投資商品として聞いたことのある「投資信託(投信)」という言葉。
なんとなく「初心者でも簡単にはじめられる」イメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ始めるとなると「いくらくらいのお金が必要になるんだろう」と心配になりますよね。
ここでは投資信託を始めるにあたって必要になる費用についてご説明していきます!
加えて、投資信託を始めるにあたって考えるべきポイントを3つのステップとしてご紹介するので、そちらも確認していただくことで「いくらで購入するべきか」のイメージをより明確にしていただければと思います。
投資信託(投信)を始めるための3ステップ
投資信託を含め、投資をはじめるにあたって考えるべきポイントが3つあります。
それが「目的」「目標金額」「期間」です。
この3つを設定することで投資を行う意味を確認でき、モチベーションを維持することが可能です。
また、目標に必要な資金を再確認することで、いくらくらいのお金を投資するべきなのかを判断することが可能になります。
それぞれの項目について簡単に説明していきます。
①目的を決める:「何のため」
投資をはじめるにあたって「目的(何のため)」を考えることは一番大切です。
「あなたの投資の目的は何ですか?」と聞かれたら答えられますか?
意外に答えられない方は多く、「お金を増やしたいから」と答える方も多いでしょう。
投資は目的ではなく手段です。
今からでも遅くないので投資を行う目的をもう一度設定するべきです。
この目的が明確に決まることで「目標金額」「期間」がおのずと決まってきます。
例えば、老後のための資金であれば「2,500万円(年収の5倍程度)」を「定年まで」と決まり、投資信託の購入方法でも確定拠出年金を選ぶことができます。
②目標金額を決める:「いくら」
投資を行う目的が決まれば、目的を達成するためにいくら必要なのかを考えましょう。
マイホーム購入や世界一周旅行であれば、具体的に費用を調べることができるでしょう。
子供の教育費や老後の資金であれば、目安となる費用を調べ、余裕を持って用意する必要がありそうです。
この費用をより明瞭に調べることが目標達成の再現性とモチベーションにつながりますので、時間をかけても行うべきです。
③期間を決める:「いつまで」
投資を行う目的と目標金額が決まれば、いつまでに目標金額がが必要なのかを考えましょう。
定期預金などのリターンが小さいものであれば、投資によってどれくらいの資金になるのかわかりますが、リターンが明確でないものであれば、早めの期間を設定することで目標金額の調整を行えるようにするべきでしょう。
また、投資にどれくらいのお金を費やすことができるのかを判断し、許容できる範囲内のリスクで投資期間を設定する必要があります。
投資信託であれば投資方針や投資対象別でたくさんの種類があり、その商品の数は6,000以上あるといわれています。
そこから毎月どれくらい積立すればいいのか、元本に対してどれくらいリターンが欲しい(リスクをとれる)のかを決めることができます。
投資信託(投信)はいくらから始められる?
3つのステップを通して、どれくらいのリターンで毎月どれくらい積立すればいいのかが明確になったと思います。
しかし、目標達成のための投資対象は投資信託だけではありません。
株式、債券、不動産や、海外の投資対象もあります。
では、投資信託はいくらからはじめることができるのでしょうか。
投資信託を始めるための資金として「投資信託の費用」「購入の手数料」の2つが必要です。
特に投資信託の手数料に関しては購入時だけでなく、運用時・解約時にも必要となってくるものもあり、始める前の必須知識となるので合わせてご紹介します。
投資信託の費用はいくらから?
