投資信託を高い時に買ってしまった場合の対処方法は?リスクを軽減できる投資方法も解説

投資信託は価格の上下があるため高い時に買ってしまうリスクがあります

投資信託を購入したあとに基準価額が下がり、「高い時に買ってしまったのではないか」と不安になる方は少なくありません。

しかし、投資信託は短期的な価格の上下で判断するものではなく、基準価額の仕組みや運用内容を理解したうえで、どのように対応するか考えることが重要です。

本記事では、投資信託を高い時に買ってしまった場合に確認したいポイントや、具体的な対処方法を解説します。記事を読むことで、価格変動に対して感情的に振り回されない投資の考え方を理解できるでしょう。

目次

投資信託の基準価額の仕組み

投資信託の価値は基準価額によって判断されます。株式のように市場で売買される価格とは異なり、投資信託全体で保有する資産の価値によって計算される仕組みです。基準価額は、保有する株式や債券などの資産の時価を合計し、運用にかかる費用などを差し引いた純資産総額を、発行されている口数で割ることで算出されます。1万口あたりの価格で表示されることが一般的です。

例えば、株式市場が上昇して投資信託の保有資産の価値が上がれば基準価額も上昇し、反対に市場が下落すると基準価額も下がります。よって、購入した時よりも基準価額が下がると評価額がマイナスになることも

また、投資信託の基準価額は1日に1回算出されることが一般的であり、購入時点では確定する基準価額がわかりません。ブラインド方式と呼ばれ、注文を出したあとにその日の基準価額で取引が成立する仕組みです。投資信託の基準価額は、市場の値動きや保有資産の状況によって日々変動します。

投資信託を高い時に買ってしまった場合に確認したいこと

投資信託を高い時に買ってしまったと感じた場合でも、必ずしも失敗とは断言できません。内容や運用状況に問題がなければ、基準価額の上下だけを考えて判断すると、長期的であれば得られた運用成果を逃してしまうことも。

ただし、投資する投資信託に問題が生じている場合は、売却を検討したほうがよい場合もあります。投資信託の値下がりに不安を感じている場合は、以下の内容を確認するようにしましょう。

  • 純資産総額
  • 運用方針
  • 分配金

純資産総額

純資産総額とは、投資信託が保有している資産の合計額から運用にかかる費用などを差し引いた、ファンド全体の資産規模を示す指標です。純資産総額が大きく増加している投資信託は多くの資金が集まっており、運用が安定しやすい傾向があります。

一方で、純資産総額が継続的に減少している投資信託は、運用の継続が困難になり、繰上償還により運用が途中で終了することも。投資信託を売却している人が増えていることが考えられるため、純資産総額が継続的に減少している場合は、繰上償還になる前に売却したほうがよいケースもあります

運用方針

投資信託の運用方針は、「どのような資産に投資するのか」「どの地域や市場を対象とするのか」を目論見書で示したうえで販売されます。しかし、状況によっては投資対象や運用方法が変更されることも。例えば、債券の割合が大きい安定した運用から、株式を中心とするリスクの高い運用になる場合が挙げられるでしょう。

運用方針が大きく変わると、当初想定していたリスクや値動きの特徴が変わる可能性があります。そのため、変更した方針で運用がうまくいっていない場合は、売却して自分が求める運用方針の投資信託に資金を移すことも選択肢の一つです。

分配金

投資信託は基準価額の上昇以外でも利益を得られる分配金の仕組みがあります。ただし、投資信託の分配金には、運用によって得られた利益から支払われる普通分配金と、元本の一部が払い戻される特別分配金の2種類があることに注意が必要です。

特に注意したいのは特別分配金です。投資家が購入した価格よりも基準価額が低い状態である場合に支払われる分配金を指します。分配金を受け取って資産が増えるように感じるかもしれませんが、実際には投資信託の保有資産の一部を取り崩しているため、資産は増えていません

特別分配金に限らず、分配金が支払われるとその分だけ基準価額は下がる仕組みであるため、分配金の有無だけで投資成果を判断しないよう注意が必要です。基準価額が下がったことを理由に特別分配金を出す投資信託や、分配金の支払いが多くても基準価額は下がっている投資信託は、保有を続けても資産は増えない可能性があります。

投資信託は高い時に買ってしまった場合でも、継続して保有したほうがよい場合が多いです。しかし、上記の内容を確認したうえで当てはまる場合は、この限りではないため気を付けましょう。

