額の1,200万円が利益になる取引の仕組みです。
空売りは相場が下落していても利益を得られる仕組みなので、相場が大きく下落していても利益を得られるヘッジファンドは空売りを利用している可能性が高いです。
しかし、空売りもその後価格が下がれば利益を得られますが、上昇した場合は売却した価格以上の価格で買い戻さなければならなくなるリスクもあるので損をする可能性は十分にあります。
このような取引は通常の投資信託では基本的には行政の監視があるのでおこなえません。
運用方針については通常の投資信託であれば閲覧できる目論見書によって確認できないので、リスクの高いヘッジファンドを判定することが難しいです。
そのため、リスクの高い運用をしている可能性が高いヘッジファンドは投資に詳しい人や、できれば投資のプロに判断してもらったほうがよいでしょう。
破綻する可能性がある
ヘッジファンドは運用の結果によっては破綻する可能性もあります。
ヘッジファンドが破綻してしまうと元本の一部またはすべてを失う危険もあるので、破綻する可能性があるリスクの高いヘッジファンドは避ける必要があります。
例えばヘッジファンドのタイガー・マネージメントは1980年にジュリアン・ロバートソンによって設立しましたが、1997年には10.5億ドルまで資産が増え世界で2番目に大きいヘッジファンドになりました。
このヘッジファンドがここまで大きくなった理由は空売りを積極的におこなう攻めの運用方針が結果を出したことがあげられます。
しかし、リスクの大きい運用方法であったため、投資ミスが発生し、そのミスを挽回することができずタイガー・マネージメントは破綻してしまいました。
一時的ではありましたが、世界で2番目に大きいヘッジファンドになったにも関わらずこのヘッジファンドは破綻してしまったので、必ずしも人気や規模がヘッジファンドの安定性を示すわけではないことが分かるかと思います。
そのため、投資について知識が少ない人が破綻する可能性が極めて低いヘッジファンドを探すことは難しいです。
ヘッジファンドを何となくで決めてしまうのは非常にリスクが高く、選び方によってはギャンブルになってしまうので、運用方針を事細かに見られずともどのような運用をしているのか実績で判断できるほど投資に詳しい人でないと選ぶのは難しいです。
金融詐欺の危険性もある
非常に悪質な場合はヘッジファンドの名前を騙って詐欺を働く人もいます。
「資産を預ければ5年で2倍になる」などの聞こえのよいメリットを話して言葉巧みに詐欺商品を購入させる手口があります。
ヘッジファンドは運用が非常に不透明であり、不透明であることが許されていることから詐欺の手法として利用しやすいので詐欺の道具として使われる可能性は十分に考えられるでしょう。
数十万円程度の資産運用を選ぶのであれば詐欺をそれほど意識する必要はありませんが、数百万円、数千万円の資産が動くのであればそれを狙う詐欺師は当然いますので気をつけましょう。
金融詐欺に関しては投資のプロに相談すれば一発で詐欺商品の不審な点を見抜いてくれるので、金融詐欺の被害を防ぐためには投資のプロへの相談が一番といえます。
ここまで、ヘッジファンドの5つのリスクについて解説しましたが、ヘッジファンドは怖い商品であると思った方もいるかもしれません。
しかし、リスクが高くなるのはヘッジファンドのリスクを知らずに投資をした場合なので、リスクを理解すればリスクの回避方法も存在します。
最後に、ヘッジファンドのリスクを簡単に回避できる方法について解説していきます。
ヘッジファンドのリスクを回避する方法
ヘッジファンドは実際に自分で運用しなくても投資ができるうえに高い利回りを誇りますが、悪質なヘッジファンドや、詐欺の可能性も考えると投資初心者が何も知らずに投資してしまうのはリスクが高いです。
もちろん、リスクはありますがリスクを回避する方法もあるので、リスクがあるから怖いので運用をしないという結論にすぐに至ってしまうのはもったいありません。
ヘッジファンドのリスクを回避する方法は、投資のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することです。
数百万円、場合によっては数千万円の資産を投資するのですから、プロに相談をしてから投資をしたほうが安全ですし、これまで説明したリスクはプロに判断してもらうことで防ぐことができるものばかりです。
また、そもそも自分はヘッジファンドを購入できるのか、ヘッジファンドの具体的な購入方法、運用できる資産を把握したうえでどのようなヘッジファンドを選ぶべきかについてアドバイスをもらうことができます。
最初に相談をするのはハードルが高いかもしれませんが、弊社では資産運用初心者に向けた無料セミナーを開催しています。
資産運用セミナーに参加して最低限の知識を身につけたうえで、ヘッジファンドへの投資を検討していることを伝えればヘッジファンドについて様々なアドバイスを受けることができるでしょう。
まずは、無料セミナーへの参加を検討してみましょう。
まとめ
ヘッジファンドのリスクについて解説しました。
ヘッジファンドには、元本割れ、流動性の低さ、運用方法の不透明さ、破綻の危険性、詐欺の被害など5つのリスクがあることを理解していただけたと思います。
しかし、資産運用のプロであるFPに相談すればすべてのリスクをできる限り減らすことができるので、ヘッジファンドに興味を持ったのであれば勇気を出して相談してみましょう。
あなたの資産状況を把握したうえでヘッジファンドに投資するべきか、ヘッジファンドに投資するとしたらどのようなヘッジファンドに投資をするべきかアドバイスを受けることができます。
また、ヘッジファンドを含む資産運用に関してどこで相談するべきか詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。