投資信託の費用は1万円から
投資信託は、少額の資金から運用を始められるメリットを持つ投資商品です。
販売会社(金融機関)や条件によって申込金の最低金額は異なりますが、1万円程度あれば投資信託は始めることができます。
一番少額なのはネット証券で、100円から投資信託を始めることができます。
また購入方法が一括の場合と積立の場合で金額が異なり、一般的には積立の方がより少額という特徴があります。
実際に始める際には口座開設の段階で販売会社(金融機関)の基準を調べる必要があるでしょう。
【投資信託の費用の目安】
金融機関 | 一括の場合 | 積立の場合 | |
メガバンク | 三菱東京UFJ銀行 | 1万円以上 | 毎月1万円以上 |
みずほ銀行 | 1万円以上 | 毎月1,000円以上 | |
三井住友銀行 | 1万円以上 | 毎月1万円以上 | |
大手証券 | 野村證券 | 投資信託により異なる | 毎月1,000円以上 |
大和証券 | 投資信託により異なる | 毎月1,000円以上 | |
SMBC日興証券 | 投資信託により異なる | 毎月1,000円以上 | |
ネット証券 | SBI証券 | 100円以上 | 毎月100円以上 |
楽天証券 | 100円以上 | 毎月100円以上 | |
マネックス証券 | 100円以上 | 毎月100円以上 |
※上記のデータは、あくまで2018年2月時点の目安です。
株式投資の費用との比較
「1万円って少額なの?」という方もいると思うので、株式投資の初期資金と比較します。
株式投資は1株あたり100円〜5,000円程度ですが、1株では購入はできず100株や1,000株を1単元として購入します。
そのため、1株1,000円で1単元100株の銘柄なら10万円(1,000円×100株)の初期資金(元手)が必要になります。
投資信託の手数料はいくらから?
投資信託は、基本的に3つの手数料がかかります。
日本の投資信託市場は世界的にみると、総合的に環境が悪いとされており、世界25カ国中で下から2番目という結果となっています。
特に「料金・費用」の項目で評価が悪いため、手数料については注意が必要です。
投資信託を購入するのに必要な手数料である「販売買付手数料」は、無料のものがあるので必見です。
【世界25カ国の投資信託市場の総合評価】
評価 | 国名 | |||||
A | 韓国 | アメリカ | ||||
A- | オランダ | 台湾 | ||||
B+ | 英国 | |||||
B | スウェーデン | |||||
B- | オーストラリア | スイス | デンマーク | フィンランド | ノルウェー | |
C+ | ニュージーランド | カナダ | ドイツ | インド | タイ | |
C | シンガポール | ベルギー | フランス | 南アフリカ | スペイン | 香港 |
C- | イタリア | 日本 | ||||
D+ | 中国 |
※出所「Global Fund Investor Experience Study」
【日本の投資信託市場の項目別評価】
項目 | 評価 |
---|---|
課税法規制 | B |
情報開示 | C |
料金・経費 | D+ |
販売手段 | B- |
総合評価 | C- |
※出所「Global Fund Investor Experience Study」
販売買付手数料
「販売買付手数料」は、投資信託を購入する際に必要となる手数料のことです。
支払うタイミングは購入時の1回のみで、「投資家に商品の説明をすることへの対価」として購入価格の1〜3%を支払います。
実際に始める際には販売買付手数料をケチらず、長期的な目線で総合的なコストを考えることが大切です。
信託報酬・監査報酬(管理手数料)
「信託報酬・監査報酬」は、投資信託の運用にかかる管理手数料のことです。
信託報酬・監査報酬の支払うタイミングは投資信託を保有している限りずっと発生し、純資産総額に対して年0.5〜3%を支払います。
信託報酬・監査報酬は自動的に毎日天引きされるため、手数料を払っているという意識が薄くなりがちな点に注意が必要です。
信託財産保留額(解約手数料)
「信託財産保留額」は、投資信託を解約(売却)する際にかかる費用のことです。
支払うタイミングは解約時の1回のみで、解約価格の0.1〜0.5%を支払います。
一般的には「投資信託を一定期間保有すること」を条件に無料になっている場合が多いです。
手数料 | 相場 | 選ぶべき目安 |
販売買付手数料 | 購入価格の1〜3% | 無料〜1% |
信託報酬・監査報酬 | 純資産総額に対して月0.5〜3% | 0.5〜1.5% |
信託財産保留額 | 解約価格の0.1〜3% | 無料〜0.1% |
投資信託の始めるのはいくらから?
投資信託の始めるにあたって、費用に関しては1万円程度あれば購入でき、その購入時の手数料としては購入価格の1〜3%のものが相場でした。
そのため、始めるにあたって必要な費用は「1万円 + 100〜300円(1万円の1〜3%)」となり、始める際の資金面の敷居は低いといえるでしょう。
まとめ
今回は投資信託はいくらから始めることができるのかについて、投資信託の費用と購入時の手数料に分けてご紹介しました。
投資信託は1万円程度という少額から始めることができるというメリットを持つ投資商品であることがご理解いただけたと思います。
しかし、投資信託のメリットは少額から始められること以外にも存在します。
詳しくはこちらをご覧下さい。