【実践ガイド】2025年4月施行、ニュージーランド富裕層向け永住権獲得までの具体的ステップと「プロ推奨」賢い投資戦略

本シリーズはニュージーランドの金融のプロフェッショナルであるBancorp Wealth Management Limitedマネージャーの池口氏へのインタビューを基に、3編にわたって「ニュージーランド永住権取得の現実的な可能性」をお伝えします。

本稿では、実際にアクションを起こしたい人に向けて具体的な手続き方法や順序、金融のプロならでは視点からポートフォリオ構築の考え方などを解説していきます。

目次

前回の振り返り:新しい永住権制度の具体的な条件

前回の記事では、2025年4月に施行されたニュージーランドの新しい富裕層向け永住権「Active Investor Plus Visa」の全貌を詳細に解説しました。特に、この制度が旧制度からどのように変更され、富裕層にとってなぜ魅力的な選択肢となったのかを、具体的な投資条件やその他の要件に焦点を当てて説明しています。

最も重要な変更点として、以下の2つのカテゴリーとそれぞれの条件を挙げました。

Active Investor Plus Visa 2つのカテゴリーと要件

Growth Category (グロースカテゴリー)最低NZD 5ミリオン(約4億3千万円)の投資で、3年間で合計21日間のニュージーランド滞在という画期的な居住要件。主な投資対象は移民局認可の運用ファンドや事業への直接投資。
Balanced Category (バランスカテゴリー)最低NZD 10ミリオン(約8億6千万円)の投資で、5年間で合計105日間のニュージーランド滞在が居住要件。投資対象は国債、上場株式、不動産新規開発など、より保守的なものも含む。

また、英語要件の撤廃年齢制限がないことなど、投資条件以外の緩和も、幅広い層の富裕層にとって大きなメリットとなります。さらに、NZの金融プロフェッショナルである池口氏の視点から、この制度を最大限に活用するためのポイントと、注意すべき落とし穴についても触れ、投資額には「維持」義務があり、元本割れに備えて余裕を持った資金計画が重要であることなどを解説しました。

本稿では、この新しい永住権制度を利用してニュージーランド永住権を獲得するための、具体的なステップと、池口氏が推奨する「賢い投資戦略」について、実践的な視点から詳しく解説していきます。あなたのニュージーランド移住計画を確実に成功させるためのロードマップを、ぜひ最後までご覧ください。

永住権獲得までの全体像:申請プロセスとロードマップ

ニュージーランドのActive Investor Plus Visaを取得するまでのプロセスは、以下のステップで進みます。計画的な準備と専門家との連携が成功の鍵となります。

ステップ①:情報収集と初期検討

永住権申請を本格的に始める前に、まずはニュージーランドでの生活がご自身やご家族のライフスタイルに合うかを確認するためのトライアル期間を設けることを推奨します。観光目的であれば最長3ヶ月間滞在が可能ですが、より長期での体験を希望する場合、以下のビザを活用できます。

Student Visa(学生ビザ)

年齢に関わらず、3ヶ月以上の英語学校や専門学校に通うことで取得可能です。ご自身が学生ビザを取得し、ニュージーランドでの生活や文化に慣れることができます。学費を支払うことで、その期間に応じたビザが発行されます。最長1年が一般的で、更新可能です。

Guardian Visa(ガーディアンビザ)

お子様がニュージーランドの学校に通う場合、その保護者として取得可能です。お子様の学費支払い期間に応じたビザが発行されます。これにより、ご家族で長期滞在し、現地の学校生活や子育て環境を体験することができます。

上記のようなビザを活用することで、本格的な投資と永住権申請に踏み切る前に、ニュージーランドでの暮らしや文化、そして子育て環境などを実際に体験し、ミスマッチを防ぐことができます。

池口氏も、多くのお客様がこのトライアル期間を設けていると指摘しており、特に小さなお子様がいるご家族にとっては、学校の雰囲気や子育て環境が肌に合うかを確認する上で非常に有効な手段です。

ステップ②:必要な書類準備と条件確認

トライアル期間を経て、ニュージーランドへの移住を決断したら、永住権申請に向けた書類準備に入ります。この段階が最も重要であり、正確性と網羅性が求められます。

永住権申請の必要書類一覧
本人確認書類

パスポート、出生証明書、婚姻証明書など。

資産証明

投資元本となる資金の出所を明確に証明する書類。これは、単に銀行残高証明だけでなく、資産がどのように形成されたかを遡って証明する必要があります。例えば、事業売却益、株式売却益、不動産売却益、相続資産など、その全てに対して合法性を示す書類が求められます。このプロセスは非常に厳格であり、不正な資金ではないことが徹底的に確認されます。

