長期投資を選ぶ4つのメリット!適した資産運用と成功させるポイントを解説

長期投資にはさまざまなメリットがあり安定した資産形成に向いています

資産形成を始めるなら長期投資が適しているといわれます。しかし、なぜ長期投資が良いのか、具体的なメリットを知りたい方も多いのではないでしょうか。

長期投資は短期投資とは異なり、日々の値動きを追わなくて済むことから忙しい方も実践しやすく、成果が安定しやすい点が魅力です。自分に合った運用商品を選び、長期目線で戦略を立てれば、手間をかけることなく結果を出せるでしょう。

本記事では、本業が忙しく投資経験がない方も成果を出しやすい、長期投資のメリットと適した資産運用の方法を紹介します。記事を読み、デメリットを含めて理解することで、資産形成の理想的な手段である長期投資を成功させるための方法がわかるようになります。

目次

長期投資の定義

長期投資の長期とは、具体的にどれくらいの期間を指すのか明確にしておきたいところです。また、長期投資とは異なる投資方法には、短期投資・中期投資があります。

単純な期間の違いだけでなく、投資に対する戦略も異なります。長期投資とはなにか、基本となる定義を確認していきましょう。

短期投資・中期投資との違い

長期投資と、短期投資・中期投資との戦略の違いは以下のとおりです。

  • 長期投資:企業の成長など長期的な価値の源泉に注目して安定した利益を狙う
  • 中期投資:投資対象に対して資産価値の変化が形になるまで待つ
  • 短期投資:短期間で何度も売買をくり返して利益を積み重ねる

長期投資は、企業成長や経済拡大など、長期にわたって価値を生み出す力に注目する投資方法です。市場の一時的な下落に対して反応することなく、年単位の資産価値の上昇と、配当や分配金などのインカムゲインを安定的に獲得して利益を狙います。

中期投資は、数カ月、長い場合は数年以上を前提に保有する投資方法です。一時的な業績回復や新商品のリリースによる価格の上昇に期待して、資産価値の変化が形になるまで待つ戦略を取ります。目論見どおり、投資対象の価格が大きく上昇すれば、一回の取引で大幅な利益を期待できます。

短期投資は、短ければ数秒、長くても数週間の値動きを狙って売買をくり返す投資方法です。わずかな値幅で利益を得るため、1回の売買で期待できる利益は少ないですが、回数をこなすことで利益を積み重ねます。値動きがあることが重要であり、投資対象の将来性には必ずしもこだわりません。

上記のとおり、それぞれの投資方法の違いは単純な期間だけではありません。投資期間が異なれば、適した戦略も異なります。

一般的な期間の目安

実は、「何年以上が長期投資」という厳密な定義はありません。人によっては、5年程度であっても長期投資と呼ぶことがあります。

ただし、長期投資は長く保有するほど成果を期待しやすいたため、理想は数十年以上です。そのため、安定したリターンを目指すなら10年以上が目安になります。中期投資の投資期間の目安が数カ月~数年以上と考えれば、長期投資の投資期間はそれ以上の年月が求められるでしょう。

投資方法一般的な投資期間の目安
長期投資10年以上
中期投資数カ月~数年
短期投資数秒~数週間

長期投資を選ぶメリット

長期投資を選ぶメリットを4つ紹介します。

  • 複利効果が期待できる
  • 日々の値動きを気にしなくて済む
  • 積立投資と組み合わせると成果が安定する
  • NISA・iDeCoなどの節税制度と相性がいいリスト

それぞれ詳しく見ていきましょう。

複利効果が期待できる

複利とは、得た利益を再び投資に回すことで、利益が利益を生む仕組みです。一方で、得た利益を投資に回さず、そのまま受け取る場合は単利になります。

例えば、年間5%の利回りが期待できる投資先に200万円を30年間投資したと仮定しましょう。単利で利益を得た場合は、毎月10万円の利益が受け取れる計算になります。以下の表に複利効果を適用した投資成果をまとめました。

