ヘッジファンドダイレクト株式会社は、近年タクシー広告等で話題となった富裕層向けの投資助言会社で、その前身は2013年に無登録販売等で6カ月間の業務停止の行政処分を受けたアブラハム・プライベートバンク株式会社です。
ヘッジファンドダイレクト社はその姿勢を改める旨を公式HPに掲載していますが、旧アブラハム時代の販促手法からは悪質さが窺えます。この記事ではヘッジファンドダイレクト社の概要や口コミなどを紹介します。
会社概要
| 会社名 | ヘッジファンドダイレクト株式会社 |
| 住所 | 東京都千代田区丸の内1-8-2 鉄鋼ビルディング10F |
| 代表 | 高岡壮一郎 |
| 事業内容 | ヘッジファンド投資助言事業 |
| 投資助言契約額累計 | 1,395.9億円(2025年1月現在) |
| 公式HP | https://hedgefund-direct.co.jp/ |
ヘッジファンドダイレクト社の起源は2004年に準備会社として、アブラハム・グループ・ホールディングス有限会社を設立したことに始まります。
2008年に海外ファンドを専門とする投資助言会社として、アブラハム・プライベートバンク株式会社の運営を開始。2016年に「ヘッジファンドダイレクト」に商号を変更し、その際にグループ名も「アブラハム グループ」から「あゆみトラスト グループ」に商号を変更しています。
あゆみトラストグループ
あゆみトラスト グループは、グローバルにフィンテック事業を展開する独立系企業グループで、新規事業への投資・インキュベーションをしています。
| 創業 | 2005年 |
| 本店所在地 | 東京都千代田区丸の内1-8-2 鉄鋼ビルディング10F |
| 事業内容 | 日本・米国・欧州・アジアにおけるフィンテック関連事業 |
| 売上 | 205億円(2021年12月末実績 国内外グループ合計 |
| 資本金 | 19.6億円(各社合計、準備金含む) |
| 代表 | 高岡壮一郎 |
| 登録 | 関東財務局長(金商)第532号、米国証券取引委員会(各グループ事業毎) |
| 加盟団体 | 東京商工会議所 |
なお、現在のヘッジファンドダイレクト社のHPには『金融商品取引業者(投資助言・代理業)関東財務局長(金商)第532号』と登録が明記されています。
無登録販売等で行政処分(旧アブラハム・プライベートバンク)
2013年10月、アブラハム・プライベートバンク社は証券取引等監視委員会及び関東財務局長の検査により、下記3つの法令違反が認められたとして、同月11日、6カ月間の業務停止の行政処分を受けました。
- 無登録販売:
金融商品販売業者の登録をせず、海外の運用会社から事実上の販売手数料を受け取ってファンド販売 - 誇大広告:
実際に投資助言していない金融商品の平均利回りを他の商品と比較し、自社サービスの優位性を示す - 個別顧客への利益提供:
1人の顧客に助言料約940万円を免除
引用元:https://www.nikkei.com/article/DGXNZO60604590U3A001C1EE8000/
証券取引等監視委員会の発表によると2010年8月から2013年5月末までの間、少なくとも2,792人の顧客が海外ファンドを2,892件取得しているそうです。
広告に芸能人を起用?
ヘッジファンドダイレクト社のホームページを開くと、トップページの1番目立つ位置に芸能人の小雪さんの写真が大きく掲載されており、写真の横には『「中小企業からニッポンを元気にプロジェクト」公式アンバサダー小雪』と記載されています。

調べてみると、同プロジェクトは「変わろう。変えよう。挑戦で。」をビジョンに掲げ、公式アンバサダーとともに参画している中小企業の「情報発信力」「PR力の強化」「働く社員のモチベーション向上」の機会創出等を行っているようです。
いつかはゆかし(旧アブラハム・プライベートバンク)

いつかはゆかし(旧アブラハム・プライベートバンク)
「アスパイア」購入へ誘導
ヘッジファンドダイレクトがアブラハム・プライベートバンクという社名だった頃、「いつかはゆかし」と言うサービスを提供していました。「1億円を貯めよう」などのキャッチフレーズで、海外の複数のファンドラップ商品を紹介し、高い利回りにより安心の老後を送ることができるという宣伝文句で話題となりました。
同サービスの中でハンサード社の積立投資商品「アスパイア」を購入するよう顧客を誘導し、契約額に応じた報酬を得ていたとされています。