健康診断書

ニュージーランド移民局指定の病院で受診した健康診断書。公衆衛生上のリスクがないこと、あるいはニュージーランドの医療システムに過度な負担をかけないことが証明されます。

無犯罪証明書

過去の犯罪歴がないことを証明する書類。

家族関係書類

配偶者や扶養家族を帯同する場合、その関係性を証明する書類(戸籍謄本、出生証明書など)。24歳以下のお子様も対象

これらの書類は膨大であり、また日本語の書類は英語への翻訳も必要となるため、弁護士や移民アドバイザー専門家等のサポートを受けることが不可欠です。移民局のウェブサイトに掲載されている情報は基本的なものですが、個別の状況に応じた追加書類や注意点が存在するため、必ず専門家と連携し、確認しながら進めるようにしましょう。

ステップ③:【重要】投資実行のタイミングと方法

必要書類の準備と並行して、投資計画を具体的に解説していきます。

1.移民局からの「投資承認(Invitation to Apply)」

まず、ニュージーランド移民局に永住権の申請を行います。この段階で、申請者の適格性や資金の合法性などが審査されます。申請が受理されると、通常1〜2週間程度で移民局から「実際に投資を開始して良い」との正式な通知(Invitation to Apply)が届きます。この通知は、あなたの申請がビザ発給の基準を満たしていることを示すもので、次のステップに進むための重要な「Goサイン」となります。

2.投資開始準備

移民局からの承認後、6ヶ月以内に実際に投資を開始する必要があります。この期間中に、選定した投資先との具体的な契約手続きを進めます。

投資会社の選定

移民局が認可している投資対象の中から、ご自身の投資戦略やリスク許容度、リターン目標に合った投資会社を選定します。例えば、運用ファンドへの投資を検討する場合、そのファンドの運用実績、手数料体系、流動性などを十分に調査し、信頼できる金融機関と契約を結びます。

資金の送金

投資会社に求められる本人確認書類(KYC: Know Your Customer)や資金の源泉に関する資料を提出し、問題がなければ、日本の銀行から指定されたニュージーランドの金融機関の銀行口座に投資資金を送金します。この際、送金金額が大きいため、事前に銀行と送金限度額や手数料必要書類などを確認しておくことが重要です。

証券担保ローンの活用

現金資産が少ないものの、上場企業の株式など流動性の高い資産を保有している場合、それを担保にした「証券担保ローン」を活用して投資資金を調達することが可能です。日本の証券会社や銀行が提供しているサービスを利用し、保有株式を売却せずに資金を得ることができます。この方法は、株式の売却による課税や、売却タイミングの制約を避けたい場合に有効です。ニュージーランドの移民局もこの方法を認めています。

ステップ④:申請書類提出から審査プロセス

投資資金がニュージーランドに送金され、実際の投資が開始されたことを証明する書類(投資契約書、送金証明など)を移民局に提出します。この段階で、移民局は提出された全ての書類と投資実行の事実を最終的に審査します。

居住権の付与

投資が開始された段階で、申請者ご本人、配偶者、そして24歳以下のお子様を含むご家族全員に居住権が付与されます。この居住権は、永住権に準ずる権利であり、ニュージーランド国内での居住、就労、教育、行政サービスの利用などが可能となります。

お子様は現地の学校に通うことができ、ご家族もニュージーランドでの生活を本格的にスタートできます。

投資期間中の条件維持

居住権が付与されてから、グロースカテゴリーであれば3年間、バランスカテゴリーであれば5年間、投資を継続し、かつカテゴリーごとの最低滞在日数をクリアする必要があります。

永住権への切り替え

所定の投資期間が終了し、全ての条件を満たしていることが確認されれば、正式に永住権が付与されます。この永住権は、期限付きの居住権とは異なり、更新不要の永続的な権利となります。

ステップ⑤:永住権取得後について

永住権取得後にこの権利を維持できる点は、ニュージーランド永住権の大きな魅力の一つです。

一切の更新不要

ニュージーランドの永住権は、一度取得すれば更新の必要がありません。これは、他の多くの国の永住権が定期的な更新や、その国での一定期間以上の居住を義務付けているのと大きく異なります。