運用成果利益単利との利益の差
1年目210万2,324円10万2,324円2,324円
3年目232万2,944円32万2,944円2万2,944円
5年目256万6,717円56万6,717円6万6,717円
7年目283万6,072円83万6,072円13万6,072円
10年目329万4,019円129万4,019円29万4,019円
15年目422万7,408円222万7,408円72万7,408円
20年目542万5,281円342万5,281円142万5,281円
25年目696万2,581円496万2,581円246万2,581円
30年目893万5,489円693万5,489円393万5,489円

200万円を30年間運用したことで、額面は893万5,489円に増えて、利益は693万5,489円まで増加しました。単利での累計利益は300万円になりますが、複利で運用すれば393万5,489円の差が付きます。

上記のとおり、単利との利益の差が雪だるま式に増加することが複利効果の魅力です。複利は投資期間が長いほど効果が高くなります。長期投資では投資期間が長いほど有利になるのは、複利効果で運用効率を高められるからです。

日々の値動きを気にしなくて済む

短期投資はスタイルによっては、1分1秒の値動きを追う必要があるため、常に相場を監視しなくてはなりません。しかし、長期投資は日々の値動きに左右されることなく、保有を続けられることが魅力です。本業が忙しい方も、値動きを気にすることなく、保有を続けられます

長期投資は、ほかの投資方法と比較して手間がかかりにくいです。投資にできる限り時間を割くことなく、成果を出したい方に向いている投資方法です。

積立投資と組み合わせると成果が安定する

長期投資と組み合わせて利用したい投資方法には積立投資があります。一括投資は、高値掴みをしてしまうリスクがあり、まとまった投資資金がなければ実践できません。積立投資は、同じ金額を定期的に買い付けることによって、取得単価が平均化されて価格変動リスクを抑えられます

価格変動する投資商品に対して有効な投資手法としてドルコスト平均法と名付けられています。長期投資と組み合わせれば、成果が安定しやすくなるでしょう。少額から始められるため、十分な投資資金がない方が実践しやすいこともメリットです。

NISA・iDeCoなどの節税制度と相性がいい

NISA・iDeCoは個人投資家の長期的な資産形成を応援する制度であり、共通して投資の利益にかかる税金が非課税になります。NISA・iDeCoのそれぞれの特徴は以下のとおりです。

  • NISA:投資益(売却益・配当)の非課税にして資産形成を後押しする投資優遇制度
  • iDeCo:掛金を自分で運用して老後資金を作る税優遇が受けられる私的年金制度リスト

NISAには長期投資を前提に積立をおこなう、つみたて投資枠があります。iDeCoは60歳以降に受給できる老後資金を作る目的の節税制度です。短期投資での利用は難しく、どちらも長期投資に適した節税制度といえるでしょう。

長期投資では利益が大きくなるほど、売却したときに支払う税額も大きくなります。しかし、NISA・iDeCoなどの節税制度を利用すれば税負担を最小化できます。節税制度を利用しやすい投資戦略であることも長期投資のメリットです。

長期投資のデメリット

一方で、長期投資のデメリットは以下のとおりです。

  • 投資対象によっては保有にコストがかかる
  • 利益確定したくなる心理を抑える必要がある
  • 失敗すると資金と時間の両方を失う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

投資対象によっては保有にコストがかかる

投資対象によっては、保有しているだけで継続的にコストがかかるものがあります。代表的なのが、投資信託の信託報酬です。保有にコストがかかる投資対象は、長期的に保有するほど経費がかさみやすくなります。

よって、長期投資の投資対象を選ぶ場合は、ほかの類似する投資商品と比較してコストが低いものを選定したいところです。例えば、投資信託の信託報酬はわずか0.1%の差であっても、運用期間が長くなるほど最終的な利益が大きく変化します。

利益確定したくなる心理を抑える必要がある

投資商品の資産の評価額が上がってくると、「利益が出ている今のうちに売ってしまいたい」という気持ちが芽生えるのは自然なことです。これは、「得た利益を失いたくない」という人間の心理が働くためです。

