投資を始めるのであれば目的を定めることが重要です。
何のために投資をするのか、いつまで投資をするのかを明確にしておかなければそれだけで投資には様々なリスクがつきまといます。
また、特に運用方針に目的がなくても投資の勉強をするために投資を始めたい人もいると思うので、そのような人のための投資方法についても紹介していきます。
この記事では投資の目的と目的がないことで伴うリスクについて詳しく解説していきます。
投資の目的
投資は目的を定めることが重要ですが、そもそも投資の目的にはどのような例があるのでしょうか?
短期投資と長期投資によって目的も異なるので、それぞれの投資の目的について代表的なものを紹介していきます。
短期投資の目的
短期投資の目的は主に2つあります。
- 短期的に価値が変動する金融商品で利益を得る
- 売買の期間を短くして様々なものに投資する
短期的に価値が変動する金融商品で利益を得る
短期投資の目的は短期的に価値が変動する金融商品に投資して1日から長くても1ヶ月程度で取引を完了させて利益を得ます。
値動きが激しい金融商品に投資をするため1日で大きなリターンを得られることもありますが、1日で大きな損失が発生する可能性があります。
長期的に価値が上昇する商品に投資をするわけではないので、基本的には投資判断に将来性を考える必要はありません。
短期間で価値が上昇する見込みがある商品や、短期間で価値が変動している商品に投資をすることで短期間で利益を獲得するのが短期投資の目的といえます。
売買の期間を短くして様々なものに投資する
投資で利益を最大化するためには、資金を循環させて運用することが理想ではあります。
一度損益を確定させると、次の商品に投資することができるので、次の商品に投資して損益を確定させることで様々な商品に投資することが可能です。
長期投資の場合は長期間金融商品を保有し続ける必要があるので、資金が拘束されてしまうためこのような投資方法をするためには多くの資産が必要になります。
短期間で売買をすれば、少ない資産でも様々な金融商品を購入して損益を確定し続ける投資が可能です。
もちろん、利益を確定し続けられるのが理想ですが、売買の回数が増えれば増えるほど損失が発生するリスクも高くなるのでリスクのある投資方法といえます。
短期売買は目先の利益も損失も確定し続けることで、利益が損失を上回るように立ち回り、最終的には大きな利益を得ることが投資の目的になります。
次は長期投資の目的について解説していきます。
長期投資の目的
一方、長期投資の目的は3つあります。
- 老後の資産形成
- 長期的に価値が上昇する金融商品への投資
- 定期的な収入を得る
老後の資産形成
長期投資は購入のタイミングはあまり重要ではなく、問題はいつまで保有するかです。
投資した金融商品をいつまで保有するのかを決めるときに目的が必要になります。
人生においてお金が必要になる瞬間は、結婚式、住宅の購入、子供の養育費などたくさんありますが、一番不安を感じる人が多いのは老後の生活ではないかと思います。
老後の資産形成を目的に投資を始めるのであれば、基本的に老後になるまで投資した商品を売却してはいけません。
老後までに売却してしまえば老後の資産形成という目的が失われてしまうからです。
投資は余裕資産の範囲内でおこなうべきですが、どうしても投資した商品を売却して換金しなければいけない場合をのぞいて売却するべきではありません。
老後の生活はもちろん人生においてお金が必要となる瞬間のために投資をするのであればその瞬間まで投資した金融商品を売却しないようにしましょう。
長期的に価値が上昇する金融商品への投資
短期投資とは異なり、長期的に価値が上昇する見込みのある金融商品へ投資するのも長期投資の目的の1つです。
上昇すると考える根拠には様々なものがありますが、根拠が明確なものであれば利益を得ることが可能となるでしょう。
目的は長期的に価値が上昇することを見込んで購入することなので、万が一状況が変わり価値が上昇しない可能性があると判断した場合は目的を失ったことになるので売却した方がよいです。
また、価値が上昇するといってもどこまで価値が上昇するのか過去のデータなども分析して見込みをつけることでこの価格になったら売却すると考えておけば売り時を見逃しにくいです。
長期的に価値が上昇する金融商品への投資は、どのタイミングで売るのか、どの価格で売るのかを明確にすることが重要になります。
定期的な収入を得る
家計の助けとするために定期的な収入を求めて投資を始める人もいるでしょう。
その場合は配当や分配金などの定期的な収入がある株式、投資信託や、不動産投資で利益を得ることをおすすめします。
特に不動産投資はまとまった家賃収入を毎月得ることができるので、定期的な収入を得るのであれば一番おすすめの投資といえます。
また、定期的な収入を得る目的で投資を始める場合は、投資商品を売却しなくても利益が発生し続けるので売り時を考える必要はありません。
しかし、定期収入は得られても株式や投資信託自体の価格は下がることもありますし、不動産の価値は基本的に時が経てば経つほど下がっていきます。
毎月まとまった収入が得られる不動産投資であれば問題は少ないですが、年に多くても数回程度の配当や分配金の価値よりも株式や投資信託の価値が下がることがあれば実質的には損をしてしまうことになります。
この目的で投資を始めるのであれば不動産投資がおすすめですので、不動産投資について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
