資産運用はいくらから始められるのかと聞くと、1000万円や100万円といったまとまったお金が必要であると答える人が多いかと思います。
もちろん、余裕資産があればあるほど投資できる金融商品の種類も広がり、リスクのない資産運用でも大きな利益が期待できるので理想としてはまとまったお金が必要です。
しかし、資産運用を始めるのであれば少額でも貯金がほとんどない人でも始めることができます。
いずれまとまった財産を築くためにも、代表的な3つの資産運用の最低投資額と、実際に資産運用を始める前に必要な知識について解説していきます。
資産運用はいくらから始められる?
まずは、資産運用はいくらから始められるのかという疑問に答えていきます。
結論からいえば、資産運用には定期預金も含まれるので1円からでも資産運用は始められます。
また、最近はスマホアプリで1円単位で投資がおこなえるものもあるので、やはり1円以上持っていれば誰でも始められるということになります。
資産運用や投資と聞くとお金持ちしかできないと考える人もいると思いますが、貯金がほとんどなくても資産運用は可能です。
投資家の中には、少額であれば少額であるほど利益が少ないのだから少額投資は意味がないという人もいます。
もちろん、大きな結果を出そうと考えれば、投資する額も大きくなくてはいけません。
しかし、投資について何も知らない人が資産を持っていたとしてもいきなり多額の資産を運用すれば大損する可能性もあります。
少額投資は得られる利益は少ないですが、投資とはどういうものなのか勉強する機会になり得ます。
得られる利益が少ないということは、同時に仮に損失が出たとしても立ち直れないほど大損をすることがないということです。
そのため、まずは最低投資金額から投資を始めるということは間違いではありません。
では、どの資産運用を始めるべきかについて考えていく必要があります。
次の項目では代表的な3つの資産運用の特徴と最低投資額について解説していきます。
3つの資産運用の必要最低投資額
この記事で紹介する代表的な資産運用はこちらの3つになります。
- 株式投資
- 債券投資
- 投資信託
株式投資
株式投資は企業がお金を集めるために株を発行し投資家がそれを購入する資産運用です。
資産運用の中でも最も知名度の高い投資であり、購入したときの株価よりも株価が高い状態で売却することで利益が得られるということは分かるかと思います。
株式投資の利益は売買による差益だけではなく、株主優待や配当金もあり、保有しているだけでも恩恵を得られるのも特徴です。
この株式の最低投資額ですが、株主として議決への参加や優待が貰える権利を得るためには、株価×100円が必要になります。
例えば、株価1,000円の株式であれば、1,000×100で10万円が最低投資額です。
株主になるためには株式の1単元である100株を購入する必要があるので、最低投資額は株価が高ければ高いほど高くなるのです。
しかし、株主の権利を得ることはむずかしいですが、さらに少額から株式投資をする方法もあります。
証券会社によっては単元未満株を取引できるので、1株から株を購入することが可能です。
株価1,000円の株式であれば1,000円から購入できることになるので、最低投資額が大きく減る取引といえるでしょう。
ただし、単元未満株を取引できる証券会社は限られているので、基本的には株価×100円が最低投資額で、単元未満株取引をしたい場合は取引する証券会社が単元未満株に対応しているかどうか確認する必要があるでしょう。
株式投資をいくらから始めるのがいいのかさらに詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
株式投資いくらから始められる?理想の初期投資額について徹底解説!
債券投資
債券投資は国や企業が発行する借用書である債券を投資家が購入する資産運用です。
債券を満期まで保有する場合は元本が保証されていることが特徴です。
定期的な利息収入を得ながら、満期まで保有することによって利益は少ないですが非常に安定した運用をすることができます。
債券の最低投資額ですが、個人向け国債であれば1万円から購入することができます。
債券は国債と社債の2種類があり、国債は個人向けの商品もありますが、社債は最低でも50万円以上必要になります。
国債と社債であれば基本的には社債の方が利息の金利が高い傾向にあります。
ただし、信用性の問題があり、企業の信用性が低ければ低いほど債務不履行に陥りやすく、債務不履行になった場合は元本が保証されない場合があります。
また、信用が低く経営状態が危うい会社ほど金利を高くしてお金を貸してもらおうと考える可能性があるので、金利が高く信用がない社債にはリスクがあるということです。
債券を購入する際は種類によって最低投資額に開きがあることと、社債の場合は信用性についても注意する必要があります。
債券投資について詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
債券投資とは?利回りやリスクの関係とおすすめの債券投資について
投資信託
投資信託は投資家から集めたお金を資産運用の専門家(ファンドマネージャー)が様々な商品に運用し、その利益を投資家に分配する資産運用です。
簡単に説明すると、投資信託を一度購入すれば自分で運用する必要はなく、専門家が運用してくれる金融商品ということになります。
利益は株式と同様に売買差益と、投資信託の運用の結果生じる分配金があります。
投資信託の最低投資額は、100円となっており、少額から購入することができます。
資産運用を始めるにあたって投資信託は自分で運用する必要はなく、最低投資金額も安いので、初心者にもおすすめであるといえます。
ただし、すべての投資信託が100円から購入できるわけではありません。
投資信託ごとに最低投資金額は異なり、中でもヘッジファンドと呼ばれる投資信託は数百万円から数千万を最低投資額としていることが多いです。
また投資信託には口数買い付けと金額買い付けがあります。
口数買い付けは指定した口数で買い付けを行います。そのため投資信託を購入するためにかかる金額は安定しません。
金額買い付けは指定した金額で買い付けをおこなうため、投資金額を安定させることができます。
投資額にこだわるのであれば金額買い付けを選択するのが良いでしょう。
投資信託をいくらから始めるのがいいのかさらに詳しく知りたい人はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)いくらから始められる?購入費用の内訳を徹底解説!