投資信託を高い時に買ってしまった場合の対処方法

内容や運用方針に問題がない投資信託を高い時に買ってしまった場合の対処方法を以下にまとめました。

  • 積立投資であれば継続する
  • 一括投資なら追加購入は慎重に検討する
  • 資産を分散して値動きの偏りを防ぐ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

積立投資であれば継続する

投資信託に積立投資をしている場合は、基準価額が下がっても売却せずに継続しましょう。積立投資では、基準価額が高い時には少ない口数を購入し、基準価額が低い時には多くの口数を購入する方針が基本です。高い時に買ってしまった場合でも長期的に継続すれば、購入価格の平均は抑えやすくなります。

短期的な値動きで積み立てをやめると、価格が回復した場合に基準価額が低い時に多くの口数を購入できる恩恵を逃してしまいます。積立投資の場合は、基準価額の上下に一喜一憂せずに投資を続けることが重要です。

一括投資なら追加購入は慎重に検討する

一括投資で投資信託を購入した場合、基準価額が下がると追加購入して平均取得価格を下げたいと考えることもあるでしょう。投資対象が一時的に下落している状態であれば、追加購入によって取得価格を抑えられる場合もあります。ナンピン買いとも呼ばれる投資手法であり、うまくいけば損失の回復が早くなることが期待されるでしょう。

しかし、一括投資の追加購入には高度な投資判断が求められます。長期的には上昇が期待される投資対象であっても、短期的にどこまで下がるかは誰にもわからないからです。価格の上昇を期待して購入した結果、さらに大きく下落する可能性も。ナンピン買いを繰り返すことで、大きな損失を抱えることになるかもしれません。

一括投資は投資結果に対して感情的になりやすく、損失への不安から売却を選択してしまうケースもあります。投資信託に一括で投資している場合は、過度に強気な判断で追加投資をおこなわず、追加購入は慎重に検討しましょう

資産を分散して値動きの偏りを防ぐ

投資信託を高い時に買ってしまったと感じた場合は、保有している資産を見直す必要があります。特定の資産に資金が集中している場合は、投資対象が下落した際に影響を受けやすくなります。例えば、株式だけに投資している場合は、債券、不動産、金(ゴールド)などの異なる資産を組み合わせると資産全体の値動きが安定しやすくなるでしょう。

資産を分散すれば、特定の資産が下落してもほかの資産で補いやすくなり、全体の価格変動を抑えられます。下落局面で投資信託の値動きが気になり、不安に感じる場合であっても、資産を分散すれば精神的に余裕を持ちやすくなります

高い時に買ってもリスクを軽減できる投資方法

投資信託は高い時に買っても問題ないようにリスクを軽減できる方法で投資を始めることが重要です。リスクを最小限にして長期投資を始めるにあたって、意識したい投資方法を以下にまとめました。

  • 少額から始める
  • 長期保有を前提にする
  • ドルコスト平均法を活用する
  • 信託報酬が低い商品を選ぶ
  • リバランスを定期的におこなう

それぞれ詳しく解説します。

少額から始める

投資信託を購入する際は、最初から大きな金額を投資するのではなく、少額から始めたいところです。少額投資であれば、購入後に基準価額が大きく下がった場合でも損失額は限定されます。近年では100円から投資を始められる投資信託もあるため、無理のない範囲で投資を始めやすいです。

少額でも投資を続ければ、市場の値動きに慣れやすくなるため、投資の経験を積む方法としても有効です。価格の変動を気にしすぎないためには、余裕資金の範囲で少額から始めることが重要です。

長期保有を前提にする

投資信託は短期的な価格変動が起こりやすいため、長期保有を前提に考えることが基本です。購入直後に基準価額が下がり、高い時に買ってしまったと感じる場合でも、10年単位の長い目で見れば安く購入できている可能性があります

短期の値動きだけで判断して売却してしまうと、将来的な上昇の機会を逃してしまうことも。投資信託は長期の資産形成を目的に計画的な保有が推奨されるため、短期的な値動きで売却を判断しないようにしましょう。

ドルコスト平均法を活用する

ドルコスト平均法を活用した投資では、投資信託を価格の上下にかかわらず、一定の金額を定期的に購入します。毎月・毎日など決まったタイミングで同じ金額を購入し、購入価格を平均化する投資信託の基本的な投資手法です。

基準価額が高い時には少ない口数を購入し、基準価額が低い時には多くの口数を購入するため、高値で購入するリスクを軽減できます。価格のタイミングを予測する必要がないため、初心者でも実践しやすい投資方法です。投資初心者で購入のタイミングを見極める自信がない場合は、ドルコスト平均法を活用しましょう。

