「貯金はあるから資産運用をしてみたいけど元本保証で安全な方法がいい」と考えている人も多いのではないでしょうか。
預金に預けている資産の元本は保証されていますが、現在の金利では預金に預けているだけでは資産はまったく増えません。
リスクを取らずに少しでもお金を増やすことができれば将来の安泰にもつながっていきます。
この記事ではできる限りリスクを回避した安全な資産運用について詳しく解説していきます。
資産運用の元本保証と元本確保とは
資産運用の元本保証について詳しく説明するにあたって、資産運用の元本確保についても解説していきます。
まず始めに資産運用において、元本保証と元本確保は似ているようで大きく異なる意味を持ちます。
資産運用の元本保証は、最初に設定した運用期間が終わると、満期になった際に必ず投資した元本を返還することが約束されています。
一方、資産運用の元本確保は、基本的には満期時に投資した元本が返還されますが、債務不履行に陥った場合は正しく返還されない場合があります。
もちろん、支払える状態にあれば元本は必ず返還されますが、返還不可能となってしまった場合は元本割れをしてしまうケースがあるということです。
そして、完全な元本保証の資産運用は定期預金のみとなっています。
それ以外の元本保証と呼ばれることがある資産運用は、完全な元本保証ではないが非常にリスクの低い方法か元本確保型になります。
この記事では、元本保証と元本確保の違いを理解していただいたことを前提に、できる限り安全に運用ができる資産運用の方法について解説していきたいと思います。
資産運用①定期預金
定期預金は、完全な元本保証で資産運用ができる方法になります。
預金には他に普通預金と外貨預金がありますが、普通預金は金利が低く、外貨預金は金利が高いですが元本保証ではありません。
完全な元本保証で資産運用をするためには定期預金に預ける必要があります。
しかし、定期預金の金利はゆうちょ銀行で0.01%となっており、預けていてもほとんど資産は増えることはありません。
仮に100万円を預けたとしても、年間で100円の利益しか出ないことになります。
預金はあくまで資産を防衛する手段であって資産を増やす手段ではありません。
もし、資産運用をして資産を増やしていきたいと考えるのであれば、完全な元本保証ではありませんがリスクの低い資産運用を選ぶ必要があります。
資産運用②個人向け国債
債券は国や企業がお金を集めるために発行する借用書のことです。
債券には国債と社債がありますが、元本割れのリスクを考えると分けて解説する必要があるため、国債について解説していきます。
個人向け国債は、一口1万円で個人投資家も買いやすい金融商品です。
発行元が国であるため、国が債務不履行にならない限り必ず元本が返還されるため、非常にリスクが低いです。
個人向け国債の金利は財務省によると固定金利型で0.05%となっています。
定期預金のように100%元本保証というわけではありませんが、定期預金よりも金利が高く、国が発行元なので信用性が非常に高いことから、元本が返還されないリスクはほとんどないといっていいでしょう。
資産運用③社債
次に、債券の社債について解説していきます。
社債は国債と比較すると、企業が発行元なので国よりも信用性が低いですが、国債よりも基本的に金利が高い傾向にあるのが特徴です。
そのため、債券の中でも見込める利益は高いですが、元本割れするリスクが高い金融商品となっています。
また社債は金利が高ければ高いほど、発行元の会社がお金を貸してもらわなければ厳しい経営状況であることも多いので、債務不履行のリスクが高まります。
社債のリスクは発行元の企業の信用性に依存するため、信用性の高い社債を購入すればリスクの低い商品といえます。
また、債券投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
債券投資とは?利回りやリスクの関係とおすすめの債券投資について
資産運用④貯蓄型保険
意外かもしれませんが、安全な資産運用を考えるにあたって保険も資産運用の対象になります。
特に貯蓄型の保険は資産運用に適しており、無事に満期を迎えれば利益を得ることができます。
また、保険なので事故やトラブルが起きた際は保証してもらえるメリットもあります。
ただし、保険も元本確保型の資産運用なので、保険の運用会社が債務不履行に陥った場合は、満期時に元本が返還されない場合があります。
また、保険を中途解約してしまうと、解約返戻金の額が支払った保険料よりも少なくなる可能性があるので、結果的に元本割れしてしまう危険性もあります。
保険による資産運用は万が一の場合に保証してもらえるメリットが大きいので、保険で資産運用をする場合はそれぞれの保険の特徴を理解して検討する必要があります。
資産運用⑤海外積立投資
最後に、海外積立投資について紹介していきます。
海外積立投資は、海外に口座を開設し、IFAに委託して様々な海外の金融商品を購入し分散投資をする資産運用の方法です。
海外積立投資には、利回り確保のある型とない型があり、利回り確保のある型は実質元本確保型であるといえます。
ただし、途中解約をした場合は解約手数料を取られる場合が多く、手数料によって損をするケースもあります。
また海外の商品を購入するため、為替差損が発生するリスクもあります。
海外積立投資を検討したい場合は、一人ですべてのことを準備するのは難しいので、まずはセミナーなどにも参加して相談できる場所を探すところから始めることをおすすめします。
海外積立投資について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
今人気の海外積立投資(オフショア投資)について、メリット・デメリットと正しい始め方!