資産運用を始める前に必要な知識
資産運用をするためには最低いくら必要なのかが分かれば、実際に始めるイメージもつきやすくなったのではないかと思います。
それでは、資産運用を始めるにあたって、始める前にやるべきことや、必要な知識について解説していきます。
- 自分の資産を3つの分類に分ける
- 初めて資産運用をするなら少額から
- 分散投資を心がける
自分の資産を3つの分類に分ける
資産運用を始める前にまず始めにやるべきことは、自分の資産を3つに分けることです。
資産の分け方は下記の図の通りに分けていきます。
1つ目は生活に必要な資産です。資産運用は余裕をもってやるべきなので、生活費に手をつけることだけは絶対にしてはいけません。
理想としては、半年後までの生活費を確保しておくとよいでしょう。
2つ目は緊急時に必要な資産です。病気や怪我をしてしまった場合や、急な出費をする必要があった場合のために生活費も含めてさらに資産を確保しておきます。
3つ目は余裕資産で、生活費と万が一のときに使うかもしれない資産が確保できたのであれば、この資産は当分使うことはないでしょう。
資産運用はこの当分使うことがない資産だけを利用しておこなうべきです。
2つ目の資産に手を出すことは万が一のことが起こった場合にリスクが高く、1つ目の資産に手を出すことは資産運用による破産に繋がる恐れもある危険な運用です。
まず始めに自分の資産状況を確認して、資産をこの3つの分類に分けることから始めるようにしましょう。
初めて資産運用をするなら少額から
この記事では最低投資額に注目して、資産運用について紹介してきましたが、資産運用を始めるのであれば余裕資産の大小に関わらず少額から始めることをお勧めします。
投資初心者でいきなり大きな資産を使って運用することは失敗したときのリスクが高いです。
また投資は一度に大きな金額を投資していくよりも、少しずつ分割して投資していく方がリスクが低いです。
最初に申し上げた通り、少額から始めて実際に資産運用を経験することによって少しずつ勉強をしていくのが理想といえるでしょう。
まず最初に投資する金額としては、最低投資金額から投資してもよいですし、万が一元本がなくなったとしても問題ないと感じる金額から投資していくのも良いでしょう。
余裕資産に関わらず最初は少額から始めて、少しずつ投資額を増やしていくのがおすすめです。
分散投資を心がける
最後に、これも投資初心者にありがちなミスになりますが、1つの銘柄に集中して投資をすることもリスクが高いです。
投資の世界では、「卵は一つのカゴに盛るな」という言葉があります。
1つのカゴに卵を盛るとカゴを落としたときにすべての卵が割れてしまいます。
しかし、複数のカゴに卵を盛れば1つのカゴを落としても他の卵は無事で済みます。
つまり、1つの投資先に全額を投資すれば投資先がダメになったときにすべてを失ってしまいますが、複数の投資先に分散しておけば残りの資産は無事ということです。
投資をする際は複数の銘柄に分散して投資をする必要があるということです。
また、投資信託は購入するだけで様々な商品に分散投資をしてくれるので、少額から分散投資ができる資産運用の手段として非常におすすめになります。
資産運用を始める前は余裕資産を確認して、少額から分散して少しずつ投資をしていくことが必要ということになります。
まとめ
資産運用はいくらから始められるのかについて理解していただけたでしょうか?
資産運用はお金持ちでなくても、簡単に始めることができます。
もちろん、最初は利益は少ないかもしれませんが、少しずつ投資額を増やしていけば利益は着実に増えていきます。
資産運用を始める前に必要な知識を理解し、実際に資産運用を始めてみましょう!
最後に今回紹介した株式投資、債券投資、投資信託の必要最低金額についてまとめた表を作成しましたので、どの資産運用を始めるか決まっていない人は参考にしてください。
資産運用 | 必要最低投資額 |
株式投資 | 株価×100株(単元株) |
債券投資 | 10,000円(国債) |
投資信託 | 100円 |