信託報酬が低い商品を選ぶ

長期を前提に投資信託を保有する場合は、できる限り信託報酬の低い商品を選ぶことが重要です。信託報酬は、投資信託の運用や管理にかかる費用であり、保有している間は継続的に差し引かれます。

信託報酬は年率で表示されることが一般的で、0.1%程度の低いものから1%を超えるものもあるため、商品によって違いがあります。0.1%の差は小さいと感じるかもしれませんが、長期間保有するほど運用成果に与える影響は大きくなるでしょう。信託報酬が低い投資信託を選べば、差し引かれる手数料が少なくなるため、長期的に手元に残る資産が増えやすくなります。

リバランスを定期的におこなう

資産を分散して投資信託を保有する際には、定期的にリバランスをおこないましょう。リバランスとは、当初想定した資産配分の割合が崩れた場合に、売買によってバランスを調整することを指します。例えば、株式の大幅な値上がりによってポートフォリオの株式の割合が増えすぎた場合は、株式が値下がりすると資産全体に対する影響が大きくなります。

株式に投資する投資信託の一部を売却して債券や他の資産の投資信託を購入すれば、もとの配分に近づけます。リバランスで再投資する対象は、値下がりして割合が減った資産を選ぶとよいでしょう。年1回など一定のタイミングで資産配分を見直す習慣をつければ、長期的により安定した運用を実現できます

投資信託を高い時に買って売却した場合はどうするべき?

すでに投資信託を売却してしまった場合、損失が確定した状態にあるため、損をした金額を直接的に取り戻すことはできません。しかし、失敗を活かして次につなげることはできます。

投資方法に問題がある場合は見直して、再びチャレンジすれば、長期的には今回の損失を上回るリターンを上げられるでしょう。次に失敗しないために意識すべきことをまとめました。

  • 投資方法を変えて再度チャレンジする
  • 余裕資金を超えない範囲で投資する
  • 他人の意見に流されて売却しないように気を付ける

投資方法を変えて再度チャレンジする

一括投資で投資信託を購入した場合は、投資方法を見直して再度チャレンジしましょう。一度に大きな金額を投資すると、購入タイミングによっては価格変動の影響を受けやすくなるため、高い時に買ってしまった場合の損失が大きくなります。

毎月一定額を購入するドルコスト平均法を活用した積立投資に変更すれば、購入価格を平均化できるため高値掴みのリスクを軽減できます。積立投資は少額から始められるため、価格変動に対する心理的な負担も軽減しやすくなるでしょう。

一括投資で失敗をした場合は、積立投資に切り替えることで以前よりも長期的に安定した資産形成を実現できます

余裕資金を超えない範囲で投資する

投資信託を購入する際は、生活費や緊急時に必要な資金とは分けて、余裕資金の範囲での投資を意識しましょう。余裕資金を超えて投資してしまうと、価格が下がった際に生活への影響を心配して、冷静な判断ができなくなる可能性があります。

投資信託は価格が変動する金融商品であるため、短期的であれば評価額が大きく下がることも。余裕資金の範囲を超えて投資をした結果、資金が必要になって想定していないタイミングで売却するケースも考えられます。投資は生活に必要な資金とは切り分けて、使う予定がないお金に限定するべきです。

他人の意見に流されて売却しないように気を付ける

投資信託を売却する際は、断片的な情報や他人の意見に流されないことが重要です。インターネットではSNSを中心に「今は売るべき」「さらなる暴落が来る」などのさまざまな意見が見られます。しかし、SNS上の意見は必ずしも信ぴょう性があるとは限らず、意見に流されて売却しても発信者が責任を取るわけでもありません。

価格が下がっている時は不安を感じやすいかもしれません。しかし、周囲の意見に影響されて正常に判断できない状態で売却しないようにしましょう。他人の意見は参考程度にとどめ、最終的には自分の投資方針に沿って冷静に判断するよう心がけることが重要です。

まとめ

投資信託は価格が日々変動するため、値動きによっては高い時に買ってしまったと感じることは誰にでもあります。しかし、基準価額の一時的な下落であれば、あとから振り返れば軽微なものであったと実感する場合も多いです。

ドルコスト平均法を活用する積立投資であれば、高い時には少ない口数、安い時には多い口数を購入するため、高値掴みのリスクを自然に抑えられます。よって、購入したあとに大きく価格を下げる局面になっても気にする必要はありません。

それでも投資に不安を抱えている場合は、一人で判断せずに信頼できる専門家に相談する選択肢もあります。当社では長期の資産形成において安定性を重視した投資方法を提案できます。お気軽にご相談ください。

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