滞在日数の義務なし

日本人の場合、パスポートの有効期限(5年または10年)ごとに永住権の更新書類の提出はありますが、ニュージーランドに滞在する義務や住居を維持する義務は一切ありません。つまり、日本に住み続けながらも、ニュージーランドの永住権を保持しておくことが可能です。

「オプション避難国」としての活用

池口氏も指摘するように、多くの富裕層がニュージーランド永住権を「万が一の有事の際のオプション避難国」として取得しています。世界情勢が不安定な今、安全な逃避先を確保しておくことは、資産保全と同様に重要なリスクヘッジ戦略と言えるでしょう。

ニュージーランドに縛られることなく、シンガポールや香港など、税優遇を受けながらビジネスを展開できる柔軟性は、現代の富裕層のニーズに合致しています。

NZ金融プロが指南!改正制度下での「成功する投資戦略」

ニュージーランドのActive Investor Plus Visaの取得を成功させるためには、単に条件を満たすだけでなく、賢い投資戦略を構築することが不可欠です。池口氏の見解を踏まえ、推奨される戦略と注意点を見ていきましょう。

考えられる投資手法のメリット・デメリット

新制度では、投資対象が大きく分けて2つのカテゴリー(グロース、バランス)に分かれ、それぞれに多様な投資手法が認められています。

1.運用ファンドへの投資

【メリット】
  • 専門家による運用: 専門のファンドマネージャーが資産を運用するため、投資家自身が個別の企業調査や市場分析を行う手間が省けます。
  • 分散投資: 複数の企業やプロジェクトに分散投資されるため、個別投資に比べてリスクが低減されます。
  • 流動性の確保: 特定のファンドでは、一定の流動性が確保されており、必要に応じて資金を引き出すことが比較的容易な場合があります。
  • 効率性: 移民局が認可したファンドであれば、永住権取得のための条件を満たしやすく、申請プロセスがスムーズに進む可能性があります。
デメリット
  • 運用手数料: ファンドの運用には手数料がかかります。
  • 透明性の限界: 個別の投資先や詳細な運用状況が見えにくい場合があります。
  • 元本保証なし: ファンド運用である以上、元本割れのリスクは存在します。
池口氏の見解

これまでのベンチャーキャピタル的なファンドだけでなく、運用実績を持つプライベートエクイティファンド(PEファンド)は、比較的安定したリターン(年間平均10%程度)を期待でき、かつ流動性も確保されているため、グロースカテゴリーでの投資において非常に魅力的な選択肢であると述べています。特に、ニュージーランドの成熟企業に投資することで、リスクを抑えつつ経済成長の恩恵を受けられる点が強みです。

2.事業への直接投資

【メリット】
  • 高いリターン: 成功すれば大きなリターンが期待できます。
  • 経営への関与: 自身のビジネス経験やノウハウを活かして、投資先企業の成長に直接貢献できる可能性があります。
  • 雇用創出: 新たな雇用を生み出すことで、ニュージーランド経済への貢献度が高いと評価されます。
デメリット
  • 高いリスク: 投資先企業の業績に直接左右されるため、運用ファンドに比べてリスクが高いです。
  • 専門知識と時間: 投資先企業の選定、デューデリジェンス、経営への関与など、高度な専門知識と多くの時間が必要です。
  • 流動性の低さ: 株式の売却などが難しく、資金の回収に時間がかかる場合があります。
池口氏の見解

富裕層の中でも、M&Aなどで事業を売却し、新たな事業機会を求めている方には魅力的な選択肢ですが、リスクとリターンを慎重に見極める必要があると忠告しています。

3.ニュージーランド国債、地方債、社債などへの投資(バランスカテゴリー)

【メリット】
  • 低リスク: 先進国の国債であり、比較的安定した金利水準で信用格付けも高いため、リスクを抑えたい投資家に向いています。
  • シンプル: 運用が比較的シンプルで、専門知識をあまり必要としません。
デメリット
  • 投資額が高い: グロースカテゴリーに比べて投資額が2倍(NZD 10ミリオン)必要です。
  • 投資期間が長い: 5年間の投資期間が必要です。
  • 流動性リスク: 投資金額が大きいため、市場での流動性を事前に確認する必要があります。特に大規模な国債投資は、換金する際に買い手が見つかりにくいリスクも考慮すべきです。
池口氏の見解

