初めて資産運用をおこなうにあたって知識がない状態であれば、プロに任せたいと考える方も多いでしょう。資産運用をプロに任せれば、初心者にありがちな失敗を防ぎつつ、安定した成果を期待できるようになります。
本記事では、資産運用をプロに任せる理由と、任せやすいおすすめの資産運用を紹介します。具体的に任せるプロの種類や注意点も解説。記事を読むことで、資産運用をプロに任せる前に知っておきたいことがわかるようになります。
資産運用をプロに任せる理由

資産運用をプロに任せる主な理由は以下のとおりです。
- 感情に左右されない投資ができる
- 時間と手間を節約できる
- 安定した成果を期待できる
- 幅広い投資先に投資できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
感情に左右されない投資ができる
初心者が資産運用をプロに任せる最大のメリットは、感情に左右されない投資ができることです。投資に失敗する原因の多くは、売却のタイミングを見極められないことにあります。
感情に流されると「まだ上がるかもしれない」と考えて売り時を逃すかもしれません。反対に下落による含み損が増加すると恐怖から損失を確定してしまうことも。投資初心者は感情に左右されて適切な売買ができないことが多いです。
プロに相談して任せる場合でも、売買のタイミングを正確に当てられるとは限りません。しかし、プロは過去の経験やデータをもとにリスク管理をおこなうため、どのような状況にも対応できるように銘柄選びや投資手法を工夫します。よって、短期的な相場の変動に対して感情に振り回された売買をおこなうことはありません。
資産運用をプロに相談すれば、投資初心者が陥りやすい感情に左右される売買を防止できます。下落局面でも不安になることなく投資を続けられるでしょう。
時間と手間を節約できる
資産運用をプロに任せれば、自分で一からはじめるよりも時間と手間を節約できます。投資には勉強が必要であり、知識がまったくない状態であれば、適切な投資を実践できるようになるためには、長い時間と大きな労力を必要とします。経済に興味があるなら苦にはならないかもしれませんが、忙しい社会人や家庭を持つ人は大きな負担になります。
しかし、プロに相談すれば専門知識がなくても正しい投資方法がわかります。プロに運用を任せられる投資方法を選べば、自分で運用する手間がなくなるため、投資をはじめるために必要な時間と手間を大きく節約できるでしょう。
安定した成果を期待できる
もう一つの利点は、安定した成果を期待しやすいことです。投資はリスクとリターンのバランスが重要であり、莫大な利益を狙える投資には大きな損失を被る危険性があります。プロに任せる資産運用は、リスクをできる限り最小限にして、安定した成果を積み重ねることを期待できます。
リスクを抑えるうえで重要なことは分散投資です。複数の資産に分散して、一部の資産が値下がりしてもほかの資産で補えるようにしています。
プロは全体のバランスを適切に管理して、長期的に安定したリターンを獲得できるように投資します。長期の資産運用では安定した成果の追求が重要になるため、最適化できるプロに任せる判断は合理的です。
幅広い投資先に投資できる
初心者でなくても、資産運用をプロに相談するメリットはあります。自身の知識の外にある投資対象を含めて、幅広い投資先にアクセスできることです。株式、債券、投資信託など証券会社で一般的に公開されている投資商品であれば、個人でも自由に購入できるでしょう。
しかし、世界中にはもっと多様で専門的な投資先が存在しています。情報や人脈を持つプロに相談して初めて知る投資方法もあれば、実際に紹介してもらえることもあります。
代表的な例は、富裕層向けの投資信託で一般の証券会社や銀行窓口では投資が難しいヘッジファンドです。ヘッジファンドはあらゆる相場を想定して、独自に多彩な手法を用いてリターンを狙います。一般的な投資信託と比較して高い収益が期待できるでしょう。
また、世界的にコレクター需要の高いクラシックカーをファンド化して投資できるクラシックカーファンドなど、ユニークな投資先を紹介してもらえるかもしれません。資産運用をプロに相談すれば、自分の知識の外にある投資方法を知り、個人では投資が難しい投資先を紹介してもらえます。
プロに任せられるおすすめの資産運用

プロに任せられるおすすめの資産運用を紹介します。
- 投資信託
- 不動産投資
- 貯蓄型保険
- ヘッジファンド
- 海外積立投資(オフショア投資)
- オルタナティブ投資(金・ウイスキーカスクの管理)
それぞれ詳しく解説します。
投資信託
投資信託は、資産運用のプロであるファンドマネージャーが投資家から集めた資金をまとめて管理して運用をおこなう投資方法です。株式、債券、不動産など多様な資産に分散投資できます。
