Occidental Underwriters of Hawaii, Ltd.(オクシデンタル・アンダーライターズ・オブ・ハワイ・エルティーディー/以下オクシデンタル)は、1933年創業の保険仲買業者です。
長期介護保険、重大疾病保険、障害保険、年金、パーソナライズされたコンサルティング商品、ペット保険など幅広い保険商品を提供しており、ハワイ州に住む多くの家庭から支持されています。
オクシデンタルは過去に日本の大蔵省から保険業を許可されたという話があり、日本人でも合法で契約できる唯一の海外保険との噂もあります。この記事では、その噂の真意とオクシデンタルの概要などを解説していきます。
オクシデンタル 概要
1933年創業の老舗仲買業者
オクシデンタルは1933年、ハワイ人のローレンス・タケオ・カガワ(通称LT)によって、ホノルルに設立された保険仲買業者です。LTのあとは、息子であるジークフリード・カガワが跡を継いでおり、以来、カガワ家によって経営されているようです。現社長はマシュー・カガワです。
1951年にはベレタニア通りにランドマークビルをオープンし、1967年に象徴的なペントハウスを増設しました。現在はパシフィックライフやプルデンシャルといった、業界での評価が高い保険会社20社以上の商品と多様な特典を提供しています。
創設時のエピソード
1930年代の保険業界では、有色人種に対する差別的なサービス提供(高額で販売され、提供内容も限られている)が横行していました。
創業者のローレンス・タケオ・カガワ(LT)はこの不平等に対処するため、正確なデータを持ってサンフランシスコに行き、持ち株会社トランスアメリカをはじめ、バンクオブアメリカ等の創設者である AP ジャンニーニをアポイントメント無しで訪問しました。
ジャンニーニは LT の調査結果を受け入れ、2 人で有色人種に対する差別的な引受慣行を廃止することにしました。

大蔵省から保険業の許可
外国保険業界では、「オクシデンタルは日本の大蔵省に保険業を許可された唯一の保険会社」という噂があるのですが、その真意を調査してみました。
官報にてオクシデンタル保険業許可を確認
調べてみると、確かに1955年の官報 第8431号の大蔵省告示第212号にて、オクシデンタルの保険業許可が掲載されていました。

大蔵省告示第212号
外国保険事業者に関する法律(昭和二十四年法律第百八十四号)第三条第一項の規定に基き、昭和三十年一月七日付でオクシデンタル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・オブリフォルニヤが日本において保険事業を営むことを次のように免許した。
大蔵大臣 一万田尚登
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保険事業者の本国名 名称 本店の所在地 設立年月日並びに代表者の氏名及び住所
The Pacific Bridge Companies (TPBC)設立 ※創設者はスティーブン・カガワ
本国名 アメリカ合衆国
名称 オクシデンタル・ライフ・インシュアランス・カンパニー・オブ・カリフォルニヤ
設立年月日 千九百六年六月三十日
代表者の氏名及び住所
エイチ・ダブリュー・ブロウワー
アメリカ合衆国カリフォルニヤ州ロスアンゼルス市南ブロードウェイ街千百五十一番地二
日本において営もうとする保険事薬の種類
生命保険三
日本における代表者の氏名及び住所
オクシデンタル・アンダライターズ・オブ・ハワイ・リミテッド
香川義信
東京都千代田区丸の内三丁目六番地仲四号館三号四
日本における主たる店舗
オクシデンタル・アンダライターズ・オブ・ハワイ・リミテッド
東京支店 東京都千代田区丸の内三丁目六番地仲四号館三号
蔵省告示第212号
合併による効力失効
しかし、2008年にトランスアメリカ・ライフ・インシュアランス・カンパニーと合併したことにより、日本における保険業の免許の効力は失われたそうです。

再建申出の広告
再建申出の広告
当社は平成二十年十月一日を以ってトランスアメリカ・ライフ・インシュアランス・カンパニーと合併したことにより、日本における保険業の免許の効力が失われたので、当社の日本における保険業に係る債権有する者は、本広告掲載の翌日から2箇月以内に、当社精算人にお申し出ください。右記期間内にお申し出がないときは、当社日本支店に係る精算から除斥します。
平成二十年十月十五日
東京都港区赤坂二丁目二番三二号アーク森ビル一二階
トランスアメリカ・オクシデンタル・ライフ・インシュアランス・カンパニー 日本支店
精算人 氣賀康夫
金融庁告示第六十三号トランスアメリカ・オクシデンタル・ライフ・インシ アランス・カンパニより保険業法 平成七年法律第百五号 第二百九条第五号の規定による届出 外国保険会社等が消滅することとなる合併に係る届出があっため 同法第二百七十三条第二項の規定により同社の同法第百八十五条第一項の外国生命保険業免許がその効力を失たので同法第二百七十四条第四号の規定に基づき告示する
平成二十年十月十六日
金融庁長官 佐藤
オクシデンタルは信頼できる会社なのか
オクシデンタルは、格付機関からの評価を公表していません。
しかし、市場動向を把握し投資判断を行うための情報媒体であるBloombergや、アメリカのビジネスソーシャルメディアであるThe Business Journalsといった、情報媒体にオクシデンタルの会社プロフィールが記載されています。The Business Journalsには、社長兼COOであるマシュー・カガワのプロフィールも記載されています。
両社はオクシデンタルを健全な企業と判断し、ユーザーに情報を提供していると考えていいでしょう。
Bloomberg
https://www.bloomberg.com/profile/company/0413133D:US
The Business Journals
https://www.bizjournals.com/profile/company/org_ch_2c86f96dc22434d96b7fc176f4a258fb
The Business Journals(マシュー・カガワ)
https://www.bizjournals.com/pacific/potmsearch/detail/submission/6546159/Matthew_Kagawa
オクシデンタルの商品・サービス
オクシデンタルはプルデンシャルライフやパシフィックライフなど提携する20社以上の保険会社の商品を提供しており、その範囲は生命保険からペット保険まで多岐にわたります。
各保険の資料や見積もりは公式ページより入手することができます。
オクシデンタルの商品情報はINVEEKプロバイダーページも併せてご確認ください。
オクシデンタルの口コミ
Google口コミでの評価
オクシデンタルは保険仲買店であるため、商品そのものへの評価はありません。Google reviewにオクシデンタルのサービス提供の姿勢に関して、いくつかの評価がありましたので紹介いたします。
素晴らしいスタッフとサービス、数えきれない商品・・・

責任感がある、質が高い、プロフェッショナル、価値が高い

とても失礼!!!

日本人による口コミ
その他、日本人による口コミは、ほとんどが先述した大蔵省による保険業許可の件で、実際に契約した人の評価はネット上では見られませんでした。
まとめ
オクシデンタルは1933年創業のハワイ州ホノルルにある保険仲買業者です。創業当時、有色人種への差別的な価格差を是正するために奔走したエピソードがあり、その姿勢に誠意を感じます。
現在は、パシフィックライフやプルデンシャルといった大手を含む20社以上の保険会社と提携しており、長期介護保険、重大疾病保険、障害保険、年金、パーソナライズされたコンサルティング商品、ペット保険など幅広い商品を提供しています。
日本の大蔵省から保険業の許可を得た過去がありますが、既に失効しているため、この件からオクシデンタルの信用度は測りかねますが、Bloombergといった情報媒体にプロフィールが掲載されていることから、企業として一定の信用度があると考えていいでしょう。