保守的な運用を希望する投資家には適していますが、高額な投資額と長い投資期間を考慮し、自身のライフプランとの整合性を慎重に検討すべきだと述べています。

4.不動産新規開発(バランスカテゴリー)

【メリット】
  • 具体的な形: 物理的な資産として認識しやすく、地域経済への貢献も期待できます。
  • 長期的な視点: 商業用・産業用不動産開発であれば、長期的な収益も期待できます。
デメリット
  • 投資額が高い 大規模な開発プロジェクトであるため、相応の資金が必要です。
  • 開発リスク: 開発期間、建設コスト、市場需要など、様々なリスクを抱えます。
  • 規制: 投資家本人が居住する不動産は対象外であり、商業的なリターンを目的とした開発に限定されます。
池口氏の見解

不動産開発は、ニュージーランドの都市開発やインフラ整備に貢献できますが、専門的な知識と経験が求められるため、信頼できる現地のパートナーとの連携が不可欠だと強調しています。

推奨される投資対象の具体的な例

池口氏は、現時点でのグロースカテゴリーにおいては、移民局認可の「運用ファンド」、特に実績のあるプライベートエクイティファンドを推奨しています。その理由として、NZ国内の状況も踏まえ以下の点を挙げています。

実績と安定性

長年の運用実績があるファンドは、市場の変動に対応できるノウハウと安定したリターン実績を持っている可能性が高いです。例えば、Bancorp社が運用するような、約10年の運用実績があり、ニュージーランドの成熟企業6社に投資し、年間平均10%のリターンを出し、年4回配当があるファンドは、投資家にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

流動性

運用ファンドの中には、投資家が一定期間後に資金を回収できる流動性を確保しているものもあります。これは、投資期間が終了した後に資金を自由に活用したい投資家にとって重要なポイントです。

管理の手軽さ

投資家自身が個別の投資先を管理する必要がないため、手間がかからず、本業や他の資産運用に集中できます。

政府の奨励

ニュージーランド政府も、経済成長に貢献するプライベートエクイティファンドへの投資を奨励しており、永住権取得の観点からも有利に働く可能性があります。

ポートフォリオ構築の考え方

投資家ビザの投資は、ご自身の資産全体の一部として捉え、ポートフォリオ全体のリスクとリターンを考慮して構築すべきです。

目的の明確化

永住権取得が第一の目的か、それとも同時に高い投資リターンも追求したいのかによって、投資対象の選択が変わってきます。

リスク許容度

ご自身の財務状況、年齢、その他の資産との兼ね合いを考慮し、どの程度のリスクを取れるかを明確にしましょう。

分散投資

投資家ビザの要件を満たすために特定の投資を行う一方で、他の資産(日本国内の不動産、株式、債券など)との間でリスクを分散させることを忘れてはなりません。

リスク管理と分散投資の重要性

投資には常にリスクが伴います。特に、多額の資金を投じる投資家ビザのスキームにおいては、以下の点に注意し、リスク管理と分散投資を徹底することが重要です。

元本割れリスクへの備え

投資期間中に元本が最低投資額を下回らないよう、前述の通り最低投資額より少し上乗せした資金を準備しておくことが賢明です。これにより、市場の変動や投資先のパフォーマンス悪化に対応できます。

投資先の多様化

認められている投資対象の中から、特定の分野や企業に集中せず、複数の投資先に分散投資することでリスクを低減できます。例えば、運用ファンドの中でも複数のファンドに投資する、あるいはファンドと国債を組み合わせるといった戦略も考えられます。

為替リスクの考慮

ニュージーランドドルでの投資となるため、日本円との為替変動リスクも考慮に入れる必要があります。為替ヘッジを検討したり、国際分散投資の一環として捉えたりするなど、様々な対策が考えられます。

専門家のアドバイス

複雑な投資スキームや税務、法務については、必ず専門家(金融アドバイザー、税理士、弁護士など)に相談し、リスクを十分に理解した上で意思決定を行うことが不可欠です。

申請プロセス、そして投資実行で避けるべき「落とし穴」

永住権の申請プロセスは複雑であり、多額の資金を伴う投資実行には、予期せぬ落とし穴が潜んでいる可能性があります。これらを避け、スムーズに手続きを進めるための注意点を解説します。

資金の出所証明の厳格性

落とし穴

資金の出所が不明瞭、あるいは過去に不法な手段で得られたと判断されると、申請が却下されるだけでなく、法的な問題に発展する可能性があります。ニュージーランド移民局は、マネーロンダリングなどを厳しく監視しています。