投資家は実際に運用に関わることなく、投資額に応じて成果の分配のみを受けられます。個人投資家が自力で同様の投資をおこなおうとすれば、リスク分散に対する高度な知識だけでなく、多額の資金が必要です。投資信託は運用をプロに委託したうえで、少額で投資できるため、忙しい人から初心者にも向いています。
プロに任せる手数料として信託報酬がかかりますが、運用を任せられるメリットが大きいことから、できる限り手数料が安く成果が期待できる投資信託への投資がおすすめです。
不動産投資
不動産投資は物件を購入して賃貸に出す際の収益化を考えるにあたって、管理・運用を不動産のプロである管理会社に委託できます。個人で不動産投資をおこなう場合は、入居者募集から家賃の回収、建物の修繕・管理などの多くの業務が必要であるため、大きな労力がかかるでしょう。
管理会社は、こうした業務を代行してくれます。そのため、不動産投資は管理会社へ委託しておこなう形が一般的です。ノウハウのない初心者が管理するよりも幅広い知識がある管理会社が管理するほうが効率はいいでしょう。不動産投資は難しい業務が多いですが、プロに任せれば初心者も実践可能です。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は、毎月の保険料を支払い続けることで、万が一の保障を受けながら満期時や解約時に返戻金を受け取れる仕組みです。支払った保険料は積み立てられて運用に回します。満期時の返戻金は元本が返還されるだけでなく、積み立てられた保険料の額面に応じて一定の割合で上乗せされます。
プロである保険会社にお金を預けることで、保障と貯蓄を両立しながら手堅い資産運用ができます。プロに任せる資産運用のなかではリスクが低いため、実践しやすい方法になるでしょう。
ヘッジファンド
ヘッジファンドの基本的な仕組みは投資信託と同様になりますが、証券会社や銀行窓口では投資できない高額な投資金額が求められる富裕層向けの投資商品です。一般的な投資信託では採用できない空売り・裁定取引などの多様な投資手法を駆使して、株価が下落する局面でもリターンを上げられる投資戦略を構築します。
市場の値動きにとらわれず利益を獲得できることから、一般的な投資信託よりも高い収益が期待できる商品です。ヘッジファンドの投資金額は数百万円~数千万円程度であり、投資のハードルは高いです。
個人では投資が難しいことからプロに相談して紹介を受ける工程が必要です。しかし、投資できればヘッジファンドの種類によっては大きなリターンが期待できるでしょう。
海外積立投資(オフショア投資)
ヘッジファンドと同様に日本ではプロの紹介が必要な投資方法には、海外積立投資(オフショア投資)があります。海外積立投資では資産運用の相談でIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を紹介してもらい、海外の証券会社などに口座を開設して積立投資をおこないます。
日本では投資できない魅力的な海外の投資先に投資可能です。また、商品の選定もプロであるIFAに任せられて、毎月決まった金額を積み立てるだけで実践できるため、初心者も投資しやすいでしょう。
海外積立投資は一般的な証券会社・銀行窓口から実践できる方法ではない点がハードルになります。しかし、資産運用のプロに相談して紹介してもらえば、初心者も投資できるでしょう。
オルタナティブ投資(金・ウイスキーカスクの管理)
オルタナティブ投資は、株式や債券などの伝統的な資産以外の投資のことです。現物の絵画やアンティークコインなどコレクション性の高い資産もオルタナティブ資産に含まれます。適切に管理しなければ資産価値を損なう可能性もあるため、投資対象に対する深い知識がない場合は、オルタナティブ資産も管理を委託したいところです。
オルタナティブ資産の管理を投資対象に対する知識のある人に任せられる仕組みがあり、代表的な資産は金(ゴールド)です。金は純金積立で投資すれば、現物を自宅などで管理する必要はなく、プロに管理を委託できます。
新しい投資方法では、ウイスキーを熟成させて長期的な価値の上昇を期待するウイスキーカスク投資があります。購入したウイスキーカスク(樽)は、管理会社が所有する倉庫で保管し管理する仕組みです。
オルタナティブ投資は資産運用のプロに相談すれば、自分の知識の外にある新しい投資方法を教えてもらえることも。ウイスキーカスク投資など、ユニークな投資方法を知りたい場合は、資産運用のプロに相談したいところです。
資産運用におけるプロの種類

資産運用のプロといってもさまざまな種類があります。相談・委託できる内容も異なるため、プロの種類を理解しておきたいところです。資産運用における主なプロの種類は以下のとおりです。
- 銀行・証券会社の従業員
