ヘッジファンドとは投資信託と同様に投資家からお金を集めて資産運用のプロが運用しますが、様々な方法を駆使してリスクをできるだけ回避する投資信託よりも柔軟な運用ができるのが特徴です。
そのため、利回りは通常の投資信託と比較して大きくなりやすい傾向にあります。
ヘッジファンドは資産運用の手段として魅力的な方法ですが、誰でもできるわけではありません。
しかし、条件を満たしているのであればヘッジファンドへの投資を検討せず資産運用の方法を決めるのはもったいないです。
この記事ではヘッジファンドと通常の投資信託の違いとメリット・デメリットについて解説していきます。
ヘッジファンドとは
ヘッジファンドは様々な方法を駆使して市場が下落している場合でもリスクを避けて運用するファンドのことです。
ヘッジという言葉は英語で回避という意味があり、資産が減るリスクをヘッジするファンドであるからヘッジファンドと呼びます。
市場が上昇している場合でも下落している場合でも利益を追求するので、ヘッジファンドは市場が大幅な下落をしたとしても資産の目減りをさけるように運用します。
2020年は新型コロナウイルスにより市場が大幅に下落し、3月中旬まで株価は連日下落し続けました。
株や投資信託を保有している人は、ほぼすべての人が新型コロナウイルスの影響を受け、大きな下落を経験したと思います。
しかし、ヘッジファンドであれば相場の影響をまったく受けないとはいいませんが、このような暴落のリスクに対してもある程度資産の目減りを抑えて運用してもらうことが可能です。
ヘッジファンドと投資信託の違い
それでは、ヘッジファンドと投資信託の具体的な違いについて話していきます。
それぞれの違いについて下記の2つの図にまとめました。
ヘッジファンドは別名で私募型ファンド、通常の投資信託は公募型ファンドとも呼ばれます。
私募型ファンドは私的な募集によって投資家から資金を集める投資信託で、限られた人にしか投資できません。
ヘッジファンドは適格投資家というヘッジファンドで認められた投資家しか投資できず、ヘッジファンドに投資するためには最低でも数百万円単位の資産が必要です。
一方で公募型ファンドは証券会社、銀行で多くの投資家を募っているので、誰でも投資することができます。
最低投資金額も10万円や1万円ぐらいから投資できるものもあれば、100円から始められる誰でも投資できる投資信託もあります。
一方で、ヘッジファンドの運用に関する話は先ほどもしましたが、自由に運用できることが特徴になります。
通常の投資信託は行政による監視があるので運用に制限があります。
行政の監視がある以上、自由な運用が難しいので結果的に市場が下落すれば連動して下落する投資信託がほとんどです。
しかし、ヘッジファンドは行政による監視がないので、利益を徹底的に追求した運用がおこなえます。
そのため、ヘッジファンドは通常の投資信託と比較して利回りが高くなる傾向にあるのです。
ヘッジファンドの適格投資家になれるのであれば、ヘッジファンドは投資信託よりも利回りが高くなりやすく優秀な商品であるといえます。
数百万円以上の余裕資産を持っている人は資産運用の手段にヘッジファンドを検討しないのは非常にもったいないです。
次は、ヘッジファンドのメリット・デメリットについて解説していきます。
また、ヘッジファンドに投資をすることが難しい人で投資信託への投資を検討したい人はこちらの記事をチェックしてください。
ヘッジファンドのメリット
ヘッジファンドのメリットは3つあります。
- 様々な運用方法でリスクを軽減してくれる
- 通常の投資信託と比較して利回りが高くなる傾向にある
- プロに運用を任せることができる
様々な運用方法でリスクを軽減してくれる
ヘッジファンドは運用方法に制限がないので自由な運用でリスクを回避します。
具体的には先物取引の利用です。
先物取引とは現時点で将来にある価格での取引を保証するもので、例えば金融商品を5,000万円で売却する約束をしたとして、約束の日にその金融商品の価値が3,000万円に下落していれば2,000万円得する仕組みになります。
つまり、市場が下落していても先物取引を利用すれば利益を得られます。
通常の取引と先物取引を駆使すれば、市場が上昇していても、下落していても運用方法次第で利益を上げながらリスクを軽減することが可能です。
他にも高度で複雑な金融工学を駆使した運用をおこなうヘッジファンドもあります。
ヘッジファンドは行政の監視がある通常の投資信託の運用ルールに囚われず柔軟に運用ができるからこそリスクの軽減が可能な金融商品であるといえます。
通常の投資信託と比較して利回りが高くなる傾向にある
ヘッジファンドは通常の投資信託と比較して利回りが高くなる傾向にあります。
それは最大で10倍程度のレバレッジをかけた運用をしているヘッジファンドがあるからです。
レバレッジとは自己資本を担保に他人資本を借りることで利益率を高める投資の方法です。
レバレッジをかけて運用すれば利益は大きくなりますがリスクも高くなります。
しかし、ヘッジファンドはリスクを回避することを重視して運用しているので、リスクを軽減しながら利回りを高める運用方法が実現しているのです。
もちろん、リスクヘッジをして相場が下落している中でも利益が上げられるからこそ利回りが高くなるという理由もあります。
資産運用をする以上リスクが低くできる限り利回りの高い商品に投資をしたいと考えるので、通常の投資信託よりも利回りが高くなる可能性が高いヘッジファンドは魅力的といえるでしょう。