元本保証・元本確保の資産運用がおすすめの人
ここまで元本保証または元本保証ではないものの比較的安全である資産運用について紹介してきました。
元本保証または元本確保の資産運用がおすすめな人は以下の3つに当てはまる人になります。
- 資産運用に大きく時間を割きたくない人
- 長期的な保有ができる人
- 余裕資産を持っている人
資産運用に大きく時間を割きたくない人
株式投資では、1日中値動きを監視しながら売買をおこなうデイトレードという方法がありますが、聞いたことがある人もいると思います。
もちろん、デイトレードはハイリスクな投資方法ですが、値動きを監視し続ける必要があるので利益を出すために時間が大きく取られてしまいます。
株式投資のように売却タイミングが重要な投資はデイトレードをしない場合でも、ある程度値動きを確認する必要があるので、時間を割きたくない人には向いていない投資方法です。
しかし、元本保証または元本確保型の資産運用は、保有しているだけでも問題はなく自分で売買をする必要もありません。
発行元が債務不履行にならず、満期を待つことができれば何もしなくても利益を得ることができます。
今回紹介した資産運用はリスクをできる限り少なくしたい人にもおすすめですが、管理の手間がほとんどなく大きく時間を割かなくても利益が得られる点もおすすめの理由になります。
資産運用にかけられる時間のない人や、時間をかけたくない人に元本保証・元本確保型の資産運用はおすすめです。
長期的な保有ができる人
今回紹介した資産運用のもう一つの共通点としては、すべて長期投資向けの投資となっています。
資産運用は基本的に短期であれば短期であるほどリスクが高く、長期であれば長期であるほどリスクが低い傾向にあります。
そのため安全に運用できる資産運用の投資期間は、短いものでも5年以上、ほとんどの資産運用が10年から20年以上の期間投資をする必要があります。
また、途中解約をする場合は元本割れをしてしまう資産運用もあるため、長期保有をすることが前提といえるでしょう。
長期保有をするためにはしばらく使うことがないと思われる余裕資産を使って投資をすることで、お金が必要になったときに途中解約せざるを得なくなるリスクを避けることができます。
元本保証・元本確保の資産運用を始めるのであれば長期投資を前提に投資をしましょう。
余裕資産を持っている人
最後に、元本保証・元本確保型の資産運用がおすすめの人は眠っているお金が多い人になります。
仮に余裕資産が10万円ある人と1,000万円ある人が同じ資産運用で年率1%で運用したとすると、10万円の人の年間の利益は1,000円ですが、1,000万円の人の利益は10万円になります。
また、余裕資産が多ければお金に余裕があるので長期投資もしやすくなります。
つまり、元本保証・元本確保型の資産運用はお金に余裕があっても利用していないお金を貯金しているだけの人におすすめということです。
もし、しばらく利用する予定がないまとまった資産があるのなら、リスクの低い資産運用で運用することを検討してみましょう。
まとめ
元本保証の資産運用について理解していただけたでしょうか?
完全な元本保証の資産運用は定期預金しかありませんが、リスクの低い元本確保型の資産運用を利用することで安定した利益を得ることも可能です。
100%元本割れしないわけではありませんが、資産運用のリスクとリターンは比例の関係にあるため、重要なのはリスクとリターンのバランスを計ることにあります。
「リターンが欲しいので、リスクを許容する」「リスクを取りたくないので、リターンを減らす」といった考え方を身につけることができれば、自分に合った資産運用を見つけられるでしょう。