解決策

資産形成の過程を明確に説明できる書類(売買契約書、確定申告書、銀行取引履歴など)を網羅的に準備し、必要に応じて弁護士や会計士と連携して、完璧な証明体制を構築すること。

法人名義の資産で投資を検討する場合、その法人と申請者の関係性、および資金の最終的な実質的支配者が誰であるかを明確にする必要があります。池口氏も「基本的には個人名義で自分の資産を明確にすることが好ましい」と指摘しており、法人名義での投資は、移民局や弁護士に事前に確認が必要です。

最低投資額の維持義務と「トップアップ」のリスク

落とし穴

投資期間中に投資元本が最低投資額を下回った場合、追加で資金を投入(トップアップ)して元本を回復させなければ、永住権の取得条件を満たせない可能性があります。市場の変動は予測不可能であり、予期せぬ追加資金が必要になることは、大きな負担となり得ます。

解決策

投資を開始する際、最低投資額に対して数パーセントの余裕を持たせた金額で投資することを強く推奨します。例えば、NZD 5ミリオンが最低額であれば、NZD 5.2ミリオンなど、少し多めに投資することで、万が一の市場変動による元本割れリスクに備えられます。

また、投資先の選択も重要で、比較的安定した運用実績を持つファンドや、市場のボラティリティが低い国債なども選択肢に入れ、リスクヘッジを考慮しましょう。

投資先の安易な変更や中断

落とし穴

投資期間中に、安易に投資先を変更したり、資金を引き出したりすることは、永住権の取得条件に影響を及ぼす可能性があります。移民局への事前連絡や承認なしに投資を変更することは、規定違反とみなされることがあります。

解決策

カテゴリー内での投資先のスイッチは1回のみ可能とされていますが、その際も必ず移民局への連絡と承認を得る必要があります。また、カテゴリー自体を変更する(グロースからバランスへなど)場合は、新たなカテゴリーの条件(投資額、期間など)が適用され、投資期間がリセットされる可能性も考慮しなければなりません。

最初の投資計画を慎重に立て、途中で変更する可能性を最小限に抑えることが重要です。

専門家選びの重要性

落とし穴

永住権申請や投資に関する専門知識を持たない、あるいは信頼できないアドバイザーに依頼してしまうと、誤った情報提供や手続きの遅延、最悪の場合は申請却下につながる可能性があります。

解決策

ニュージーランドの移民法に精通した移民アドバイザー(Licensed Immigration Adviser)や、ニュージーランドの金融規制を理解している金融のプロフェッショナルに相談しましょう。彼らは最新の情報を提供し、あなたの状況に合わせた最適なプランを提案してくれます。また、過去の実績やクライアントからの評判を確認することも重要です。

これらの落とし穴を事前に理解し、適切な対策を講じることで、ニュージーランド永住権獲得への道のりを、よりスムーズで確実なものにすることができます。

NZの金融プロが語る!今から準備すべきこと

ニュージーランドへの移住、そして永住権の取得は、人生における大きな決断です。池口氏から、この計画を成功させるために今から準備すべきことと、皆様へのメッセージをいただきます。

今から準備すべきこと

1.自己分析と家族との対話

「まず、なぜニュージーランドに移住したいのかどのような生活を望むのかを明確にしましょう。ご自身のビジネスやキャリアプラン、お子様の教育、ご家族の健康、趣味嗜好など、あらゆる側面から検討し、ニュージーランドが本当に最適な場所であるかを深く掘り下げてください。

家族全員で話し合い、それぞれの意見や希望を共有することも重要です。特に、ナイトライフやエンターテイメントを重視する方は、東京のような大都市とは異なるニュージーランドの環境を受け入れる心構えが必要です。」

ニュージーランドの国民性は『のんびりしていて寛容性がある』と池口氏は述べており、この文化を受け入れられるかどうかも重要なポイントです。

2.トライアル期間の活用

「前述の通り、学生ビザやガーディアンビザを活用したトライアル期間は、最も有効な準備の一つです。実際に数ヶ月間現地に滞在し、現地の気候、文化、生活費、コミュニティの雰囲気などを肌で感じてください。

お子様がいらっしゃる場合は、学校の見学や体験入学を通じて、教育環境が希望に沿うかを確認しましょう。この期間に、将来の居住地となる可能性のある都市や地域を訪れ、具体的な生活イメージを掴むことが重要です。」

