投資信託(投信)を始めたいと考えた時、まず買い時と売り時のタイミングが分からない人は多いのではないでしょうか?
何時購入すれば良いのか分からない、また、どのタイミングで売却して良いのか分からないので、投資信託を始める事が出来ない人もいるでしょう。
この記事では投資信託の買い時と売り時の基準について詳しく解説していきます。
正しい買い時と売り時のルールを知って、投資信託を始める第一歩を踏み出しましょう。
投資信託(投信)とは?
投資信託は、投資家から集めたお金を資産運用の専門家が株式や債券などに投資運用し、その運用成果を投資家に分配する金融商品です。
また、投資信託は「投信」、「ファンド」とも呼ばれます。
投資信託を実際に運用する資産運用の専門家はファンドマネージャーと呼ばれます。
投資対象は、「株式」、「債券」、「REIT」などがあり、様々な種類の投資信託があります。
1つの投資信託を購入したとしても、複数の投資対象に運用されるので、簡単に分散投資が出来る特徴があります。
投資信託の基本について更に詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)とは?基本的な仕組みを紹介!
しかし、投資信託は常に価格が変動している金融商品です。
つまり、元本は保証されていません。
購入するタイミングと売却するタイミングによっては損失が発生する可能性があります。
では、損失を発生させず、より多くの利益が得られる買い時と売り時はどのタイミングなのでしょうか?
次の項目から投資信託の買い時と売り時について具体的な基準を解説していきます。
投資信託の買い時
まず、始めに投資信託の買い時と売り時に絶対の正解はありません。
何故なら、市場の状況が今後どの様に変化していくのかは投資の上級者であっても考える事は難しいからです。
しかし、基本的には安値で購入する事が重要になります。
これらを踏まえて、投資信託の買い時は大きく分けて2つのタイミングがあります。
- 価格の下がりやすい決算月に買う
- 期間を空けて分割で購入する(ドルコスト平均法)
ここからは2つのタイミングについて詳しく解説していきます。
基準価格の下がった決算月に買う
投資信託には、これまでの運用成果における資産、負債を計算して財務状況明らかにする決算があります。
この決算がある月の事を決算月と呼びます。
そして、基本的に決算月の投資信託の基準価格は下落する傾向にあります。
つまり、決算月に投資信託を購入すれば投資信託を安値で購入しやすくなります。
また、リーマンショックなどの市場の状況の悪化によって安値になったタイミングで購入するのも良いでしょう。
ただし、短期投資を前提とする場合は損をする可能性もあるので注意が必要です。
期間を空けて分割して購入する(ドルコスト平均法)
投資信託は最低買い付け金額が安い金融商品です。
最低で100円から申し込む事が出来る投資信託もあります。
その為、一度に多くの金額を投資せず、期間を空けて少額で分割して購入しやすいです。
分割して購入をすれば、価格の高い時も安い時も同様に購入した事になるのでリスクを軽減できます。
この様な購入の方法をドルコスト平均法と言います。
購入のタイミングを見極めるのが難しい投資初心者でも一定の成果が出しやすい投資方法であると言われています。
投資信託は一度に多くの金額を投資するのではなく、分割して少額で購入する方がリスクは少ないです。
ドルコスト平均法について詳しく知りたい方は、こちらの記事のドルコスト平均法の項で詳しく説明しています。
今人気の海外積立投資(オフショア投資)について、メリット・デメリットと正しい始め方!
