投資信託の税金とは?3種類の節税方法についても徹底解説!

投資信託を始めるのであれば、税金について知る必要があります

何故なら、税金の仕組みや節税の方法を知らなければ、せっかく発生した利益も税金を多く払う事によって減少してしまうからです

この記事では投資信託で発生する税金と節税方法について詳しく解説していきます

目次

投資信託の税金は「利益」に対して発生する

投資信託の税金は、利益に対して発生し、税率は一律20.315%(2037年までの特別所得税を含む)かかります。

100万円利益が出ても、約20万円は税金が差し引かれるということになり、看過できない金額になっています。

投資信託の税金について節約する具体的な方法については後述しますが、まず大切なことは利益が出るタイミングをしっかりと理解しておくことです

いつ、どんなときに利益が発生するのかを細かく解説します。

投資信託の売却・解約したとき

投資信託を売却したり、解約したりしたとき、購入時の金額より解約時の金額が高ければ、「投資信託の運用によって利益が発生した」とみなされます。

購入時の価格から解約時の価格を差し引いた金額が「売却益」として、売却益に対し税金が発生するのです

つまり、投資信託を保有する限り、つまり売却したり解約したりしなければ課税されることはありません

安易な売買は控えて、できるだけ長く保有し、ここぞというときに解約するようにしましょう。

投資信託の運用期間が終了(償還)したとき

最近人気の投資信託は運用期間が決まっていないもの、信託報酬が無期限のものが多い
ですが、中には運用期間があらかじめ定められているものもあります

運用期間の末日を償還日と呼び、償還日が決まっている投資信託は投資家の意図に関わらず運用期間の終了に合わせて強制的に償還(終了)されるため、ここで利益が発生していれば税金が発生してしまいます

複利効果を享受するためにも、運用期間が決まっている期間付き投資信託は避け長期保有できる無期限の投資信託を選ぶようにしましょう

分配金を受け取ったとき

投資信託には分配金が出るもの(分配型)と出ないもの(無分配型)とがあります。

また、分配金が出る分配型投資信託であっても、「分配金が合っても受け取らずに再投資する」という選択肢が用意されている場合もあります。

いずれにしても、分配型投資信託で分配金を受け取ると、分配金の種類によっては税金が発生します。

分配金の種類には普通分配金特別分配金とがあり、税金が発生するのが普通分配金です
特別分配金に税金が発生しないのは、元本の払い戻しだから(利益ではないから)です

投資信託はプロに投資をゆだねる運用商品であり、利益が出るタイミングをコントロールすることはできません

したがって、分配金が普通分配金(課税)になるか特別分配金(非課税)になるかも投資家には決めることができないため、いつ課税されるかがわからないということになります

特に分配金が毎月出る投資信託の場合、タイミングをコントロールできずにどんどん課税が重なることもありえます。

分配金をひんぱんに受け取ることで税金の支払いが増えるだけでなく、複利効果が薄れてトータルリターンが少なくなる可能性があるため、投資信託では分配金は受け取らず再投資コースを選ぶか、元々無分配型の投資信託を選ぶようにしましょう

投資信託の種類によってかかる税金が違う!種類別税金まとめ

投資信託にかかる税金の税率は一律20.315%(所得税15.315%、住民税5%*2037年まで)で、どの種類でも税率が変わることはありません。

ただ、投資信託ごとに利益の種類が異なるため、税金の支払い方法が少し変わってくるので注意しましょう。

投資信託の種類について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)の種類とは?7つの分類方法を詳しく解説!

株式投資信託にかかる税金と税率、支払い方法

国内投資信託
利益の種類 株式投資信託(税率) 税金の支払い
分配金が出たとき 配当所得(20.315%) 確定申告不要制度、源泉分離課税、総合課税いずれかを選択可能
償還(期間が終了)したとき 譲渡所得(20.315%) 申告分離課税(確定申告必要、特定口座での取り扱い可能)
売却したとき
解約したとき

