無登録業者に名義貸しを行い行政処分 日本投資助言株式会社(旧・株式会社トラヴィス・コンサルティング)

日本投資助言株式会社(旧・株式会社トラヴィス・コンサルティング)は2005年設立の投資助言・代理業者です。旧トラヴィス・コンサルティング社の頃に無登録業者への名義貸しを行い関東財務局より行政処分を受けています。

調査してみると、同社および関連会社にも怪しく感じられる点がいくつかありました。この記事では、主に旧トラヴィス・コンサルティング社時代の提供サービスや関連人物について紹介していきます。

目次

会社概要

社名日本投資助言株式会社(旧トラヴィス・コンサルティング株式会社)
登録番号関東財務局長(金商)第2289号
代表取締役益永研(設立時は畠山 一教)
本社所在地東京都中央区京橋2丁目11番5号
設立年月日2005年5月17日
主な事業内容投資助言業務、金融に特化したマーケティングに関する企画、調査及びコンサルティング
サイトhttps://japan-ia.co.jp/
※旧株式会社トラヴィス・コンサルティングのドメイン( http://www.tracon.co.jp/)は現在他社が使用

国税庁の登記情報によると同法人は設立後より、中央区→港区→千代田区→中央区と複数回にわたり住所変更しており、2020年9月に社名を日本投資助言株式会社へ変更しました。

また、国に登録してある登記住所の他、恵比寿を所在地と記載してある記事もあるため、実際には分かっている以上に転居を重ねている可能性もあります。

無登録業者に名義貸しを行い行政処分

証券取引等監査委員会の発表によると、旧株式会社トラヴィス・コンサルティングは当社の名義をもって、金融商品取引業の登録を受けていない株式会社アスクバンク(現商号は株式会社インデックス)及び株式会社イメージに投資助言業務を行わせたとされています。

両社からの投資助言を受けた顧客数は1,140人に上ります。

この検査結果をもって、2014年2月28日に関東財務局から行政処分を受けました。

関連人物

畠山 一教

畠山 一教氏は旧株式会社トラヴィス・コンサルティングの創設者です。畠山氏の経歴から人物像を探っていきます。

2008年頃:クリック証券にて外国為替部長の役職

畠山氏は2008年当時、金融サービスをネット上で提供しているインターネット専業証券会社であるクリック証券で外国為替部長の役職にありました。

同社が共催する「シストレFXグランプリ」攻略セミナー&中間発表会にてトークショーを行ったり、転職サイトに現役社員としてインタビューが掲載されていることから、同社の顔のような存在であったと憶測できます。

2010年~2012年頃:FX自動売買ソフトを販売

1日3時間の値動きが少ない時間帯だけトレードする」をキャッチコピーに凪(Nagi)というFX自動売買ソフトを販売していました。当該ホームページを見る限り、2010年から2012年頃まで販売を行っていたようです。

2012年頃:auカブコム証券のセミナーにて登壇

2012年11月2日に開催された 旧auカブコム証券(現三菱UFJ eスマート証券)主催のオンラインセミナーにて講師として登壇しています。

https://kabu.com/company/pressrelease/20121024_1.html

2019年頃:物件検索サイトのエージェント

高級感あふれる価値ある物件』を強みとする物件検索ポータルサイトの RE/MAX LOOK にてエージェントとして畠山氏が紹介されています。

RE/MAX エージェント一覧>畠山 一教(ハタケヤマ カズノリ)
https://look.remax-japan.jp/agents/1098

上記ページは2019年頃に作成されたようで、現在もエージェントとして活動しているかは定かではありません。

現在:DX通信社のチームメンバー?

IPO前のベンチャー投資が1口約10万円から始められるFUNDINNO(ファンディーノ)のサイトにて ”デジタル田園都市”実現へのプロフェッショナル「DX通信」のIPO情報が掲載れており、同ページ内「チーム」にて「自治体ルート開拓アドバイザー」として畠山氏が名を連ねていました。

畠山氏の経歴をまとめると、2000年代から2010年代前半は投資事業をメインに活動していたようですが、2010年代後半頃からはこれまでの人脈を生かした自治体キーマンへのアプローチ網を活用した仕事もしているようです。

吉田 裕章

吉田裕章氏は2010年代中頃から、旧株式会社トラヴィス・コンサルティングの代表を務めていました。吉田氏の実績などをもとに人物像を探っていきます。

オンラインスクール「「Yoshida Investors Club」」を運営

吉田裕章氏が代表を務めていた当時、トラヴィス・コンサルティングは「Yoshida Investors Club」というオンラインスクールを運営していました。

日経225先物取引を利用した投資方法である「吉田裕章 投資のススメ 勝利の方程式」を打ち出し、「毎日2回、朝8時前後と夕方16時30分に私が答えを届けます。」と宣言していたようです。

また、「プレミアムストッククラブ」という名義で投資サイト(http://p-sc.net/)を運営していたようですが、同URLは現在無効となっています。

株式会社プログレスマインド在籍時に行政処分を受ける

吉田氏は、金融商品専門会社である株式会社プログレスマインドに在籍していた2020年に、無登録業者に対する名義貸し、不適切な業務運営などの理由で関東財務局から行政処分を受けていました。

なおプログレスマインドは、ファンド出資金の一部を一時的に会社経費等に流用している等、業務の運営に問題があったとの理由で2015年6月にも関東財務局より行政処分を受けています。

吉田裕章氏とその関連会社に複数回の行政処分歴があることは、見過ごせない事実です。

日本投資助言株式会社へ社名変更

国税庁の公表サイトでは2020年9月8日に社名をトラヴィス・コンサルティングから日本投資助言株式会社に変更しています。

https://www.houjin-bangou.nta.go.jp/henkorireki-johoto.html?selHouzinNo=2010001134678

こちらのサイトには、日本投資助言株式会社の代表として吉田裕章氏の名前が掲載されていますので、設立時の代表は吉田裕章氏だったと推察できます。

しかし、現在の日本投資助言の公式HP会社情報には「代表取締役 益永研」と掲載されています。同ページには代表挨拶文も掲載されており「(2021年11月記)」と記されているため、2021年11月には現在の益永氏が代表職を務めていたことになります。

別会社で行政処分を受けている吉田氏を代表職に置いておくのは得策ではない、という判断のためか。代表交代の理由は分かりません。公表住所は国税庁の登記情報同様、「中央区日本橋蛎殻町1丁目18番1号」です。

日本投資助言株式会社(旧株式会社トラヴィス・コンサルティング)に関して、現在進行形の行政勧告や裁判の記録などは見られません。しかし、関連会社も含め過去複数回にわたる行政処分歴や代表職の変更等踏まえると、信頼に値するか疑わしいと言わざるを得ません。

本件についてはアップデートがあり次第、随時更新いたします。

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