Meyer International Ltd(メイヤー・インターナショナル・リミテッド/以下メイヤー)はタイ・バンコクにあるIFAです。カナダ人のリチャード・ケイン氏がCEOを務めており、リチャード氏をはじめ日本語対応可能なスタッフが数名在籍しているため、日本人でも不自由なく問い合わせることができます。
この記事では、メイヤー社とCEOであるリチャード氏についての調査結果、メイヤー社の取扱商品について解説していきます。
メイヤー社 沿革
| 1990年代半ば | メイヤー・インターナショナルのCEOであるリチャード・ケイン氏が来日 投資の勉強をはじめ、ファイナンシャルコンサルタントとしてのキャリアをスタート |
| 2000年 | 東京都港区にメイヤー・アセット・マネジメント社設立 ⇒※2010年に金融庁からの行政処分を受けて、2011年に解散 |
| 2010年 | ・タイのバンコクにメイヤー・インターナショナルを設立 ・イギリス領ヴァージン諸島にAsia Wealth Group Holdings Limited(アジア・ウェルネス・グループ・ホールディングス・リミテッド)を設立 ⇒イギリスAquis証券取引所に上場、事業本部はバンコク |
| 2015年 | 公式X (旧Twitter) 開設 |
| 2016年 | リチャード氏がバンコクの情報メディアDACO(ダコ) にてコラム執筆を開始 |
| 2017年 | 公式Facebook開設 |
| 2019年頃 | 東京で資産運用セミナー開催 |
起業の経緯
リチャード氏は奥様と来日した際、日本の金融機関の専門家が少ないことに驚いたそうです。それが原動力となって、ファイナンシャルコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせた、と綴られています。
日本に来たばかりの頃、投資の勉強を始め、自分の資産運用を始めるとともに、日本には、プ
https://meyerjapan.com/introducing-richard-cayne/
ロのファイナンシャルコンサルタントがあまりにも少ないことに気付き、日本の中上流層の資
産運用を手助けするために、ファイナンシャルコンサルタントとしてのキャリアをスタートし
、教育資金、不動産投資、老後資金、相続、税金対策、海外資産を利用した投資を中心に、日本人向け
のコンサルティングのパイオニア的存在となりました。商工会議所やロータリークラブの会員
でもありました。
日本における活動
日本における活動はメイヤー・アセット・マネジメント社を設立した2000年代が全盛期だったと考えられます。その後、2019年に東京で資産運用セミナーを開催していた記録がありますが、近年は日本国内で積極的な活動はされていないようです。