株式に投資することができる投資信託を「株式投資信託」と呼び、世間で流通している投資信託の多くをこの株式投資信託が占めています。

利益の種類により配当所得譲渡所得に分けられますが、上述したとおり税率は一律で20.315%です。

売却・解約・償還で発生した利益は譲渡所得にあたり、税金の支払いは原則確定申告になりますが、投資信託の販売会社で用意されている特定口座内で源泉徴収ありを選択すれば、源泉徴収のみで納税を完結させることができるため、確定申告は不要になります。

公社債投資信託にかかる税金と税率、支払い方法

国内投資信託
利益の種類 公社債投資信託(税率) 税金の支払い
分配金が出たとき 配当所得(20.315%) 源泉分離課税(確定申告不要)
償還(期間が終了)したとき 譲渡所得(20.315%) 申告分離課税(確定申告必要、特定口座での取り扱い可能)
売却したとき
解約したとき

公社債投資信託は分配金発生時の所得の分類が株式投資信託と異なり、分配金は源泉分離課税になるため、確定申告を選択することができません。

公社債投資信託について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
債券型投資信託とは? 仕組みや買い時、メリットについて徹底解説!

ETF(上場投資信託)にかかる税金と税率、支払い方法

国内投資信託
利益の種類 ETF(上場投資信託)(税率) 税金の支払い
分配金が出たとき 配当所得(20.315%) 確定申告不要制度、源泉分離課税、総合課税いずれかを選択可能
償還(期間が終了)したとき※ 譲渡所得(20.315%) 申告分離課税(確定申告必要、特定口座での取り扱い可能)
売却したとき
解約したとき

投資信託のうち、金融商品取引所に上場している投資信託のことをETF(上場投資信託)と呼びます。

国内で取引されているETFの課税は基本的に国内株式や株式投資信託と同じで、売却益・解約益は譲渡所得として申告分離課税、分配金は配当所得として源泉分離課税になり、税率も同じです。

ほかの投資信託と同様、特定口座内で源泉徴収ありにすれば確定申告不要で、損益通算もしてくれるため、特定口座内での運用がおすすめです。

※国内のETFはすべて運用期間無制限になっており、償還ということは普通ありません。
ただし、万一運用成績の悪化などで上場廃止になれば繰り上げ償還せざるをえなくなります。

ETFについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
海外ETFについて!そもそもETFって?メリット・デメリットと併せてご紹介します!

J-REIT(不動産投資信託)にかかる税金と税率、支払い方法

国内投資信託
利益の種類 J-REIT(国内不動産投資信託)(税率) 税金の支払い
分配金が出たとき 配当所得(20.315%) 確定申告不要制度、源泉分離課税、総合課税いずれかを選択可能
償還(期間が終了)したとき 譲渡所得(20.315%) 申告分離課税(確定申告必要、特定口座での取り扱い可能)
売却したとき
解約したとき

おもに不動産に投資し、賃料や売却で得た収益を投資家に分配する投資信託をJ-REIT(不動産投資信託)と呼びます。

J-REITは投資信託の一種ですが、国内ETFと同様に金融商品取引所に上場しており課税の方法も国内ETFと同じです

REITについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
REIT(リート)とは?REITの仕組みと種類をご紹介!

投資信託の税金を節約する方法とは

投資信託は利益が出たときに税金が発生するため、税金を節約するには、利益発生のタイミングをまとめることが大切です
ただ、投資家は投資信託の利益がいつ発生するかわかりません

投資家ができることは、分配金や配当金を受け取らないようにし、安易な解約・売却を避けて長期間保有すること
つまり初期設定をしっかりしておくことが重要なのです

分配金や配当金は受け取らない

上述したとおり、分配金や配当金は受け取るたびに税金がかかります

投資信託の複利効果を最大限発揮させるためにも、利益はすべて再投資し、分配金などを受け取らない設定にしておくか、最初から無分配型の投資信託を選ぶことです

長期間継続する

投資信託はプロに運用を任せる商品のため、保有するだけで信託報酬というコストがかかります。

そのうえ、購入時や解約時にコストがかかる商品も多くあり、安易に売買を繰り返すと税金だけでなく不要なコストもかさむ可能性があります

税金やコストがかさめば、当然トータルリターンに影響します
投資信託を購入するときは、長期保有を前提にし、長期間継続できる商品を選びましょう

節税できる制度を使う(NISA/つみたてNISA/iDeCo)