しかし、その誘惑に負けてすぐに売却してしまっては、長期投資の魅力である「時間をかけた複利効果」を得ることができません。長期投資を成功させるための障壁には、利益確定の心理を抑えることも含まれるでしょう。

長期投資では、日々の値動きを確認する必要がないことがメリットと紹介しました。しかし、反対に日々の値動きを見ることが、利益確定したくなる心理を呼び起こす原因になることも。そのため、長期投資では頻繁に値動きを確認しないことが推奨されます

失敗すると資金と時間の両方を失う

長期投資は、最大で数十年単位で資金が拘束されます。投資先を間違えるなどして失敗をすると、資金の損失だけでなく時間の損失も大きくなります。失われた時間によっては、挽回する時間が残されていないことも。失敗した場合の損害は短期投資よりも深刻になる場合があります。

だからこそ、長期投資では投資対象の選定が重要です。特に長期的に価値を生み出す力のない投資対象に投資してしまうと、長期投資に失敗するリスクが高まります

長期投資に適した資産運用の方法

長期投資では時間を味方につけて資産を増やすだけでなく、分散投資によってリスクを抑えることも重要です。そのためには、長期投資に適した資産運用の方法を知る必要があります。代表的な方法を以下にまとめました。

  • 投資信託
  • 不動産投資
  • 生命保険
  • 海外積立投資(オフショア投資)
  • オルタナティブ投資(アンティークコイン・ウイスキーカスク)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

投資信託

投資信託は、多くの投資家が拠出した資金をファンドマネージャーが株式や債券など複数の資産に振り分けて、リスクを分散しながら運用する投資商品です。一つの投資信託に投資すれば、複数の投資対象に投資できるため、個別銘柄を選定する手間も省けます。

運用で得られるリターンは、定期的に受け取る分配金のほか、解約・売却時の値上がり益があります。複利効果を生かすなら分配金は受け取らず、再投資するようにしましょう

ドルコスト平均法で定期的に買い付けることで、取得単価が平均化できるため、長期投資と相性のいい投資方法として知られています。100円から少額投資ができるため、資金に余裕がない方でも始めやすいでしょう。NISA・iDeCoなどの節税制度の対象になっているため、制度を利用すれば非課税で運用できる点も魅力です。

不動産投資

不動産投資では、賃貸物件を取得して家賃収入や将来の売却益を得られます。入居者の募集や契約管理、設備メンテナンスなどの日常業務は管理会社に任せられるため、運用が開始されれば手間はかかりません。

融資を受けることで、自己資金だけでは手が届かない高額物件にも投資できます。本業が忙しい方も毎月安定した給与があれば、融資審査をクリアしやすいでしょう。融資を受ければレバレッジ効果により、利回りを高められる点も魅力です。

不動産は家賃収入による安定したキャッシュフローを得られるだけでなく、インフレ局面では地価が上がりやすいため、インフレ対策の資産にもなります

生命保険

貯蓄型の生命保険は、保障機能と長期積立の機能を有しています。ほかの資産運用との違いは、万が一の際には保障機能により保険金が受け取れることです。

掛け捨て型保険と比較すると保険料は高額になりますが、満期時には運用利率による利息付きの保険金が支払われる仕組みです。支払った保険料以上の保険金が返戻されることから、資産運用にも利用できます。

解約時期が早いと元本割れする可能性もありますが、保険会社が一定の利率で運用するため元本割れリスクは低いです。長期的に保障を受けられ、保険料を積み立てられる性質から長期投資との相性は抜群です。

海外積立投資(オフショア投資)

海外積立投資(オフショア投資)は、海外の大手保険会社や信託会社が提供する口座を開設し、定期的に積立をおこなう投資手法です。

日本国内では金融庁に登録された商品のみが販売可能であるため、国内市場で扱われない多様な海外の優良な投資商品への投資が制限されています。しかし、海外積立投資では日本国内では投資できない投資対象にも投資が可能です。