メディアの責任
「いつかはゆかし」はその誇大広告で注目を集めたことから、メディアの責任を問う声もあります。下記の東洋経済オンラインの記事によると、CFP資格を持つファイナンシャルプランナーが自身のブログにて「いつかはゆかし」を肯定する記事を書いていたそうです。
それにしても、なぜ多くの顧客がアブラハムの宣伝を信じたのだろうか。「利回り15%」などの誇大な広告を見れば、直感的にまゆつばものだとわかりそうだ。それでも多くの顧客を獲得できた理由は、メディアを徹底的に活用した点にある。
昨年10月に「いつかはゆかし」を発売して以降、新聞、投資雑誌、テレビなどのマスコミにタイアップ記事を掲載するだけでなく、電車のドアに張り付けられた車内広告、都内高層ビルでのデジタルサイネージ、JR東京駅構内での大型広告など、大規模なプロモーション戦略を展開した。推進したのは、最大手の広告代理店だ。
こうしたメディアを活用した派手なプロモーション戦略だけでなく、アブラハムはさまざまな手練手管を駆使し、自社のビジネスの正当化を図ろうとしていた。
たとえば、広告塔の存在だ。アブラハムのグループ会社である「海外投資新聞」のサイトには、竹中平蔵・慶應義塾大学教授、岩田規久男・日銀副総裁(当時は学習院大学教授)をはじめとする著名人が顔をそろえている。
一般の人の家計相談やアドバイスを行っているファイナンシャルプランナー(FP)の中にも、アブラハムを応援するメッセージを、自らのブログに書きつづっていた人がいる。海外ファンドに投資する際の注意点といった一般的なエクスキューズを入れながらも、「いつかはゆかしに共感」、「いつかはゆかしの魅力的な点」など、結局のところ同社の魅力を打ち出した歯の浮くような記事をブログに掲載していた。
この手のブログの一部は、今回の行政処分のニュースを受けて、「一部報道にもとづき、事実関係が確認されるまで掲載を停止しております」としているものの、多くは掲載されたまま。日本FP協会が認定しているCFP(上級ファイナンシャルプランナー)の有資格者にしてこの体たらくである。
https://toyokeizai.net/articles/-/21866
メディア戦略の巧みさは旧アブラハム・プライベートバンク時代からのものだったと憶測できます。
代表 高岡壮一郎氏について
高岡壮一郎氏は旧アブラハム・プライベートバンク社の創業者であり、現在はヘッジファンドダイレクト社の取締役会長の職にあります。
経歴・メディア掲載歴
高岡氏は一見すると、経営者として申し分ない経歴の持ち主です。新聞やテレビをはじめとした多数のメディアにも出演しています。
三井物産株式会社を経て、2005年に金融事業・IT事業を営むあゆみトラストホールディングス株式会社を創業。
同グループのヘッジファンドダイレクト株式会社 代表取締役社長に就任。
2023年より同社会長に就任。
著書に『富裕層のNo.1投資戦略』(総合法令出版)、『富裕層のためのヘッジファンド投資入門』(ダイヤモンド社)。
東京大学卒、スタンフォード大学 経営大学院エグゼクティブプログラム修了。
引用元:https://hedgefund-direct.co.jp/company/about/
日本経済新聞、朝日新聞、読売新聞、週刊文春、テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」、NHK「日本のこれから」、日経ビジネス、海外版ウォールストリートジャーナル、海外版ロイター、「起業家2.0―次世代ベンチャー9組の物語」(小学館:佐々木俊尚著)
引用元:https://sogohorei-books-wealthinvest.com/
サービス内容
ヘッジファンドダイレクト社は、そのマーケティング戦略からも憶測できる通り、富裕層向けのサービス展開をしており、手数料や最低出資額が高めに設定されています。
手数料
投資開始時には、初年度の投資助言料として投資予定金額の3.0%(税抜)がかかります。これに加えて、行政書士費用(15,000円~)や海外送金手数料(4,000円~6,000円)も必要です。
| サービス利用料 | 初期報酬3%/年間(1年目) 継続報酬0.9%/年間(2年目以降) |
| 行政書士費用 | 15,000円〜 |
| 海外送金手数料 | 5,000円前後 |
投資先ファンドで発生する手数料
| 管理報酬 | 運用額の2%/年 |
| 成功報酬 | 運用額に応じて20-40%/年 |
解約手数料
ヘッジファンドダイレクトは3年間のロックアップ期間を設けているので、3年経たずに解約する際には以下の手数料が課せられます。
| 取得日から1年未満 | 契約解除直前の評価額の3% |
| 取得日から2年未満 | 契約解除直前の評価額の2% |
| 取得日から3年未満 | 契約解除直前の評価額の1% |
| 海外からの送金手数料 | 4,000円~6,000円 |
最低出資額
ヘッジファンドダイレクト社は複数のファンドを紹介していますので、顧客がどのファンドを選択するかによって出資額が異なりますが、おおむね15万ドル程度のファンドが多いようです。
仮に1ドル150円とすると、2,250万円が最低出資金額となります。
ネット上の評判
ネット上では、旧アブラハム・プライベートバンク時代の販促手法からネガティブな印象を持つ声が多く、特にX上では、現在のヘッジファンドダイレクト社についても懐疑的に見ているコメントが見受けられます。
旧アブラハム・プライベートバンクが行政処分を受けた際の調査によると、少なくとも2,792人の顧客がいるようですが、彼らが訴訟を起こした記録などは、今のところ見つかっていません。
本件についてはアップデートがあり次第、随時更新いたします。
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