プロに運用を任せることができる
ヘッジファンドは資産運用のプロに運用を任せることができる金融商品です。
資産は持っていても自分で運用をする自信がなく、できることなら他人に運用を任せたいと考える人もいるでしょう。
まとまった資産を持っていてもどのように運用していいか分からない人におすすめなのがヘッジファンドです。
ヘッジファンドに一度お金を預ければ自分で運用する必要がないので、後はヘッジファンドを運用するファンドマネージャーが自分の資産を増やすのを待つだけです。
資産があっても投資に手を出すのが怖かったり、勉強したり運用に時間をかけるのが嫌なので数千万円単位の資産を貯金している富裕層は日本では珍しくありません。
しかし、現在の定期預金の金利は非常に安く資産を貯金しているだけでは資産は増えないので、しばらく使う予定のない余裕資産は投資したほうが大きな利益を生みます。
資産があっても様々な理由で資産運用を始められなかった人は、利回りとリスクのバランスが整ったヘッジファンドはおすすめの金融商品です。
ここまでヘッジファンドのメリットについて解説しましたが、いいことづくめのヘッジファンドにもデメリットはあります。
次は、ヘッジファンドのデメリットについて解説していきます。
ヘッジファンドのデメリット
一方でヘッジファンドのデメリットは3つあります。
- 誰でも投資できるわけではない
- 運用の実態を把握しづらい
- 破綻する可能性もある
誰でも投資できるわけではない
ヘッジファンドはヘッジファンドごとに規定されている適格投資家と認められた人だけしか投資できません。
そのため、誰でも投資できるわけではないので、通常の投資信託と比較すると流動性の低い金融商品となっています。
投資機会も限られており、換金したいときにいつでも換金できるわけではありません。
解約できる時期が定まっているものが多いので、ヘッジファンドは長期投資向けの資産運用であることを理解しておきましょう。
運用の実態を把握しづらい
通常の投資信託は行政の監視があるので運用実態を把握しやすく、投資信託に投資をする前には運用の方針が書かれた目論見書を読んでから投資をします。
しかし、ヘッジファンドは行政の監視がなく運用について事細かに報告する義務はないので、運用実態を把握しづらいです。
そのため、どのような運用をしているのかが分からず、ヘッジファンドによってはリスクの高い運用をしていることに気づかずお金を預けてしまう可能性は十分にあります。
ヘッジファンド選びは非常に重要ですので、投資の知識がない場合は選ぶ際は投資に詳しい人に相談してから選んだ方がいいでしょう。
破綻する可能性もある
ヘッジファンドは破綻するリスクもあります。
運用方法が自由であるため大きなレバレッジをかけた運用方法をする場合もあり、実際に破綻した例もあります。
ロングターム・キャピタル・マネジメントというヘッジファンドは1994年~1999年まで実在したヘッジファンドです。
運用開始してしばらくは驚異的な運用成績を出していましたが、レバレッジをかけ過ぎていたため当時のアジア通貨危機による市場の大変動に耐え切れず破綻してしまいました。
このように破綻した実例もありますので、ヘッジファンドはリスクを理解したうえで投資する必要があります。
デメリットについて解説しましたが、ほとんどのデメリットは良質なヘッジファンドを選ぶことによって回避が可能です。
そのためには投資に詳しい人、できれば投資のプロに相談するのが一番確実です。
次は、ヘッジファンド選びを相談する方法について解説します。
ヘッジファンドを購入する前にFPへの相談がおすすめ
ヘッジファンドはメリットが非常に高く、適格投資家になれるのであれば大きな利回りが見込める商品です。
しかし、同時にリスクもありますので、良質なヘッジファンドと悪質なヘッジファンドを見抜かなくてはあなたの大切な資産を無駄にしてしまう結果に終わる可能性があります。
ヘッジファンドに投資する前に投資のプロであるFP(ファイナンシャルプランナー)に相談することでリスクをできる限り防ぐことができます。
数百万円、場合によっては数千万円の資産を投資するのですから、プロに相談をしてから投資をしたほうが安全です。
そもそも自分はヘッジファンドを購入できるのか、ヘッジファンドの具体的な購入方法、運用できる資産を把握したうえでどのようなヘッジファンドを選ぶべきかについてアドバイスをもらうことができます。
最初に相談をするのはハードルが高いかもしれませんが、弊社では資産運用初心者に向けた無料セミナーを開催しています。
資産運用セミナーに参加して最低限の知識を身につけたうえで、ヘッジファンドへの投資を検討していることを伝えればヘッジファンドについて様々なアドバイスを受けることができるでしょう。
まずは、無料セミナーへの参加を検討してみましょう。
まとめ
ヘッジファンドについて解説しました。
ヘッジファンドは金融商品としては通常の投資信託よりも利回りが高い傾向にある魅力的な商品であり、まとまった資産があるのであれば投資を検討することをおすすめします。
デメリットもありますが、資産運用のプロであるFPに相談することで良質なヘッジファンドを選択することができるようになります。
また、余裕資産が1,000万円近くあり、他の資産運用も検討したいと考えている人はこちらの記事をチェックしてください。