バンコクでの活動
一方で、CEOであるリチャード氏はタイ・バンコクの情報メディア DACO ダコにて2016年からコラム執筆を開始しています。2024年現在、最新記事は2023年5月のものでした。
活動拠点、ターゲット層ともに、バンコクに重点を置いていると考えられます。
2010年にメイヤー・アセット・マネジメント社が行政処分を受ける
2010年7月28日、関東財務局の調査によりメイヤー・アセット・マネジメント社(東京/港区)について当該金融商品取引業者に係る法令違反の事実が認められたとして、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき行政処分を行うよう勧告。
これを受けて、同年8月5日に金融庁が同社に対し、行政処分を行いました。
以降、日本国内でのビジネスは立ち行かなくなり、タイに新会社(メイヤー・インターナショナル)を設立したと憶測されています。
メイヤーは信頼できる会社なのか
過去に行政処分を受けたこともあり、メイヤーに対し疑いの目を向ける方も多いかと思います。
メイヤー・インターナショナルの公式HPには、財務状況や格付機関からの評価が掲載されていないため、CEOであるリチャード氏の活動の歩みやネット上の投資家の見解、関連会社の情報などから、信頼性を計っていきます。
リチャード氏の活動の歩み
「日本の中上流層の資産運用を手助けするため」
リチャード氏が日本国内でメイヤー・アセット・マネジメント社を設立させたきっかけは、日本で金融の専門家が少ないということへの驚き、そして「日本の中上流層の資産運用を手助けするため」だったそうです。
ファイナンスコンサルティングをする中で、海外資産を利用した投資を届けることを目的に起業しています。日本国内では、海外の金融商品の紹介は禁じられているため行政処分を受けることとなりましたが、その姿勢は、評価できるものではないでしょうか。
White Sands Beach(ホワイト・サンズ・ビーチ)の刑事事件訴訟
また、タイでWhite Sands Beach(ホワイト・サンズ・ビーチ)というランドバンキング投資会社が刑事事件訴訟を起こした件で、リチャード氏及びメイヤー社が自身の顧客である投資家にホワイト・サンズ・ビーチ社を紹介したと言われています。
この件について、被害者となった投資家グループのHPを見ると、「リチャード氏はむしろ投資家を助けるような具体的行動に出ている」とありました。
意図せず加害者側に加担してしまい、自身の責任で投資家を守ろうとしていたのではないでしょうか。だとすれば、少なくともリチャード氏自身は真っ当な投資アドバイザーであったと言えます。
親会社Asia Wealth Group Holdings(アジア・ウェルス・グループ・ホールディングス)について
バンコク籍のメイヤー・インターナショナルは、イギリス領ヴァージン諸島籍のAsia Wealth Group Holdings(アジア・ウェルス・グループ・ホールディングス/以下アジア・ウェルス)の100%子会社です。アジア・ウェルスは英領バージン諸島およびタイの富裕層の個人および法人に資産管理アドバイザリー サービスを提供しています。
Aquis証券取引所に上場
アジア・ウェルス社はイギリスのAquis証券取引所に上場しているため、Aquisのオンラインプラットフォームからその実績や会計報告を誰でも閲覧することが出来ます。
Bloombergに掲載
市場動向を把握し投資判断を行うための世界的な情報媒体であるBloombergにアジア・ウェルス社のプロフィールが掲載されています。

Bloombergはアジア・ウェルスについて、投資及び経済分野について情報収集する人が知るべき企業であり、その価値があると評価していると考えられます。
メイヤーの取扱商品
メイヤーの公式HPでは具体的な商品名については言及されていませんが、下記のブログでも紹介されている通り、モーリシャス共和国籍のProvidence Lifeの積立商品である「Compass」を取り扱っているのはメイヤーのみです。
これ以外にも、Compssという積立商品を提供しているモーリシャス共和国のProvidence Lifeという会社もあるが、扱いは今のところタイのメイヤーのみと思われる。
https://ameblo.jp/saruahi/entry-12654365367.html

他にはRL360°の積立商品も扱っているようです。

プライベートバンキングやヘッジファンドの取り扱いもあるようですが、具体的商品名は明記されていません。詳しくはINVEEKのIFA紹介ページからご確認ください。
メイヤーの口コミ、評判
メイヤーについては、2010年のメイヤー・アセットマネージメントへの行政処分に関する口コミがほとんどでしたが、運営をタイのメイヤー・インターナショナルへ移籍する際の事務的やりとり等について、紹介されている投資家のブログがありました。
同ブログによれば、
- 移籍に関するお知らせという重要な通知のメールが送られてこなかった(メイヤーの言い分では現在使用されていないメールアドレス宛に送付した)
- メイヤー社を通じて購入した海外ファンドを解約するとき、メイヤー社を通じて手続きをすると 500 米ドルの手数料がかかる
ということでした。
但し、2010年頃の情報になりますので、現在と運営体制が異なる可能性があります。
まとめ
メイヤーは日本人が日本語で問い合わせることが可能なIFAとして、検討余地のある候補の1つです。しかし、メイヤーの取扱商品や資本金、総預かり金といった情報が公式には公開されていないため、今一つ信用に欠けるように感じます。
メイヤーの親会社であるアジア・ウェルスについては、上場しているAquis証券取引所から会計報告を閲覧することができるので、アジア・ウェルスの動向も参考にしながら、今後も注視していくことをお勧めします。