3.資産の棚卸しと資金計画の明確化

「永住権申請に必要な投資資金の原資を明確にし、その合法性を証明するための書類を早めに整理し始めましょう。現金だけでなく、保有している株式や不動産などの資産についても、その評価額や売却・担保化の可能性などを具体的に検討します。投資額を少し上乗せした資金計画を立てることも忘れずに。

同時に、ニュージーランドでの生活費(住居費、食費、教育費、医療費など)についても現実的な見積もりを立て、十分な生活資金があることを確認しましょう。」

4.専門家との早期連携

「ニュージーランドの永住権申請は、法律、税務、金融など、多岐にわたる専門知識を要します。信頼できる移民アドバイザー(Licensed Immigration Adviser)や、ニュージーランドの金融規制を理解している金融のプロフェッショナルと早期に連携し、最適なプランを立てることが成功への最短ルートです。

彼らは最新の法改正情報や、個別の状況に応じた最適なアドバイスを提供してくれます。」

池口氏から最後にメッセージ

ニュージーランドは530万人の小さな国ながら、先進国並みのインフラを構築しており、政治経済の安定した自然豊かな国です。移民政策により多様な人種が共に共生している国際色豊かな国で、富裕層が安心して家族と自然の調和を楽しみながら暮らすには最適な国だと考えております。

特に、相続税、贈与税ゼロは特筆すべき点で、資産承継のための基礎が整っています。信託を活用することで資産保全も可能です。

お子様とのご家族で移住を検討されているのであれば、治安の良い自然豊かなのびのびとした環境でネイティブ英語による教育を受けることができます。IB制度など公立校にも備わっており、国内外の名門大学へのルートも目指すことが可能です。飲食についても移民国家ならではの本場の和洋中のシェフが腕を振るっていますので、食の楽しみもあります。

ただし、ナイトライフやエンターテイメントなどが重要な場合、ニュージーランドは規模が小さく、東京などと比較すると期待できません。また、ニュージーランドの国民性としては農業国ということもあり、のんびりとした寛容性のある特徴があります。

寛容性があるのは移民者にとってはありがたいことで、人種差別などは少ない方の国であると思いますが、時間にルーズな一面もありますので、せっかちな方はニュージーランドの文化を受け入れる必要があるかもしれません。

ニュージーランドは地政学的なリスクが低いので、現在のような世界的な情勢が不安定になると移民が増加する傾向にあります。安定した人口増加は経済成長にもつながりますので、中長期的な発展が見込まれています。

水資源が豊富なニュージーランドでは資源エネルギー分野でも優位なポジションにいます。国内電力供給の80%以上は再生可能エネルギー(水力、地熱、風力など)にて賄われており、政府は2030年までに100%再生可能エネルギーでの電力供給を目指しています。

水力や地熱による水素エネルギー製造から船舶輸送の実証実験(大林組も事業展開)が始まっており、今後、エネルギー需要が見込まれる東南アジアへの水素エネルギー供給が成功すれば、小さな自然豊かな国、ニュージーランドが資源輸出国となるゲームチェンジャーになりえるのではないかと、私個人的には大いに期待しているところです。

この絶好の機会を捉え、ニュージーランドでの新たな人生を切り開く準備を始めてみてはいかがでしょうか。

おわりに:あなたのニュージーランド移住計画を成功させるために

本稿では、ニュージーランドの新しい富裕層向け永住権「Active Investor Plus Visa」を活用し、永住権を獲得するまでの具体的なステップと、成功するための投資戦略について、NZの金融プロフェッショナルである池口氏の知見を交えて解説しました。

複雑な申請プロセス、多額の資金を伴う投資、そして新たな生活環境への適応。これら全てを乗り越えるためには、綿密な計画と準備、そして何よりも信頼できる専門家との連携が不可欠です。

ニュージーランドは、美しい自然と安定した社会、そして富裕層にとって魅力的な税制を持つ、稀有な国です。世界情勢が不確実な今だからこそ、この国を「最後の避難先」として、あるいは新たな人生の舞台として選択することは、賢明な判断と言えるでしょう。

あなたのニュージーランド移住計画が成功し、豊かな未来が拓かれることを心より願っています。

ニュージーランド移住に関することや投資に関するお問い合わせはINVEEKまでお気軽にお寄せください。

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