投資信託と同様に毎月定額で長期的に積み立てて投資できることから、長期投資に適した投資方法です。IFA(独立系金融アドバイザー)経由で契約すれば、プロの助言に基づき複数の商品へ自動的に分散投資を実現できるため、投資初心者でも効果的なリターンを狙いやすくなるでしょう

オルタナティブ投資(アンティークコイン・ウイスキーカスク)

オルタナティブ投資とは、株式や債券など伝統的な資産とは異なる投資を指します。代表的な例として、希少性と歴史的価値で価格が形成されるアンティークコイン投資、蒸留所の樽に詰められたウイスキーを保有し熟成による価値上昇を狙うウイスキーカスク投資が挙げられます

アンティークコインは発行枚数が年月とともに減少し、世界中のコレクター市場で取引されるため長期的に価格が上昇しやすい資産です。ウイスキーカスク投資は、樽内のウイスキーが熟成年数を重ねるほど価値を増し、希少性が高まります。

実物資産であることからインフレに強く、株式・債券などの伝統的な資産とは値動きの相関関係が低いことが特徴です。伝統的な資産とあわせて長期的に保有することでリスクを分散しやすいでしょう。

長期投資を成功させるポイント

長期投資の成功率を高めるためには、押さえておきたい3つの重要なポイントがあります。

  • 複数のアセットを組み合わせる適切な分散投資
  • 投資タイミングを分散させるように工夫する
  • ライフプランにあわせて出口戦略を計画

それぞれ詳しく見ていきましょう。

複数のアセットを組み合わせる適切な分散投資

長期投資が失敗する原因の多くは、投資対象の選定ミスです。失敗のリスクを減らすには適切な分散投資をおこなう必要があります。ただし、長期投資における分散投資とは、国内株式で複数の銘柄に分散して投資する狭い意味での分散投資ではありません。

株式を投資対象にする投資信託のみへの投資は、ポートフォリオが株式のみになるため、リスクの高い資産配分になります。株式・不動産・生命保険・オルタナティブ投資など、複数のアセットを組み合わせてポートフォリオを構築することが適切な分散投資です。

また、国内だけでなく、海外の投資対象にも投資するように地域分散も心がけましょう。複数のアセットに分散投資すれば、より長期投資の成果が安定しやすくなります。

投資タイミングを分散させるように工夫する

長期投資において資金を一度に投じる一括投資は、高値掴みのリスクがあることから、運用成果が不安定になる原因になります。毎月・毎週など、一定期間ごとに定額で分散投資し、購入単価を平均化することで高値掴みのリスクを減らせます。

長期投資では投資タイミングを含めて、できる限り安定した手法を選ぶことで、成功する確率を高められるでしょう。同じ金額を定期的に買い付けるドルコスト平均法は、投資タイミングの分散に効果的であり、投資初心者も実践しやすいことが魅力です。

ライフプランにあわせて出口戦略を計画

長期投資のゴールは、売却して目標資金を確保することです。そのため、ライフプランにあわせた出口戦略を考える必要があります。出口戦略がなければ、どのタイミングで資産を売却すればいいのかわからなくなります。

長期投資における出口戦略は、住宅購入・教育資金などのライフプランにおいて、資金が必要な時期に必要額を取り崩すことが考えられます。また、定年・FIREを理由にリタイアする場合は、購入時と同様に極端に低い価格で売却しないように、計画的にタイミングを分散した売却を検討する必要があるでしょう。

長期投資はできる限り長く続けることが理想ではあります。しかし、運用が長期化するほど出口戦略の計画が難しくなるでしょう。投資を始める段階で目的を明確化して、適切な売却タイミングと方法を決めておきましょう

まとめ

長期投資は、短期的な値動きに振り回されず時間を味方にできる資産形成の手法です。ドルコスト平均法による積立投資と組み合わせれば、少額からでも安定的に資産を増やせます。

ただし、長期投資は成果を出すために時間をかけることから、失敗のリスクがほかの投資方法と比べて高いことがデメリットです。投資対象は慎重に選定しつつ、複数のアセットに分散投資してリスクを減らしましょう。

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