- ファンドマネージャー(投資運用の担当者)
- IFA(インディペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー)
- FP(ファイナンシャル・プランナー)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
銀行・証券会社の従業員
銀行や証券会社の従業員は、資産運用を相談する際に身近にいるプロです。窓口に相談すれば、取り扱う金融商品の専門的な情報を提供してくれます。
ただし、会社に所属する営業担当者であるため、自社が扱う商品を優先的に提案する傾向があります。必ずしも顧客にとって最適な商品を提案するわけではなく、販売手数料が高い商品を紹介することも。販売側の論理と顧客の利益は必ずしも一致しないことを理解しておきましょう。
身近な存在であることから相談しやすいものの、顧客の資産運用を熱心にサポートしてくれるかどうかは担当者によって異なります。
ファンドマネージャー(投資運用の担当者)
ファンドマネージャーは、投資信託やヘッジファンドで投資先を選び、資産を運用するプロです。企業の財務状況や市場動向を分析し、リスクとリターンを比較したうえで最適なポートフォリオを構築します。
高度な情報収集と分析によって投資判断をおこなっています。基本的に個人が直接相談する相手ではありませんが、投資信託を通じて一般投資家の資産形成に直結する存在です。投資信託のなかでも日経平均株価やS&P500などの指数に連動するインデックスファンドの場合はファンドマネージャーの力量は多く問われません。
しかし、投資信託のなかでも指数を上回る成果を目指すアクティブファンドやヘッジファンドでは、ファンドマネージャーの実力が運用成果に直結します。ヘッジファンドを中心に一部の投資信託を選ぶ場合は、ファンドマネージャーの経歴や運用方針を確認しましょう。
IFA(インディペンデント・ファイナンシャル・アドバイザー)
IFAは独立系の金融アドバイザーであり、銀行や証券会社に所属せず、中立的な立場で顧客に資産運用のアドバイスが可能です。顧客本位の提案ができるため、顧客にあわせて幅広い投資対象を紹介できます。
海外積立投資(オフショア投資)では、IFAの選定した投資対象に分散投資する仕組みです。具体的な投資対象の紹介を中立の立場から顧客の利益を優先して提案してくれる資産運用のプロになります。
また、日本のIFAは海外IFAとは異なる立ち位置となり、運用指示をしません。あくまで、証券会社の代理店になり売買手続きの代理業務をするため、海外IFAのように純粋な運用代行をおこなってはいません。
FP(ファイナンシャル・プランナー)
FP(ファイナンシャル・プランナー)は、資産運用だけでなく、人生全体のマネープランをサポートするプロです。家計管理を含めて総合的なお金の悩みを相談できる相談先になります。
独立系FPであれば中立の立場からアドバイスを受けられます。しかし、FPは必ずしも具体的な投資先を紹介する立場にありません。相談先によっては一般的な投資のアドバイスにとどまり、資産運用に特化した内容の相談ができない可能性があります。
資産運用だけでなく、総合的なお金に関する悩みを相談できる相談先を探している場合は、FPへの相談がおすすめです。
資産運用をプロに任せる方法

資産運用をプロに任せる方法は主に3つあります。
- 投資商品を購入して運用・管理を任せる
- 投資先の紹介と仲介をしてもらう
- ポートフォリオの構成まで決めてもらう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
投資商品を購入して運用・管理を任せる
もっともシンプルなのは、購入した投資商品の運用・管理を委託することです。商品を購入してから、その後の運用・管理を専門家に任せます。運用・管理には手数料がかかり、コストの大小でリターンに大きな影響を与えることも。
できる限りコストが安く、信頼できるプロに運用・管理を任せることが重要です。ただし、ファンドマネージャーなどの運用担当者と直接会って話を聞くことは難しいでしょう。知識がない状態で適切な投資商品を購入するには、ほかの資産運用のプロに頼る必要があります。
投資先の紹介と仲介をしてもらう
どこに投資するべきかわからない状態で適切な投資先を決めるためには、プロに投資先の紹介や仲介をしてもらうことが必要です。銀行・証券会社の従業員、IFAは専門的な説明をしたうえで投資先を紹介してもらえます。
また、一般的な銀行・証券会社で紹介できないヘッジファンド・海外積立投資などへの投資は、IFAを通じて仲介を受けることで可能になります。一般の投資家が自力でアクセスしづらい投資商品に投資するなら、IFAへの相談がおすすめです。
ポートフォリオの構成まで決めてもらう
