「保険とは万が一のときの備えで資産運用ではない」という認識を持っている人は多いかと思います。
しかし、保険は保証だけではなく資産運用にも利用できる貯蓄型の保険もあるのです。
この記事では保険で始める資産運用について、メリット・デメリットも含めて解説していきます。
そもそも保険で資産運用はできるのか?
保険で資産運用をおこなうと言われても、どのようにすればいいのか想像がつかないと思います。
もちろん、皆さんが想像しやすい保険の形式である掛け捨て型の保険で資産運用をすることはむずかしいです。
そのため、資産運用をおこなう場合は貯蓄型の保険を選ぶ必要があります。
貯蓄型の保険は万が一の保証をおこなうだけではなく、満期までお金を積み立てることで支払ったお金以上の返戻金が返ってきます。
支払った保険料の全額を100%とすれば、100%以上の保険料が返金されるので、100%を超えた分がその保険の利回りということになります。
つまり、貯蓄型保険を利用すれば保険による資産運用は可能ということになります。
このように資産運用には株式・債券・投資信託といったものだけでなく、意外なものを利用できる可能性があります。
資産運用の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
資産運用の種類とは?初心者でも分かる17種類の運用方法を徹底解説
保険による資産運用は可能であることを理解したところで、メリットとデメリットについて解説していきます。
保険で始める資産運用のメリット
保険で始める資産運用のメリットは3つあります。
- 万が一の場合に保証もある
- 資産運用の知識がなくても始めやすい
- 節税にもつながる
万が一の場合に保証もある
資産運用のために始めるとはいえ保険にはそれぞれ保証がついています。
具体的には、個人年金保険、終身保険、養老保険、学資保険など、老後や万が一の時の備えや、子供の学費を貯蓄するための保険もあります。
満期を迎えて返戻金を受け取るだけでなく、万が一のときに配偶者と子供の生活を保障してくれます。
保険で資産運用をするということは、お金を増やすことができるだけでなく保証を得ることができるメリットがあるといえます。
資産運用の知識がなくても始めやすい
資産運用をする場合、基本的には投資に関する知識を身につける必要があります。
株式投資を始めるのであれば、株式について勉強する必要がありますし、不動産投資を始めるのであれば、不動産について勉強する必要があります。
しかし、資産運用を始めるにあたって、勉強をする時間がどうしても取れない人もいるかもしれません。
保険で資産運用をする場合は保険料を振り込むだけなので知識がなくても始めやすいです。
毎月必ず決められた保険料を支払うことができれば保険による資産運用は始められるので、資産運用の中でも始めるための敷居が低いといえるでしょう。
保険による資産運用は資産運用の知識がない人や、学ぶための時間がない人にもおすすめの資産運用といえます。
節税につながる
保険は資産運用だけではなく、節税にもつながります。
保険には生命保険料控除があり、条件はありますが、貯蓄型保険の場合控除の対象になる可能性があります。
条件に関しては国税庁のホームページに詳しく書かれています。
そのため、保険は資産運用による利回りだけではなく税金を控除できるので、控除された税金を含めれば実質利回りをさらに増やすことができます。
資産を増やすためには、資産を運用して利益を得ることも重要ですが、余計な支出を増やさない資産の防衛も重要です。
将来のための資産を効率よく形成していくためには、資産を増やすことだけに労力を傾けるのではなく、資産を防衛することに対しても気を配る必要があります。
また、生命保険料控除を含む所得税の控除について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
保険で始める資産運用のデメリット
一方、保険で始める資産運用には3つのデメリットがあります。
- 途中解約は元本割れする可能性がある
- 保険料が高い場合もある
- 保険会社の経営が悪化する危険性がある
途中解約は元本割れする可能性がある
もし、保険料を払うことができなくなり途中解約をする場合は元本割れの危険性があります。
正確に言えば、途中解約の場合に返還する返戻金が支払った保険料を下回る可能性があるということです。
最悪の場合は、返戻金が返ってこないこともあります。