次は投資の目的がない状態で投資を始めるリスクについて解説していきます。
投資の目的がない状態で投資を始めるリスク
一方で、投資の目的が明確にない状態で投資を始めると次のようなリスクがあります。
- 最初に決めた投資のスタンスからずれてしまう
- さらなる上昇を見込んで売り時を逃してしまう
- 目的のない投資はよい結果を生まない
最初に決めた投資のスタンスからずれてしまう
投資をする場合には長期投資か短期投資であるか決めると思いますが、目的が定まっていないと最初に決めたスタンスからずれてしまうことがあります。
例えば、長期投資と決めて投資しても目的がない場合は短期的な価格の変動に動揺してしまい売却してしまうといったケースです。
最初に明確に目的を設定して購入しなければ、短期で株価が暴落した場合や、暴騰した場合に長期投資にも関わらず損失や利益を確定させてしまう人がいるのです。
これは最初に決めた長期投資のスタンスからずれてしまっており、目的がないことが短期的な価格の変動への動揺につながっています。
目的をはっきりさせないと自分の投資のスタンスに自信が持てなくなりますし、目の前の価格の変動に踊らされてしまう可能性があります。
さらなる上昇を見込んで売り時を逃してしまう
一方で、短期投資で金融商品を購入したにも関わらず、今の価格から上昇すると考えて長期的に保有してしまうケースもあります。
短期投資のスタンスで商品を購入したのであれば分析も十分ではありませんので、基本的には1日から数日以内に利益も損失も確定させることになります。
後から分析した結果、目的が変わって明確な根拠を持って長期投資に切り替えるのであれば問題はありません。
しかし、根拠もなく「もっと上がりそうだから」などという理由で長期で保有を続けるのは目的を見失っているといっていいでしょう。
長期投資も同様に自分が最初に決めた目的を達成しているにも関わらず、上昇を見込んでしまうと売り時を逃してしまう可能性があります。
お金がこれ以上増える可能性があるのであれば、欲が出てしまうのは仕方がないことですが、際限なく上昇する株は存在しないのでどこかで下落します。
しかし、最初からこの価格で売るといった目的を決めていれば迷わずにその価格で売却することが可能になるのです。
目的のない投資はよい結果を生まない
投資で損をしてしまう人の多くは市場などの雰囲気に流されて、最初に決めた目標を失い売却してしまう人です。
実際に損失が発生し、周りが悲観的になっている状況では正常な判断力を失ってしまいます。
そのため、目的がなければ増える含み損と周りの悲観的な意見に判断力を奪われ、安心感を求めるために売却をしてしまうのです。
しかし、最初に目的が定まっていればその目的さえ達成できる見込みがあれば長期投資であれば保有し続けることができるでしょう。
一方で、短期投資であってもこの価格まで上昇すれば売却、一方でこの価格まで下落すれば売却と決めておけば、流れに任せて長期的に保有してしまうことも防げるはずです。
もちろん、目的が達成できるかどうかは状況次第で変わるので必ず達成できるわけではありませんが、目的のない投資はほとんどのケースでよい結果を生むことがありません。
目的のない投資にはこのようなリスクがつきまといますが、投資の勉強をしたいという目的をもって投資を始めたい人もいるかもしれません。
その場合には、おすすめの投資方法がありますので次はその投資方法について解説していきます。
目的がない状態で投資を始めるならまずは少額投資
投資は目的を決めることが重要です。
いくら利益を出すのか、いつまで保有するのかを考えなければ、売り時を逃してしまう場合や、売り時がくる前に売ってしまう危険性があります。
しかし、投資の結果に明確な目的がなく勉強のために投資を始めたい人もいるかもしれません。その場合は損をしても問題がない範囲でおこなう少額投資がおすすめです。
少額投資で実際に投資をおこなうことで学べることがありますし、少額投資をしていくうちに目標や自分の投資スタンスが定まる可能性もあります。
少額投資には銘柄によっては100円から始めることができる投資信託がおすすめです。
100円であれば子供の頃、貯金箱にお金を入れる感覚で投資することができるのでほとんどリスクがありません。
1,000円や5,000円でもリスクがないと感じるのであれば、目的は勉強のためですから問題はありません。
まとまった資産を投資するなら投資に目的は必須ですが、特に運用方針に目的が定まっていなくても投資を始めたいのであれば少額投資にとどめるようにしましょう。
また、最高でも1万円で始められる少額投資は投資信託を含めて3つあります。3つの少額投資について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
少額から出来る3つの投資とは?投資初心者におすすめの投資をご紹介
まとめ
投資の目的について解説しましたが、記事を通して投資の目的は定まったでしょうか?
短期投資と長期投資の2つのスタンスによって目的は大きく異なりますが、どちらのスタンスを選択するにしても目的が重要になります。
また、投資の目的がすでに定まっていて、老後の資産形成や定期的な収入を得ることが目的であれば、長期投資がおすすめということになるので長期投資を検討しましょう。
具体的な投資方法についてこちらの記事で紹介しているのでチェックしてください。