ポートフォリオの構成を設計してもらうこともプロに資産運用を任せる方法の一つです。資産運用は複数の資産をどの割合で組み合わせるかによって、投資の成果は変わります。しかし、知識のない投資初心者が自力で設計することは難しいでしょう。
資産運用のプロにポートフォリオ構築を依頼すれば、投資目的やリスク許容度に応じた最適な配分を提案してくれます。銀行・証券会社の従業員、IFA、FPなど資産運用に関する知識を持ったプロであれば対応してもらいやすいです。
そのなかでも普段から相談している相談先に依頼すれば、顧客情報を一から精査しなくても問題がないため、最適なポートフォリオの提案を受けやすいでしょう。
資産運用をプロに任せる場合の注意点

資産運用をプロに任せる場合の注意点を4つまとめました。
- リスクに対する理解を深めておく
- 相談先によっては利益相反がある
- 契約内容を確認する
- すべてを他人任せにしない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リスクに対する理解を深めておく
資産運用をプロに任せた場合でも投資にリスクはともないます。専門家だから損をしないという認識は誤りです。よって、相談する前に投資家自身でリスクに対する理解を深めておきましょう。
個別の投資方法に対してどのようなリスクがあるのか把握することが重要です。投資信託はプロに任せる金融商品ですが、金融市場全体が下落すれば基準価額は下がり、損失が発生する場合もあります。リーマンショック・コロナショックなどの歴史的な暴落が発生した場合は、一時的であっても大きな含み損を抱えるケースもあるでしょう。リスクを理解していなければ「こんなはずではなかった」と後悔するかもしれません。
また、リスクを理解すれば資産運用をプロに相談する場合にも「損をしないことを重視したい」「多少のリスクを取ってでも資産を増やしたい」などの方針を伝えることで、適切な投資対象を紹介してもらいやすくなります。資産運用のリスクへの理解は、プロに任せるための前提条件になるでしょう。
相談先によっては利益相反がある
資産運用をプロに相談する場合は、利益相反が存在することを理解しておきましょう。例えば、銀行や証券会社の従業員は、自社が扱う金融商品を販売して手数料収入を得ています。本来は顧客にとって低コストで適した商品があっても、手数料が高い商品を優先的に提案するケースもあります。
銀行・証券会社は無料相談を実施している場合もあるため、気軽に相談しやすいです。しかし、実態はノルマ達成のための商品提案を優先しているケースもあります。独立した中立の立場から提案を受けるようにすると利益相反の提案を受けるリスクは減少するでしょう。
IFA・独立系FPは相談料がかかる場合がある一方で、中立の立場から顧客に適した提案を受けやすいメリットがあります。プロの提案を盲目的に信用するのではなく、利益相反の可能性を理解したうえで利用するようにしましょう。
契約内容を確認する
投資商品を購入して運用を任せる前に契約内容を必ず確認するようにしましょう。確認するべき重要な項目は手数料と解約条件です。手数料は高いほどリターンを削る要素になるため、投資商品の最終的な利益に直結するため、最優先で確認するべき内容になります。
解約条件は、いつでも解約できるのか、解約申請をしてから実際に解約するまでの期間を確認しましょう。途中解約にペナルティがある投資商品であることに気付かず、途中解約を前提に運用をすると資金が必要になったタイミングで問題が発生する場合があります。
すべてを他人任せにしない
資産運用をプロに任せること自体は有効な選択肢です。しかし、すべてを他人任せにはできません。なぜなら、最終的な責任を負うのは資産の所有者だからです。プロの提案を理解せず、そのまま受け入れると、裏にあるデメリット・リスクを理解せずに投資することになります。
プロが顧客に寄り添った提案をしていない場合は、見抜けずに失敗する可能性はあるでしょう。一方で、適切な提案をしていた場合でも内容を理解して納得していなければ、不安を抱えて投資することになります。
プロに任せる場合も最低限の理解は必要であり、主体的に自身の資産運用に関与する姿勢は欠かせません。最終的にはプロの知識を借りつつ、自身の判断軸を持てるようになることが理想です。
まとめ
資産運用はプロに任せることで、投資初心者の失敗を防ぎつつ、時間と手間を節約しながら安定した成果を狙うことが可能になります。プロに相談すれば個人ではアクセスが難しい資産を紹介してもらえるため、初心者に限らず新しい魅力的な投資先を知りたい方にもおすすめです。
当社では、資産運用の総合的なアドバイスをおこない、個人ではアクセスが難しい魅力的な投資先を紹介できます。プロに資産運用を適切に任せたい場合は当社にご相談ください。