保険による資産運用は満期までの長期間の加入が前提となります。
長期的な投資になることを理解したうえで途中解約をすることがないように計画的に保険料を支払うようにしましょう。
保険料が高い場合もある
貯蓄型の保険は掛け捨て型の保険と比較して、保険料が高い場合が多いです。
そのため毎月の保険料が家庭にとって大きな負担になる可能性があります。
保険料を無理して払うことになれば最終的に途中解約につながったり、保険のせいで生活が苦しくなる本末転倒な状況に繋がりかねません。
契約の際は保険料が十分に余裕を持って支払える額であることを確認したうえで始めることをおすすめします。
保険会社の経営が悪化する危険性がある
ここまでのデメリットは保険に加入する人が気をつけていれば防げるはずです。
しかし、最後のデメリットは防ぐのが少し難しいデメリットになります。
加入している保険の運用会社の経営が悪化した場合、保険が満期を迎えたときに支払われる利回りが減ってしまう可能性があります。
最悪、倒産や債務不履行になってしまった場合は、元本割れをしてしまう可能性もあるでしょう。
他の資産運用も運用元が倒産、債務不履行になってしまえば利益を得るどころか損をしてしまうリスクがありますが、保険も例外ではありません。
できる限りそのようなリスクが低い安定した会社の保険に加入したうえで、万が一の場合利回りが減るリスクがあることを覚悟する必要があります。
保険で資産運用をするのがおすすめの人
最後に保険で資産運用をするのがおすすめの人の3つの特徴について解説していきます。
- できる限りリスクを避けて運用したい人
- 投資の知識がなく身につける時間がない人
- 節税も含めた賢い運用をしたい人
できる限りリスクを避けて資産運用したい人
保険による資産運用は非常にローリスクです。
元本が確保されており、途中解約をしなければ元本割れをする可能性が低いです。
そのため、できる限りローリスクで資産運用をしたい人におすすめになります。
もちろん、リスクが低いということはリターンも高くはないので、リターンだけで見れば他にも優秀な資産運用はあります。
しかし、リターンをそこまで重視せず、できる限りリスクの低い資産運用をしたい人は保険による資産運用をするといいでしょう。
投資の知識がなく身につける時間がない人
保険による資産運用の失敗は保険料が払えないことによる途中解約がほとんどです。
つまり、途中解約せず毎月積み立てることができる人であれば、投資の知識がなくても問題はありません。
投資の知識がなく、これから投資の知識を身につける時間もない人にもおすすめの資産運用です。
しかし、保険による資産運用以外の資産運用のことを簡単にでも知っておくことは重要です。
時間がない人のためにも5分で読める資産運用についてまとめた記事があります。
資産運用について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてみてください。
貯蓄・資産を増やす3つの方法(コツ)とは?おすすめの資産運用方法まで徹底解説!
節税も含めた賢い運用をしたい人
先ほども説明しましたが、保険料は控除の対象になるため節税につながります。
資産を増やすと同時に資産を防衛することもできれば、結果的により資産を増やしていける賢い運用ができます。
もちろん、控除を受けるにあたって手続きをする必要があるので、「正直手続きが面倒くさい」と思う人には向いていないかもしれません。
しかし、保険料の積み立てを毎月計画的におこないながら、控除の手続きをしてできる限り節税をおこなう計画的な人であれば保険による資産運用はおすすめです。
保険による資産運用は、できる限りリスクを避ける人で、投資の知識がない、または勉強をする時間がなく、計画的に積み立てと節税ができる人におすすめということになります。
まとめ
保険による資産運用について理解していただけたでしょうか?
最初は保険で資産運用をどのようにするのか想像がつかなかった人が多かったと思いますが、保険は元本が確保されたローリスクローリターンな資産運用でもあることが分かったかと思います。
資産運用の知識がなくても始めやすく、節税にもつながり、万が一のときは保証をしてもらえるので、メリットも多いです。
しかし、保険料が高く途中解約にリスクがあるので、資産運用の知識は求められませんが長期にわたって計画的に保険料を積み立てられることが求められます。
保険による資産運用の特徴を理解した上で、保険に加入するべきかぜひ検討してみてください。