投資信託にかかる税金を非課税にできる制度を活用すれば、節税効果は一気に高まります

おもな非課税制度にはNISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)の3つがあり、それぞれ投資できる額や投資期間などが異なります。

制度の特徴を生かしてうまく使いこなしましょう。

  • NISA……年間120万円まで投資可能/非課税期間は最長10年間
    節税期間が短いため長期保有には向かないが投資できる金額が大きく、対象商品も幅広い
    株式なども組み合わせて積極的に投資をしたい人におすすめ
  • つみたてNISA……年間40万円まで、非課税期間は最長20年間
    金融庁が長期投資向けの投資信託やETFを厳選しており、投資信託で長期投資をしたい人におすすめ
    いつでも引き出せるため、教育資金や住宅資金など中長期的な資金作りにも使える
  • iDeCo……職業により異なるが年間最大81万6000円まで、60歳まで投資可能
    60歳まで引き出しできないため、老後資金作りにおすすめ
    利益が非課税になるだけでなく、掛けた金額(拠出額)は全額所得控除の対象になるため、長期間続けるほど節税メリットが高くなる
    NISAとつみたてNISAは併用不可

投資信託をNISAで購入するメリットについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)をNISAで購入するメリット・デメリット(リスク)とは?

投資信託の税金を節税できる!おすすめファンド3選

投資信託の税金を節約するには、まず投資信託で利益を出さないことには始まりませんよね。

分配金を出さず、無期限で運用、そしてNISAなどの節税制度で購入できるおすすめの優良ファンドをご紹介します!

<各制度で取扱いのあるおすすめ優良ファンド3選>

ニッセイ外国株式インデックスファンド

つみたてNISA・NISAで取扱い可
DCニッセイ外国株式インデックスファンド」であればiDeCoで取扱いしているが、取り扱っている金融機関が少ない

2013年に設定され、まだ歴史の浅い投資信託ながら、純資産総額が右肩上がりで増え続けトータルリターンも好調なインデックスファンドです

日本を除く世界の主要な先進国株式を投資対象としているため、基準価格のブレ幅は大きくなりますが、長期保有すればより大きなリターンを期待できるでしょう

運営会社は安定のニッセイアセットマネジメントで、購入時手数料は無料、信託報酬は0.189%と、業界最低水準のコストも魅力です

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)

つみたてNISA・NISA・iDeCoで取扱い可

三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドで、8つのアセットクラス(資産)に投資するバランスファンドです

日本を含む世界各国の資産にバランスよく投資するため、これ一本持てば世界中に分散投資することができます

元々運用成績に大きく定評のあったeMAXISバランス(8資産均等型)というファンドのコストを業界最低水準(購入時手数料無料、信託報酬は純資産総額に応じて0.159%~0.149%と驚異的な低さ)に落として設定されたのがこのslimシリーズで、発売以来好調に純資産総額を増やしています

投資初心者の方で、ポートフォリオを考えるのが大変、分散投資を手軽に実現したいという人にまず持っていただきたいファンドです

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド

つみたてNISA・NISA・iDeCoで取扱い可

元々「三井住友-三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」という名称で販売されていたファンドですが、つみたてNISAへの対応に伴い名称を変更、同時に信託報酬も0.172%へ引き下げられたインデックスファンドです

日本株式を投資対象とし、TOPIXに連動する成果を目指して運用されています。運用方針がシンプルでわかりやすく、三井住友アセットマネジメントという強力な信頼力とバックボーンがあるうえ、信託報酬は業界最低水準(購入時手数料ももちろん無料)と長期保有に値する魅力がつまったファンドといえるのではないでしょうか

まとめ

投資信託にかかる税金は、節税を意識してファンドを選ぶこと、節税制度をうまく活用することで十分対策することが可能です

ご紹介した投資信託(ファンド)は、多くの販売会社で取扱いをしています。
まずは投資信託を始めるための口座を開き、投資を始めてみましょう

投資初心者におすすめなのは「特定口座」の「源泉徴収あり口座」です。

この口座であれば確定申告で悩むことなく、納税は販売会社にすべて任せることができるため、その分投資に集中することができますよ。

投資信託についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)とは?基本的な仕組みを紹介!

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