投資信託の売り時
投資信託は長期投資向けの金融商品なので買い時よりも売り時の方が重要になります。
投資信託を売却するタイミングには大きく分けて4つのケースがあります。
- 投資信託の基準価格が目標金額に到達した時
- 基準価格が大きく下がり「損切」を行う時
- 投資信託の資産の構成が偏った為、リバランスをしたい時
- 「NISA」の非課税期間終了した時
その内、1と2のケースは投資信託の基準価格を基にした売却のタイミングです。
次に、3と4のケースは長期保有をする際に発生する投資信託の売却タイミングです。
ここからはこの4つのケースについて順番に詳しく解説していきます。
基準価格が目標金額に到達した時
売り時を確定させる為には購入する前に目標金額を設定する事が重要です。
基準価格が最初に設定した目標金額に到達した時に売却すれば、購入前に想定した利益は得る事が出来ます。
投資信託、長期投資に限らずこの売却タイミングは価格変動のあるどの金融商品にも有効です。
目標金額に到達した時点で、保有している資産をすべて売却するのも良いですが、一部の資産だけ売却して価格の上昇に合わせて分割して売却する方法も有効です
投資信託を購入する前に目標金額を設定する事で、より計画的に投資信託を売却する事が出来ます。
基準価格が大きく下がり損切を行う時
目標金額の他に損切をする価格も設定する必要があります。
損切とは損失が発生している投資信託の被害を最小限にとどめる為に売却する事です。
例えば、投資信託の購入後、投資信託の価格が下がり続けてしまったと仮定します。
このままでは損失が大きくなってしまいます。
そこで、これ以上損失が出せないと考える価格で一度売却を行う事で損を確定させます。
株式などの短期売買で用いられる事が多い売却タイミングです。
長期投資向けの金融商品の投資信託ではあまり選択しない売却タイミングですが、万が一の為に設定しておく事をオススメします。
資産の構成が偏った為、リバランスをしたい時
投資信託に長期投資をしていると、保有している投資信託の資産配分が偏る事があります。
この時、投資信託の資産を再調整しバランスを整える事をリバランスと言います。
例えば、「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」をそれぞれ25%の投資信託を保有していたとします。
しかし、投資信託を3年保有した結果、国内株式が10%増加し、外国債券が10%減少しました。
これは、資産に偏りが出来てしまい、分散投資が出来ずリスクが増加している状態です。
ここで10%余分に持っている国内株式を売却して、その代わりに10%分外国債券を購入します。
資産配分を再調整する事で、投資信託の資産配分は全て25%となりました。
投資信託を長期で投資する上でこのリバランスと言う作業は重要な作業になります。
この資産配分の再調整を自動で行ってくれる投資信託にバランスファンドがあります。
しかし、バランスファンドには再調整を行う為の手数料が掛かります。
この様に投資信託は長期保有をする事で売却の必要性が出てくるケースがあります。
NISAの非課税期間が終了した時
NISAとは個人投資家の為の税制優遇制度で、非課税で運用できるNISA口座を開設できます。
この口座は毎年120万円までの購入した金融商品によって得られる利益が非課税になります。
NISAは証券会社から申し込む事が出来ます。
また、2018年からつみたてNISA(積立NISA)と言う投資信託向けの新しい税制優遇制度も始まりました。
つみたてNISAについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
従来NISAと比較した、つみたてNISA(積立NISA)とは?いつから始まるのか?
しかし、通常のNISA口座の非課税期間は5年であり、何もしなければ金融商品は通常の口座に移ります。
通常の口座に移ってしまうと、税金が掛かるので節税をする事が出来なくなります。
投資信託をNISAで購入した場合、5年以降は今後の収益に課税をされてしまうので1つの売却タイミングになります。
ただし、NISAにはロールオーバーと言うシステムがあります。
5年の非課税期間が満了した後、翌年のNISAの口座に金融商品を移す事が出来ます。
さらに5年間非課税で投資信託を運用する場合は、必ずロールオーバーをしましょう。
ただし、含み損を抱えている場合、NISAは損益通算が出来ないデメリットもあります。
損失がある場合は、ロールオーバーをせず通常の口座に移しても良いでしょう。
投資信託をNISAで購入するメリットについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)をNISAで購入するメリット・デメリット(リスク)とは?
まとめ
投資信託の買い時と売り時について理解していただけたでしょうか?
購入と売却のタイミングについて絶対の正解はありませんが、買い時には2つの指標、売り時には4つの指標があります。
それぞれを的確に判断して購入と売却を行っていきましょう。
投資信託の売買のルールを実践し、より計画的な投資信託の運用を目指していきましょう。